奥深きルアー製作の世界⑨ペイントレスでの失敗例

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自分がペイントレスによるルアーのカラーリングを試し始めてから約半年になる。ほとんど参考事例もなくやっているため、これまで実に多くの失敗を繰り返してきた。今でも日々試行錯誤の未完成手法であるが、これまでの失敗例を備忘としていくつか記しておこうと思う。

①セルロースによるシートの侵食
粘着シートそのものがセルロースセメントに侵食されてしまった事例。
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コーティング後に所々侵食されてホログラムが失われてしまった。これ自体はシートとコート剤の相性のようだ。

②気泡
これもセルロースとストレッチホロシールとの相性から来ていると思われる事象。
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下地のストレッチホロシールと上から貼ったインクジェット透明ラベルの間に何らかの原因で気泡が発生し閉じ込められたらしい。

これら①②の失敗を防ぐためには、ストレッチホロシールを貼った後にいきなりセルロースのディッピングをするのではなく、セルローススプレーでの砂吹きを何度かやると防止することができる。一般的ないわゆる色流れ対策と同じ手法だ。自分はエアブラシが使えないので市販のセルローススプレーを使用している。

インクジェットラベル自体は、自分の経験上色流れは起こらないし、シートが侵食されたこともない。インクジェット対応シートでホログラムで伸縮性のあるものがあればベストだが、まだ市販品でその条件を満たすものには出会ったことがない。

③縮みによる剥がれ、シワ
貼った時はキレイに貼れてるのに、ディッピングして固まった時になぜか剥がれいてガッカリということがある。
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これはシートとシートの接合部で、透明シート部分が縮んで下地が出てしまった。

考えられるのはシートそのものの縮みと、シートの粘着力がセルロースで弱まってしまうこと。

特にシートの剥がれが起きやすいのはルアー前後のアイ付近。どうしても伸ばさないと貼れない部分で、かつシート自体が細長くなる部分のため、粘着力が落ちてしまい剥がれるのだろう。

これらの対策としてはシートを貼った部分に瞬間接着剤を差すか、UVレジンで固めておいてからセルロースのディッピングに移行すると防止できる。

また、シート貼る時に無理に力を入れて伸ばすのは禁物だ。熱をかけながら貼ると多少伸びて貼りやすくなるが、どうしても貼った後に内部応力で元に戻ろうとするからだ。シートは伸びる性質のものを選びつつも、ほとんど伸ばさずに貼れる面積に留め、複数のシートに分けて貼る方が結果として失敗は起こりにくくなる。ルアーの形に合わせてどこに継ぎ目を持ってくると目立ちにくいかを考えるのもテクニックのひとつ。

この他にもインクジェットならではの弱点として、白やメタリックの印刷ができないことが挙げられる。手軽である一方で、表現力はどうしてもエアブラシ塗装にはかなわない。エアブラシと組み合わせができる環境にある人なら適材適所で使い分けると効率よく面白い表現ができると思う。

次回は市販ルアーをペイントレスでリメイクの巻
(つづく)

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