地球のご機嫌と釣り人の業

釣りの上手い人というのは、たいてい地球の機嫌を読むのが上手い。
魚にとっても釣り人にとっても都合がよく、双方が「おっ、今日は悪くないな」と思えるような絶妙なタイミングを見計らって、
スマートにポイントへ入り込み、涼しい顔で釣果をあげてくる。
その様子たるや、もはやアングラーの皮をかぶった漁師である。い…

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飛ばさねばならぬ、という呪縛からの解放について

釣りという業深き趣味には、実に様々な魅力が潜んでいる。魚を騙す知略の悦び。自然との対話。そしてその中でも、
私はとりわけ「遠投する」という行為に、ある種の陶酔を感じていた時期がある。
そう、かつての私は、ベイトタックルで100メートルという魔法の数字に取り憑かれていたのである。
それこそ、飛ばせるように…

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