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〝 ヨシムラのおやっさん 〟

  • ジャンル:日記/一般
  • (単車)
今から31年程前のことである。
ロードバイクに飽きが出て、オフ車をコロがしていた頃、神奈川県は丹沢の麓で暮らしていた。
そして、大学の講義がない日には、真冬でも丹沢山中の林道越えに出向いていた。







よく走るコースは、丹沢湖から登り、犬越路隧道を抜け、神之川~奥相模湖~宮ケ瀬湖~別所温泉~伊勢原~秦野のルートであった。真冬の林道はアイスバーンと化しブロックタイヤを履いたXR-500でも流石に登り勾配ではマトモに進まず転倒の連続であったが、途中の神之川に点在する大小の滝が巨大な氷柱状になっている光景はド迫力そのものであった。

道志街道に出てオンロードになると、これまでの林道走行がまるで嘘の様なフラット面は単調そのものであり、急な睡魔に襲われながら、別所温泉へと向かった事を想い出す。

そんなある日、ちょっと遠回りをしての帰り道に愛甲郡愛川町に九州時代から尊敬して止まなかった福岡出身のおやっさんが工場を移転されたと聞いていたので、立ち寄らせていただいた。
工場に着くと、おやっさんは旋盤加工の真っ最中であった。黒縁眼鏡の奥からギラギラ光る鋭い視線の先にはバルブ研磨を無心にされておられ、その横にはクーリーカラーのGS1000Rがベンチスタンドに載せられていた。

恐る恐る「おやっさん、こんちわ!」と挨拶させてもらうと、旋盤を止め眼鏡を外してこちらを向かれた。
眉を吊り上げた表情に一瞬、己の身体に電気が走った様な緊張で金縛りにあった。
次の瞬間、「いらっしゃい!」と火傷を負われたおやっさんの顔に白い歯が見えニコニコ笑って出て来てくれた。

「どこから来たと?」「実家は別府ですが、今は秦野に住んでます。」
「そうね!」「よく来たね!」
XR のシートとポンと叩き、「ホンダに乗っとうと?」
「はい、今年は鈴鹿にこれで行きました!」
「これも、よかばい!」

ビビりながら、「写真いいっすか?」
「もちろん、よかよ。」












帰りの道中、感激で涙が止まらなかった。

今となっては掛け替えの無い、青春の一頁である。




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