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▼ ロッド選びのイロハ ナノテク
- ジャンル:日記/一般
・カーボンシートの樹脂に関する工法(技術)
これ、大まかに2つあります。
ひとつは、ウェットな状態、要するに加熱して熱可塑性樹脂を硬化させる前の状態で、シートから余分な樹脂を抜く工法があります。
これは非常に効果的なトライだと思います。
無数のカーボン繊維の隙間にある樹脂ですが、「不必要な樹脂を抜く」という事で何が起きるかと言うと、まずは「軽量化」です。
『同じ体積に対して』、樹脂量が減ることは、逆にカーボン量が増えますね。カーボン量を増やさない場合は体積も減りますが・・・どちらにせよ軽くなります。
ブランクの軽量化のメリットはマテリアルでも書きましたが、釣り竿においては良い事が多いです。
ただし、デメリットは「衝撃から守ってくれる樹脂が少なくなる」ので、強度の低下は免れません。
その他のメリットで、私は製造業なので思うのですが、「直材費低減」につなげられるのではないかと。
工数UPとの引き算ではありますが、原価低減効果に結びつけたくなります(笑)
そしてもうひとつの技術が、カーボン繊維の束と樹脂の密着度を上げる技術です。
前出の絞り出しでの軽量化とは異なり、密着度を上げる事でマテリアル全体の精度を上げる事に繋がります。
工業製品の宿命は、やはりバラツキとの戦いなのですが、これをより高くより狭いバラツキで納める技術です。
この手の工法で近年の流行り言葉は「ナノテクノロジー」と呼ばれるものであり、もっというと分子レベルで行われる樹脂の結合(ややこしいから説明省きます。簡単に言うと硬化の仕組み)とは実はけっこう不安定(有機物に比べれば良いとう考えもあるけど)なもので、温度や湿度によってもばらつきが起きます。その為に私の本業でも最近はこのナノテクてきな設備がちょっと話に出る事があります。
まぁでもそれって、自働化と工程の標準化がしっかりできていてプロセスウィンドゥでの管理がなされているのが大前提なんですけどね。
どんなに設備や工法が良くても、人の手が入る時点でバラツキが必ず発生します。
それを自動化し、さらに自働化で機械を止められるかがキモなのでしょうが、ロッドメーカーがそこまでやっているかは知りません。
特に海外のブランクメーカーの場合は。
私の関係するロッドメーカーでは聞きませんが、以前知人が「かなりばらつきがひどく、しかも設計通りじゃないものを平気で送ってくる」と嘆いていたのを思い出します。
その時は「へぇ~そうなんだ」とスルーしましたが、その工場が悪いのか、指示が悪いのかは判りません。
私は個人的に、「海外(特に中国)=粗悪品」という考えではありません。
製造業では、コストと品質の兼ね合いが非常に重要で、日本国内でも安く作ってもらったらそりゃぁ品質は落ちますからね。
コストを下げるには具体的に言うと、まず材料費を下げて、次に人の手を掛けない事。そしてマシーン(機械)の稼働時間を減らすことです。そして最後に在庫をしない事。
材料費は安い材料に変えます。一般汎用品、もしくは海外だと再生材や基準値以下の材料が安く入手できます。工程を少なくするには、どこも検査を省きます。
マシーンに関しては、樹脂製品は「加熱時間」「保圧時間」「冷却時間」を下げます。(熱硬化と熱可塑の違いはありますが)
例えば過熱が、120度で10秒やらねばならない所を、180度で5秒にするとか。
そういう事をすると、樹脂製品は特に強度と重量へ大きく影響が出ます。
ですから、工業、特に樹脂製品における品質(バラツキの防止)とは「温度と圧力と時間の管理」に特化していきますし、時間が掛かる方向になってしまいます。
ですから、品質意識が低い工場は、コスト減の為にこの条件を勝手に変えてしまう事が「よく」あります。
品質確認無しで。
それは、中国も日本も変わりません。
国内でも、ダメなところはダメです。
では、そういう事をなぜしてしまうのか?を考えると、責任は本当に向上だけにあるのだろうか・・・という事です。
サプライヤー(下請け)との信頼関係の構築って、本当に難しいものです。
まぁそれ以上は言いません。
とまぁ、ここ近年でよく聞く工法?を三つ上げてみました。
工業製品なので「何かを変えれば何かが変わります」から、「それが欲しい機能とマッチしている」ならば、良い事なんではないでしょうか。
ただ、理屈は分かったけど、使っても解らないものもありますね(笑)
ここではあえて触れませんが、もっとそれ以前の基本的なロッドの作り方である、「どんなカーボンシート」を「どうやって金型(芯材)に巻き」、「どうやって窯で焼くか」にはまだまだ多くの技術があります。
ロッドではないのですが、似たようなものを作っているメーカーの工程を見させてもらったことがありますが、「あぁなるほど、職人技ってあるのか」と思いました。
これは「いい意味でもあり悪い意味でも」という事です。
ちなみに大量生産品は、かなり高度な自働化がされていて、とても勉強になりました。
そんな現状を見ると、なんちゃらカーボンがどうとかよりも、実はまだまだ基本的な工法の中にある「技術による無限の組み合わせ」の追求の方が、我々が釣りで使うロッドには大きな可能性が含まれていると感じます。
何にせよ、各ロッドメーカーが切磋琢磨してくれているからこそ、我々アングラーは「より自分に合ったものを選ぶ」という事が出来ているのですから、まだまだ頑張ってほしいと思います。
自分以外の物を否定するだけではなくね、やはり物・事は客観的に見ていきたいものです。
あぁそうそう。
解っていると思いますが、私には守秘義務が課せられたネタもありますので、変な質問をしないでくださいね(笑)
以上で工法を終わりにします。
次回はガイドの話し。
これ、大まかに2つあります。
ひとつは、ウェットな状態、要するに加熱して熱可塑性樹脂を硬化させる前の状態で、シートから余分な樹脂を抜く工法があります。
これは非常に効果的なトライだと思います。
無数のカーボン繊維の隙間にある樹脂ですが、「不必要な樹脂を抜く」という事で何が起きるかと言うと、まずは「軽量化」です。
『同じ体積に対して』、樹脂量が減ることは、逆にカーボン量が増えますね。カーボン量を増やさない場合は体積も減りますが・・・どちらにせよ軽くなります。
ブランクの軽量化のメリットはマテリアルでも書きましたが、釣り竿においては良い事が多いです。
ただし、デメリットは「衝撃から守ってくれる樹脂が少なくなる」ので、強度の低下は免れません。
その他のメリットで、私は製造業なので思うのですが、「直材費低減」につなげられるのではないかと。
工数UPとの引き算ではありますが、原価低減効果に結びつけたくなります(笑)
そしてもうひとつの技術が、カーボン繊維の束と樹脂の密着度を上げる技術です。
前出の絞り出しでの軽量化とは異なり、密着度を上げる事でマテリアル全体の精度を上げる事に繋がります。
工業製品の宿命は、やはりバラツキとの戦いなのですが、これをより高くより狭いバラツキで納める技術です。
この手の工法で近年の流行り言葉は「ナノテクノロジー」と呼ばれるものであり、もっというと分子レベルで行われる樹脂の結合(ややこしいから説明省きます。簡単に言うと硬化の仕組み)とは実はけっこう不安定(有機物に比べれば良いとう考えもあるけど)なもので、温度や湿度によってもばらつきが起きます。その為に私の本業でも最近はこのナノテクてきな設備がちょっと話に出る事があります。
まぁでもそれって、自働化と工程の標準化がしっかりできていてプロセスウィンドゥでの管理がなされているのが大前提なんですけどね。
どんなに設備や工法が良くても、人の手が入る時点でバラツキが必ず発生します。
それを自動化し、さらに自働化で機械を止められるかがキモなのでしょうが、ロッドメーカーがそこまでやっているかは知りません。
特に海外のブランクメーカーの場合は。
私の関係するロッドメーカーでは聞きませんが、以前知人が「かなりばらつきがひどく、しかも設計通りじゃないものを平気で送ってくる」と嘆いていたのを思い出します。
その時は「へぇ~そうなんだ」とスルーしましたが、その工場が悪いのか、指示が悪いのかは判りません。
私は個人的に、「海外(特に中国)=粗悪品」という考えではありません。
製造業では、コストと品質の兼ね合いが非常に重要で、日本国内でも安く作ってもらったらそりゃぁ品質は落ちますからね。
コストを下げるには具体的に言うと、まず材料費を下げて、次に人の手を掛けない事。そしてマシーン(機械)の稼働時間を減らすことです。そして最後に在庫をしない事。
材料費は安い材料に変えます。一般汎用品、もしくは海外だと再生材や基準値以下の材料が安く入手できます。工程を少なくするには、どこも検査を省きます。
マシーンに関しては、樹脂製品は「加熱時間」「保圧時間」「冷却時間」を下げます。(熱硬化と熱可塑の違いはありますが)
例えば過熱が、120度で10秒やらねばならない所を、180度で5秒にするとか。
そういう事をすると、樹脂製品は特に強度と重量へ大きく影響が出ます。
ですから、工業、特に樹脂製品における品質(バラツキの防止)とは「温度と圧力と時間の管理」に特化していきますし、時間が掛かる方向になってしまいます。
ですから、品質意識が低い工場は、コスト減の為にこの条件を勝手に変えてしまう事が「よく」あります。
品質確認無しで。
それは、中国も日本も変わりません。
国内でも、ダメなところはダメです。
では、そういう事をなぜしてしまうのか?を考えると、責任は本当に向上だけにあるのだろうか・・・という事です。
サプライヤー(下請け)との信頼関係の構築って、本当に難しいものです。
まぁそれ以上は言いません。
とまぁ、ここ近年でよく聞く工法?を三つ上げてみました。
工業製品なので「何かを変えれば何かが変わります」から、「それが欲しい機能とマッチしている」ならば、良い事なんではないでしょうか。
ただ、理屈は分かったけど、使っても解らないものもありますね(笑)
ここではあえて触れませんが、もっとそれ以前の基本的なロッドの作り方である、「どんなカーボンシート」を「どうやって金型(芯材)に巻き」、「どうやって窯で焼くか」にはまだまだ多くの技術があります。
ロッドではないのですが、似たようなものを作っているメーカーの工程を見させてもらったことがありますが、「あぁなるほど、職人技ってあるのか」と思いました。
これは「いい意味でもあり悪い意味でも」という事です。
ちなみに大量生産品は、かなり高度な自働化がされていて、とても勉強になりました。
そんな現状を見ると、なんちゃらカーボンがどうとかよりも、実はまだまだ基本的な工法の中にある「技術による無限の組み合わせ」の追求の方が、我々が釣りで使うロッドには大きな可能性が含まれていると感じます。
何にせよ、各ロッドメーカーが切磋琢磨してくれているからこそ、我々アングラーは「より自分に合ったものを選ぶ」という事が出来ているのですから、まだまだ頑張ってほしいと思います。
自分以外の物を否定するだけではなくね、やはり物・事は客観的に見ていきたいものです。
あぁそうそう。
解っていると思いますが、私には守秘義務が課せられたネタもありますので、変な質問をしないでくださいね(笑)
以上で工法を終わりにします。
次回はガイドの話し。
- 2020年10月6日
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本編とはまったく関係ないことをお訊ねしたいのですが
ロッドのことで、よく「腰が抜ける」って言うじゃないですか? あれって、現実に起こる現象なんですか?
taka1028
神奈川県