Tribologyという学問

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トライボロジーと言う学問があるそうです。

ギリシア語で摩擦を意味するtribosと、学問を表す接尾語-logyをつけて
Tribologyだそうで、摩擦・摩耗・潤滑に関わる学問だそうです。
 
摩擦減少による、エネルギー消費の節減、耐用年数の延長による設備投資の節減、潤滑油経費の節減、部品交換費の節減などによって、17兆3000億円の節約が可能とのこと!!


 
さて、先日、オイラーのベルト理論が、リーダーにPEを巻き付ける際に発生する摩擦の発生の説明に使えるのか、と言うような内容を書きましたが、
どうやら違うようですね。


 
ゴムなどの弾性体に関わる摩擦に関しては別の考え方が必要なようです。

 
ゴムなどの弾性体の摩擦力=凝着性摩擦力+ヒステリシス摩擦力

 
で表され、タイヤの摩擦力の説明などでよく引用されていました。

凝着性摩擦力:伸ばされたので縮もうとする際に接触してるものを掴むかのような力
 

 
ヒステリシス摩擦力:縮められたので伸びようとする際に接触してるものを押すかのような力
 
だそうです。
 
リーダ―に使用されるフロロカーボン、ナイロンなども弾性体ですし、PEがリーダーに食いこんで、凝着摩擦力やヒステリシス摩擦力を発生させているのではないかと・・・
 
凝着性摩擦力=弾性体(ゴムやリーダー)の食い込み易さx接触面積

ヒステリシス摩擦力=弾性体(ゴムやリーダー)のバネ定数x接触面積x加えられた力
 
で表されるそうです。

つまり

ゴムなどの弾性体の摩擦力=
弾性体(ゴムやリーダー)の食い込み易さx接触面積

弾性体(ゴムやリーダー)のバネ定数x接触面積x加えられた力

と言う事になります。
 
これを、リーダーにPEを食いこませて摩擦系ノットを編む、という状況に当てはめて考えてみます。

同じリーダー、同じPEを使用して、なるべく高い摩擦力を発生させて、なるべく強い結紮強度を出すこと、を考えます。


『リーダーの食い込み易さ』、『バネ定数』は、同じリーダーを使用する限りは一定でいじりようがありません。
ゴムのように食いこみやすいものであれば、より高い摩擦力が得られるでしょうし、
フロロとナイロンを比べると、ナイロンの方が食いこみやすいイメージですよね。
ワイヤーリーダーはさらに食いこまないイメージ。

 

『加えられた力』、も同じリーダー、PEを使用する限り、表示lb以上の張力はかけられないので、いじりようがないと考えます。

 
唯一、いじりようがあるのは、『接触面積』これだけかと。

リーダーとPEでノットを組む際に、
仮に、凝着性摩擦力だけ、もしくはヒステリシス摩擦力だけ、しか関与していなかったとしても

接触面接は、どちらの式にも入っているので、この考察は間違っていないかと・・・


リーダーを円柱と捉えると、PEが接触する面積は円柱の側面の面積、
即ち、
底面の円周×長さ(円柱の高さ)であります。

同じリーダ―を使用する限り、直径はいっしょ=円周も一定なので、
接触面積を増やしたければPEを巻き付ける長さ=回数を増やせばよいと言うことができるのではないでしょうか。

 
ワイヤーリーダーは食いこまないぶん、巻き付け回数を増やす(ワイヤーリーダー使ってことないですがw)というのも、この式をみると理論がご理解いただけるかな、と。
 

SCノットは、PEを2重に束ねてリーダーに巻き付けるので、
PE横並び、でリーダーに巻き付いているところはきちんと食いこんで摩擦が発生しているのですが、
PE縦並び、でリーダーに巻き付いている部分がどうしても出てきてしまうはずで、
PE縦並びのリーダー側のPE、はきちんとリーダーに食いこんで摩擦力を発生させているけど、
PEの上に乗ったPE、は摩擦力の発生に寄与しにくいのではないかと。
 
男性が、トランクスを履いて、お尻に食いこませる状況を考えますとw、
トランクス1枚履きの時はお尻によく食いこみますが、
トランクス2枚履き、3枚履きとなると、2枚目、3枚目のトランクスがお尻に食いこみにくい、のと同じでしょうか・・・
 
僕が結ぶSCノットがFGノットより若干不安定のように感じるのはこのようなことが関与しているのではないかと想像しています(技術的な問題も否定はしませんが)。
 


なので、各種ノットの比較で、結束強度何パーセント、とか時々見かけるのですが、FGノットのように、
巻き付け回数をいくらでも増やすことができるノットであれば、限りなく100パーセントに近い強度を出すことが可能でなのではないか、と考えるわけです。

75%しか強度が出なかったのは、巻き付け回数が少なかったからじゃないの?とか考えちゃうわけです。


もちろん、巻き付け回数を増やす=ノット長が長くなることで、ガイド抜けがわるくなって飛距離が落ちるとか、トラブルが起きやすいとか、スプールへのおさまりが悪くなるとか、不都合も生じるかと思います。



ノット長が長くなってガイド抜けが多少悪くなるけど強度を出したい、という状況もあるかと思いますので、状況に応じて巻き付け回数を調整して頂ければと思います。
 

結束強度を出したければ、巻き付け回数を増やす。

みなさんご存知の当たり前のことを、回りくどく、理屈っぽく書いてみました。
 
世の中の摩擦も、fimo内の摩擦もTribologyで解決すると良いのですが。
 

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