夜が明けた。

「泊まりは野宿じゃ!!」 と意気込んでいた工藤先生。

しかし、吸血昆虫に取り囲まれ、結局「ネ ットカフェ」で一夜を過ごした。

私は気を失うように眠りに就いたが、どう やら先生は、結局読んでしまったらしい… （笑）

鱈腹、睡眠をとったお陰で、体が軽い。

駐車場に出ると、昨日より更に増えていた 地元のアングラーの方々。

昨日、遅くまで付き合って下さった方も、 早くから来て下さっていた。

とても有り難く、楽しい１日が予感できた 瞬間だった。

朝から笑い声が絶えない。

ポイント到着して、早速海を見ると、何や ら騒がしい。

どうやら、私達と同時にベイトの群れが入 ってきたようだった。

こんな好条件、逃すわけにはいかないと、 早速準備を始める。


みんなでワイワイ、ベイトに向かってキャ ストするも何ら反応が無い。

ふとした拍子に投げた磯際では、クロダイ がヒット!!


タピオスのテールのエイト管がグニャリと 曲がっているのを見て、「こいつはやっぱ り悪い奴だ」と思ったりした。


しばらくすると、また海面がモヤモヤ… メタルジグをキャスト。 ベイトが集中するピンポイントに投げ入れ る。

すると、フォール中に「ドスン」と当たり!!

100メートル以上先の魚は中々寄らない。 しかも、手前には張り出した根。

所々、根にラインが触れる。

しかし上手く交わせたようだった。

緩急つけたファイトがキモになった。


マダイ。


人生初。

しかも、美人さんで何度も何度も写真を撮 った。

秋田で何度もやられたマダイをまさか、佐 渡でとることになるとは思いもしなかった 。

すると、今度はジェンキンス氏。


撮影をすっぽかし、シンゾーベイトとやら で楽しそうに釣っていた（笑）

見えバスを釣るのが難しいように、見えチ ヌも難しかったようだか、何とか口をこじ 開けたのだそうだ。

その証拠に、陸に上がったイワシを餌に投 げてた人が釣れなかったらしい…（笑）

そして、最後。 事件は起こった。 鳴り止まないドラグ音。

最後まで絞られるロッド。

そう。 奴が来てしまったのだ。

時間にして数十秒。 体感的には数分の格闘。


完敗。 この言葉に尽きる。

また来る大きな理由ができた瞬間だった。


最後は残念だったが、そんなこんなで楽し い時間はあっという間。

帰港のフェリーの時間となった。

が、しかし帰りの時間までハラハラさせて くれるのが、「工藤流」。


出港時間ギリギリに滑り込むという、高い 難易度の技を最後に披露したのだった。


色んな景色を頭に浮かべながら、フェリー からの夕焼けを見た。

必ずまた行きたい。

あの人達にまた会いたい。

そして、いつか奴を獲ってみたい。

私の旅は終わったんじゃない。

ここから始まる気がする。

佐渡島遠征旅 END




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