ドブ川での思い出は、

他にもあった。

ドブ川とは言ってるけども、

ドブ川にある水門が、

主な遊び場所だった。

10人近い仲間で、

ガヤガヤと遊んでいた時、

ふと、

渡れそうで渡れない箇所に

挑戦したくなった。

どう言えば良いのか、

足場は20cm位しかなく、

その真ん中に鈍角の形状をもった

壁が突き出ていた、

なんとか行けるだろうと、

後先考えずやってみた。

案の定、

仰向けのまま、

スローモーションで、

落ちて行く私、

勿論、

落ちた先はドブ川で、

落ちた瞬間に、

本流の方に流されている事にも、

焦りを覚えて、

私は溺れた。

必死にもがくが、

ゆっくり本流に飲み込まれて行く。

しかし、

ふと気付くと、

足が着いた、

立ち上がると、

膝下より少し深いぐらい。

仲間の内の何人かは、

私を助けようと、

靴も脱がずに、

太腿まで入水している者。

上半身を脱ぎ捨てて、

まさに飛び込もうとしている者。

色んな姿があったが、

私が立ち上がった姿を見て、

笑いが起こった。

私は、

恥ずかしいやら何やらで、

取り敢えず笑っておいた、

皆んなが大笑いしてくれた、

生きてて良かったと思った。