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消滅寸前な日本の漁業

釣り人でも日本と言う国に住んで、魚資源っていうテーマを考えるなら日本の漁業は避けて通れないテーマです。

では日本の漁業が今どうなっているかというと非常にヤバイです。



漁業者はピーク時の100万人から20万人を割り込み、平均年齢は60歳を越え、通常の企業ならとっくに倒産している状況を国からの補助金でかろうじて支えている状態です。

何より、現在の漁業に関わる人が「息子に継がせたくない」と言ってるくらい。


勿論、ホタテの養殖や、桜えび漁など成功している所も、少しはあります。

それらの地域では安定して高利益を上げ、産業として成り立つ事で、若者も自然と集まってきているという、至極真っ当な、当たり前の結果になっています。


一体何が問題なんでしょうか。




日本は漁業後進国?


経済発展した日本の様な先進国では一次産業は衰退するので補助金で支えるのも止む無し。

農業にも同様の考えがあるんじゃないでしょうか。


ところが、アメリカをはじめオーストラリア、ノルウェー、アイスランドなどでは補助金はほぼなしですが、継続して成長を続けているようです。

むしろ途上国よりも先進国で漁業収益が伸びるのが世界の傾向です。



漁業先進国がやっていて、日本がやっていない事は以下の2つ


① 漁獲規制で魚をしっかり、獲らない(意図的な獲り残し)

② 獲れた魚を高く売る






それってどういうこと?


日本と欧州の鯖に関する比較表

日本の鯖は太平洋の排他的経済水域で完結する、日本の影響しかほとんどないエリアです。




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日本では80年代、乱獲が進みました。(左上図)

その結果、獲れなくなったので、普通ならここで漁獲制限し資源の回復を待ちます。

ところが日本では小さい魚を獲る為の工夫を進め、未成魚中心の漁になってしまいました。

一方、欧州では安定して3歳魚以上の成魚(紫より上の色)が獲れています。(左下図)


ここではあくまでも漁獲量のみですが、重要なのは市場において小さい魚は極端に安くなる、と言う点です。





3年待つと漁獲は1.5倍、水揚げ金額は4倍になる?



100gの0歳魚はローソクと呼ばれる、まさに雑魚です。
養殖のエサか、精々缶詰になるかどうか、捨て値で取引されます。

0歳のサバを10尾 獲ると 100g × 10 =1kg
キロ60円くらいだそうですので、これで水揚げ金額は60円です。



これを3年待つと 3歳のサバになりますが数は減ります。
ですが1尾500gになるので3尾しか獲れなくても、 500g×3=1.5kg

1キロ60円が 1尾80円!になるので、80円×3尾= 水揚げ金額は 240円。 

漁獲が1.5倍、水揚げ金額は4倍になりました。



更に3歳魚は既に一度卵を産んでいるので再生産のリサイクルと言う観点からも、卵を生む前の0歳魚を乱獲する、より遥かにメリットがあります。




大体、何もしてない国が悪い


日本中何処の浜も嘆きの声で満ちています。
漁師、漁業者を責めている訳ではありません。

漁業者に話を聞けば、皆、「 魚が減っている。 それは小さい魚まで乱獲しているせいだ 」とほとんど同じ声を聞けます。



話は変わりますが、イカ漁の船のライトは凄いですね。
ですが、昔から続く伝統漁法という歴史をみると、実はあんなに明るい必要は無いそうです。

あれは一番明るい船に取られてしまうので、奪い合いの為にできるだけ明るくしているそうです。




でも完全な自由競争にすれば、それは当然の結果です。

例えば、金貸しの金利だって、国が規制しなければトイチ、トゴ、もっと凄いのも横行するでしょうね。

黙認していただけで、不法なグレーゾーン金利がどれだけ蔓延っていたか見ればわかります。

つまり漁師や漁業者はある意味、国が現状を放置した結果、完全な自由競争の被害者とも言えます。
補助金という人質もあり自発的に現況を変えるのは厳しいでしょう。


もちろん出来るだけ自由な環境であった方がよいとは思いますが、資源不足で漁業が消滅しようとしている以上、いくらなんでもそろそろ手を打つ時ではないかと思います。


 

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