「ワンヘルス」という考えをご存じだろうか？

ワンヘルスとは「人の健康を考えるならば、家庭動物や家畜が健康であること、そして生態系も健全な状態である必要がある」という考えだ。

この考えは年々注目を集め、福岡県では全国に先駆けて「福岡県ワンヘルス推進基本条例」を制定している程だ。


このコロナ禍もそうだ。

人がかかる感染症の約6割が動物由来の感染症と言われている。

今回の新型コロナウィルスも起源はコウモリを筆頭とした野生動物である可能性が高いといわれている。
（武漢ウイルス研究所における人為的な営みから流出した可能性もある。）

つまり人口が増え、消費が増えた結果、農園や畜産業等の拡大で森林破壊等の生態系破壊をし、様々なウイルスを保有する動物との距離が非常に近くなった。

このようにして人間社会に動物由来のウイルスは持ち込まれたと考えられている。

現に人口増加と共に人への感染が確認されたウイルスの数も増加しているのだ。


例えば「エボラ出血熱」だ。

この恐ろしい感染症が人間社会を襲うようになった大元の原因は、カカオやアブラヤシ（パーム油の原料）の栽培を目的とした大規模な熱帯林伐採にあったと現在考えられている。


また、近年、抗菌薬が効きにくい、あるいは効かない「薬剤耐性菌（AMR）」の出現が世界各地から報告され、問題になっている。

薬剤耐性菌は一部医療現場での抗菌剤の使いすぎのほか、畜産業や水産業、農業での使いすぎが原因で生まれる。

そしてその菌が病院の下水や家畜の糞などとともに川や海に流れ、それがめぐりめぐって食べ物などとともに人の体に入ることが、懸念されている。

当然今まで効果のあった抗生物質が効かないのだから、それまで治せた病気も治せず、命を落とすケースも増えるだろう。


その他にも人間によって意図的に導入された外来生物による、生態系破壊や地球温暖化、環境破壊等もそうだ。


つまり今の地球環境は「健全な状態」からは程遠いのである。


何度も何度も書いているが、我々人間の幸福は健全な地球環境が無ければ成立しないのだ。

そしてその付けを未来の人間に押し付け、のうのうと生きている現在の人間はあまりにも無責任で馬鹿である。


結局今回のコロナウイルスも人間の自業自得な可能性が非常に高い。

それで本来なら失われることのない大切な命が奪われいる。

本当に悲しくて、むなしいことだ。

そしてすべての人間がコロナや自然災害で奪われた命や財産に対しての加害者でもあるのだ。