ハンドメイドの現在地

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ハンドメイドルアーにハマってから3年目の春。
釣りに行けない昨今の状況にあって、この時間の多くをハンドメイドに費やすことでどうにか心のバランスを保てている感じだ。早くフィールドには出たいけれど、創作の時間にだって旅や探検に近いワクワクの要素があり発見がある。釣り同様に続けることで見えてきたことも多いし、何より同じ思いを持つ方々と会話する機会ができてきたのが嬉しい。今回は少しこれまでの過程を振り返り、また最近取り入れたことなどをいくつかご紹介しようと思う。

この頃は有機溶剤系の塗料やコート剤はほとんど使わなくなった。コーティングは下地からトップコートまで全てレジンだし色柄はほとんどがインクジェット。ごく一部でマニキュアやジェルネイル用のカラーを使用している。あとは透明や色付きの粘着フィルム、メッキシート、アルミテープなどなど。多くの作業がカッターナイフで済み、全体的に乾式化が進んでいる。

年明け頃からずっと春の解禁を夢見て渓流用のミノーを製作してきた。小さいルアーは製作時間が短いから創作トレーニングには最適だ。フォルム、アクション、色柄などの試行錯誤を繰り返し、30個くらい作ったところで自分なりの方向性が見えてきた。

50mm 3.8gシンキングミノー
上からヤマメ、オイカワ、アユ、ワカサギ
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これまでと同様のペイントレス手法ではあるが、光をどのように取り込むか、立体感をどうやって表現するか、などを色柄や素材や加工の組み合わせでトライ。

ちなみに3年前の作品はこちら(リップ装着前)
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当時はこれでも満足していたのだけど、いま見たらどこか初々しく薄っぺらな印象。基本的な手法は同じなのに平面的な表現にとどまっている。

理由はいろいろある。

まずは顔の表情をより意識するようにしたこと。
ひたすら魚の画像を見てその特徴を調べ、魚種ごとの顔のつくり、目やエラや口のバランスなどを理解することにつとめた。スーパーに行けばいつも魚売り場で鮮魚を眺めるようにしているしね(現在は自粛中)。

あと全体フォルムのバランス。
縦横の比率とか顔の大きさとか断面の形状など。こちらは市販ルアーを見ながら参考にしたところが多い。だいたいバランスが改善されればアクションも良くなるものだが、アクションを意のままにコントロールできるまでには至っていないため、まだここは試行錯誤の段階。

それから光の取り込み。
ウロコの表情を作るために、アルミテープの上から色柄をプリントした透明フィルムを重ねているが、さらにその上からカッターの刃でラインを入れることで陰影が生まれ、その上からレジンでコート。表面はツルツルだが内側に奥行感が出るようになった。柄と本体との一体感も上がった気がする。
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腹にはホワイトのシート貼りをし、その上からジェルネイルのシアーホワイト(半透明のホワイト)でグラデーションをつけることによって、腹のホワイトと側面のアルミシート部分との境界をぼかすことができるようになった。ホワイトはインクジェットで表現できなかったためここは一歩前進した感じ。筆塗りなのでムラが出やすいところが今後の課題のひとつ。


ホワイトのシートは模型店で見つけた。プラモデルに使われるデカールのようなもので薄くてよくのびる。使用感は良い。サイズは200mmx90mmのみだがメッキやクリアーも含めて様々なカラーバリエーションがあるようだ。
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ジェルネイルはこちら。知識がないので詳細は不明だがネット動画を見ながら試したらなかなかいい感じ。これを細筆で塗る。
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ルアー自体が50mmと小さくウロコ模様は間隔が0.5mm程しかなくてカッターで引くのは非常に難しい。そこでルーペではなくスマホのカメラを起動し、拡大画面越しに作業をすることにしたらどうにかできるようになった。
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まるで内視鏡手術みたい。

最初のうちは自分の手の動きがつかみにくかったがだいぶ慣れてきた。そのまま撮影もできるのでそのうち製作動画でもつくるかな。

顔も輪郭を意識して要所にカッターの刃を入れている。エラの部分を際立たせるように、アルミテープを少しだけ押し込むような力加減で陰影をつけていく。
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こうやっていろんな材料や道具を試しながら実験的に製作していくのが何より楽しい。

釣りもハンドメイドもプロセスにこそ面白さが詰まっている遊び。やればやっただけの経験値がついてくる。どんなチャレンジにも失敗はつきものだけど、その先にある成功・成長はプライスレスだ。







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