福岡の人妻 ~麗子 PARTⅣ~

  • ジャンル:恋愛・結婚
なかなか読者様が期待するような展開まで至らず申し訳ないです。
『麗子』と云う人物像を知ってもらうと・・・・・・核心の部分がより際立つかと(笑)

・・・と言う訳で、3日連続UPでご勘弁ください。




ノーフォーク広場に到着した二人がとりあえず向ったのは、門司港レトロハイマート

歴史のたたずまいを残したレンガ倉庫の中に、景観をぶち壊すかのように高く聳え立つ高層ビル  地上103m 31階の展望室へ足を向ける。
 
エレベーターで一気に103mまで昇り展望室に入ると、関門海峡が一望できて絶景



しかも、狭い海峡をタンカーや自衛艦艇がひっきりなしに行き交う、躍動感溢れる光景が飛び込んできた。 



思いのままに展望室を動きまわる順平に、麗子は離れず付き添いながら、順平の視線の先を見ては、「武蔵と小次郎が対決した巌流島」や「関門橋」、「下関タワー」について色々と教えてくれた。

展望室には、デジタル望遠鏡なるものがあり、麗子の勧めで覗いてみる。

麗子が望遠鏡の先を巌流島に焦点を合わせ「あの小さな島が巌流島だよ」と順平に望遠鏡を変わると、その場所に漂った麗子のフレグランスの残り香が順平の心をくすぐった。

行き交う船舶に焦点を合わせ見ていると、かなり潮流が早いのか、東行きと、西行きの航行速度が明らかに違うのがわかった。

あんな大きなヨレができてシーバスポイントになるんだろうなぁ・・・と思ってみたり(笑)
 

展望タワーを後にした二人は、レンガ造りの商業施設を巡り、ランチの席に着いた。

順平がオーダーしたパエリアがテーブルに並ぶと、麗子はまだ熱いムール貝の身を取ってくれたり、麗子がオーダーしたシーフードスパを小皿に取分けてくれたりと、麗子のきめ細かな気遣いに順平は頬を緩ませた。


この頃になると二人はすっかり打ち解けていて、誰が見ても、今日が初めて逢って4時間しか経っていないカップルには、とても見えないだろう・・・


ランチを済ませた二人は、もう1つ見晴らしの良い場所があるというので車で「和布刈公園」に向った。



急な上り坂をグイグイ上って行くと、駐車場出た。

駐車場は関門橋の直ぐ脇にあり、眼下には関門橋を行き交う車と下関海峡が広がっている。 


 どうやらここはデートスポットらしく、等間隔に止められた車の中にはカップルの姿が見て取れる。
 
順平と麗子の熟年カップルも若者に習えとばかりに、2台の間隔を置いて車を止めた。
 
二人は外に出て、駐車場の柵にもたれながら景観を眺めるが、冷たい北西の風が吹く中、コートも羽織らずに出てきた麗子は肩を丸めて震えている。

そんな麗子を順平は纏っていたダッフルコートで、後から優しく包んだ。


麗子の身体は、順平の予想外の行動に一瞬ビクッ!と震わせる。
 

順平が「これで寒くないでしょ?」と、おどけた声を掛けると、麗子は「熱すぎるよ」と、はにかんだ表情で順平を見上げると、クルっと向きを変えて順平の腰に手を回し、頬を胸元に寄せて抱きついてきた。
 
 
麗子がポツリと「ずーっとこうしたいと想っていたんだよ  やっと願いが叶った」とつぶやく・・・


順平「うん」とだけ短く答える。 頭の中では、このムードのままHOTELへ・・・


「寒いから車に戻ろうか」との声に二人はまた離れ車中に戻った。
 

順平の頭の中では、天使悪魔がバトル中


悪魔:なにモタモタしてんだよ!このままムード良くHOTELに行っちまえよ!

天使:コラコラなにを考えているんだ!今日が初対面だよ! そんな事をしたら彼女が傷つくだけさ! 


悪魔:オマエだって薄々わかっているだろ? さっきだって彼女は抱きついてきたじゃないか!!! 彼女は激しい1発を待ち望んでいるぜ! ブチ込んだれぇ~

天使:うるさい!悪魔は黙っておれ! 彼女の気持ちはプラトニックだよ! その純粋な気持ちを男の欲望で踏みにじるなんて最低だよ!

悪魔:オイオイ! わざわざ福岡まで来て、日帰り観光だけして帰るのかい? それでも男かよ!

天使:今日はクリスマス プレゼントを渡しに来ただけだろ? 今日のところは初対面らしく紳士に振舞うのが、人の道ってものです。



カンカンカーン!!! ゴングが鳴り響き、天使の正論1本勝ち! 


悪魔:チッ! 情けないねぇ奴だ・・・




車中に戻った順平は「あ、そうそう俺からのクリスマス プレゼント」と言いながら、後部座席に置かれた紙袋から、包みを取り出すと麗子に渡した。
 
麗子は、えっ? 今このタイミングで? いいムードだったのに・・・という少し不満げな表情を見せながら「えーっ!プレゼントなんて良いのにぃ」と言いながら、渡された包みを嬉しそうに抱きしめてみせた。
 
麗子「あ、私からもプレゼントがありま~す」と言いながら助手席のダッシュボードから小さな手提げ袋を取り出し、「はい 少し早いけどMerry x’mas」と順平に差し出した。
 
麗子「なんだろうなぁ~ 同時に開けようか せーの」と良いながら、二人は丁寧に紙袋を開け、包みを解いた。
 

バサバサバサと包装紙を開ける音が車内に響く
 

順平は途中、包みを開ける手を止めて麗子の反応を見守る。


化粧箱を開けた麗子は「わぁー バーバリーのストール 暖かそう ありがとう」と満面の笑み浮かべ、早速ストールを肩にまとってみせる
 

麗子「さぁ 順平も早く開けて見てよ」の言葉に促され、包装紙を破くと、重厚な化粧箱が現れ、ギョッ!!! 金色に輝く刻印が・・・・・・・

























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