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▼ アリ
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「パパに訊きなさい!」
突如、ヨメの声が聞こえた。
いや正確には突如ではなく、それまでもワイワイガヤガヤ声は聞こえてはいたのだが、新聞の競馬欄に没頭していた為、リビングの方に思考が向いていなかったところに、近頃自分に使われる、「パパ」という呼称によって、そのスイッチが切り替わったのである。
だから聞こえてはいたが、それは雑音であり、内容の把握からすれば、やはりそれは突如であった。
そしてただ一つだけ判っていたのは、今から私の部屋にボウズが飛び込んでくるということであった。
「ねぇ、パパ。アリかっていい?」
ん?と思ったが、すぐにピンと来た。アリのアクアリウムみたいな、いわゆるアントクアリウムというやつのことであろう。
「あん。いんじゃない。買えば」
実は、私もそれには少々興味があったので、気軽に承諾したのだが、すぐにヨメが走って来た。
「いいの?アリよ。部屋の中で逃げ出したら嫌やん。ちゃんと止めてよ」(-"-怒)
「えっ?反対なのか? それならなら先に言ってくれよ」┐( ̄ヘ ̄)┌
「何ソレ!聞こえてたでしょ?あれだけ大きな声で話してたんだから!」
「・・・・」
ここで上記したようなことをヨメに言えるわけもなく。
「・・・まあいいやんか。あーいうのは水槽から逃げられないシステムになってるんじゃないのか?」
「じゃー、わたしは知らんよ。アンタが行って来て!大体、虫好かんくせに!」
そんなもの種類にもよる。ゴキブリは嫌いだが、カブトムシは好きだ。とにかく父として、上機嫌で出掛ける準備をしているボウズの期待に添うことにした。
で、ボウズと二人、エレベーターで下りると、ボウズはマンション玄関の方へ一目散に走っていった。
「おいおい、車はこっちだぞ」
駐車場へ行くには裏口からが近い。
「歩いていく」
何を言っているのか?近所にアントクアリウムが売っているような洒落たペットショップなどない。
だが、ボウズは制止もきかず、そのまま一人でズンズン進んで道路に飛び出しそうになったので、私は慌てて追いかけた。
「どこへ行くの?歩いてじゃ、行けないぞ」
「しっとーと!」
「ん?」
「アリがたくさんいるところ、知っとーと!」
「ん? まさか・・・。まさかその辺のアリを飼うってことなのか?」
「うん。良いって言ったやん」(強気)
しかし、お前、それは・・・。と言っても無駄で、近所の公団内にある公園の隅の薄暗いところで、やたらお尻の大きな黒々としたアリを、ボウズは一匹一匹摘んではビニール袋に入れていた。
勘弁してくれよ~と思いつつも、もう何も言えなかった。
それから家に帰って、10匹程のやたらお尻の大きな黒々としたアリは、百均で買ったであろう小さなプラケーズに移され、中でごそごそ動いていた。ボウズはそれを満足そうに眺めていたが、それを見ているヨメの顔は歪んでいた。
次の日の朝、ヨメの断末魔に叩き起された。
「アリがおらんよょょょーーーー」
たしかに、昨日寝る前まで居たはずのやたらお尻の大きな黒々としたアリは、一匹残らず姿を消してた。
私とヨメは顔を見合わせて戦々恐々とした。なんだか体のどこかでアリが這っているような気がしてムズムズした。
しかしボウズはそれを、アリが居なくなって両親が悲しんでくれているのだと思ったのか。
「心配せんでも大丈夫よ。たくさんおるけん。また取ってくるよ」
イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ。
その日の夕方、自宅に戻ると玄関の外にプラケースが置いてあった。おそらくヨメが室内に入れるのを拒否したのだろう。見てみると、今度は運動場でかき集めたような乾いた砂が入っていた。それから何故かアリに代ってダンゴ虫が入っている。生きているのか、死んでいるのか、動かない。とは言えアリよりは全然マシである。ダンゴ虫がプラケースの網目から逃げ出すこともないだろうし、少々、ホッとした。
ドアを開けると「おかえり~」という子供たちの快活な声が聞こえた。二人とも「見た?」という顔をしている。
「砂入れたら、アリが喜ぶよ!って私が教えてやったの」
聞く間もなくムスメが得意げに言った。
「ふ~ん。だけど、もうアリおらんやん」
私が言うと、二人は慌てて玄関を飛び出した。プラケースを持ち上げマジマジながめて、ホッとしたような顔になった。
「おるやん」
「いやいや、それはダンゴ虫だぞ。アリじゃない」
「違う。よく見て!ちゃんとおるけん」
そう言って手渡されたので、今度は探すようにして見ると、確かに居た。今度は以前のやたらお尻の大きな黒々としたアリではなく、茶色くてやや小ぶなアリだが、5,6匹いるようだ。
「ホントだね。それでダンゴ虫も飼うことにしたんだ?」
「うんん、それはエサ」
(゚_゚i)タラー・・・.
突如、ヨメの声が聞こえた。
いや正確には突如ではなく、それまでもワイワイガヤガヤ声は聞こえてはいたのだが、新聞の競馬欄に没頭していた為、リビングの方に思考が向いていなかったところに、近頃自分に使われる、「パパ」という呼称によって、そのスイッチが切り替わったのである。
だから聞こえてはいたが、それは雑音であり、内容の把握からすれば、やはりそれは突如であった。
そしてただ一つだけ判っていたのは、今から私の部屋にボウズが飛び込んでくるということであった。
「ねぇ、パパ。アリかっていい?」
ん?と思ったが、すぐにピンと来た。アリのアクアリウムみたいな、いわゆるアントクアリウムというやつのことであろう。
「あん。いんじゃない。買えば」
実は、私もそれには少々興味があったので、気軽に承諾したのだが、すぐにヨメが走って来た。
「いいの?アリよ。部屋の中で逃げ出したら嫌やん。ちゃんと止めてよ」(-"-怒)
「えっ?反対なのか? それならなら先に言ってくれよ」┐( ̄ヘ ̄)┌
「何ソレ!聞こえてたでしょ?あれだけ大きな声で話してたんだから!」
「・・・・」
ここで上記したようなことをヨメに言えるわけもなく。
「・・・まあいいやんか。あーいうのは水槽から逃げられないシステムになってるんじゃないのか?」
「じゃー、わたしは知らんよ。アンタが行って来て!大体、虫好かんくせに!」
そんなもの種類にもよる。ゴキブリは嫌いだが、カブトムシは好きだ。とにかく父として、上機嫌で出掛ける準備をしているボウズの期待に添うことにした。
で、ボウズと二人、エレベーターで下りると、ボウズはマンション玄関の方へ一目散に走っていった。
「おいおい、車はこっちだぞ」
駐車場へ行くには裏口からが近い。
「歩いていく」
何を言っているのか?近所にアントクアリウムが売っているような洒落たペットショップなどない。
だが、ボウズは制止もきかず、そのまま一人でズンズン進んで道路に飛び出しそうになったので、私は慌てて追いかけた。
「どこへ行くの?歩いてじゃ、行けないぞ」
「しっとーと!」
「ん?」
「アリがたくさんいるところ、知っとーと!」
「ん? まさか・・・。まさかその辺のアリを飼うってことなのか?」
「うん。良いって言ったやん」(強気)
しかし、お前、それは・・・。と言っても無駄で、近所の公団内にある公園の隅の薄暗いところで、やたらお尻の大きな黒々としたアリを、ボウズは一匹一匹摘んではビニール袋に入れていた。
勘弁してくれよ~と思いつつも、もう何も言えなかった。
それから家に帰って、10匹程のやたらお尻の大きな黒々としたアリは、百均で買ったであろう小さなプラケーズに移され、中でごそごそ動いていた。ボウズはそれを満足そうに眺めていたが、それを見ているヨメの顔は歪んでいた。
次の日の朝、ヨメの断末魔に叩き起された。
「アリがおらんよょょょーーーー」
たしかに、昨日寝る前まで居たはずのやたらお尻の大きな黒々としたアリは、一匹残らず姿を消してた。
私とヨメは顔を見合わせて戦々恐々とした。なんだか体のどこかでアリが這っているような気がしてムズムズした。
しかしボウズはそれを、アリが居なくなって両親が悲しんでくれているのだと思ったのか。
「心配せんでも大丈夫よ。たくさんおるけん。また取ってくるよ」
イヤイヤイヤイヤイヤイヤイヤ。
その日の夕方、自宅に戻ると玄関の外にプラケースが置いてあった。おそらくヨメが室内に入れるのを拒否したのだろう。見てみると、今度は運動場でかき集めたような乾いた砂が入っていた。それから何故かアリに代ってダンゴ虫が入っている。生きているのか、死んでいるのか、動かない。とは言えアリよりは全然マシである。ダンゴ虫がプラケースの網目から逃げ出すこともないだろうし、少々、ホッとした。
ドアを開けると「おかえり~」という子供たちの快活な声が聞こえた。二人とも「見た?」という顔をしている。
「砂入れたら、アリが喜ぶよ!って私が教えてやったの」
聞く間もなくムスメが得意げに言った。
「ふ~ん。だけど、もうアリおらんやん」
私が言うと、二人は慌てて玄関を飛び出した。プラケースを持ち上げマジマジながめて、ホッとしたような顔になった。
「おるやん」
「いやいや、それはダンゴ虫だぞ。アリじゃない」
「違う。よく見て!ちゃんとおるけん」
そう言って手渡されたので、今度は探すようにして見ると、確かに居た。今度は以前のやたらお尻の大きな黒々としたアリではなく、茶色くてやや小ぶなアリだが、5,6匹いるようだ。
「ホントだね。それでダンゴ虫も飼うことにしたんだ?」
「うんん、それはエサ」
(゚_゚i)タラー・・・.
- 2011年9月3日
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