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鱒への憧れ。

  • ジャンル:日記/一般

彼と出会った頃、「僕ブラックバス釣っているんです」と言っていた。

 

それが数年後、いつの間にか渓流にはまり、今度は桜鱒を狙うようになったと私に話しをした。


どうして桜鱒を狙うようになったかと尋ねると、彼はこう答えた。

「とあるルアーブランドのカタログを見て、この魚に一目ぼれしてしまいました!」

 

それまで興味のなかった人までをも魅了してしまうこの魚は本当に罪である…


そして 、彼は続けた。


「そこのメーカーの道具で出会いたいんです。全ての道具をそこのメーカーで揃え、熱心に通っているんです!」

と鼻息荒く話していた。

 

しかし、中々出会いに恵まれず、悩んでいるようだった。

 「いつか行きましょう!」…




あれから月日は流れ、3年も経った。

久々に会った彼と話すと、コンタクトは有るものの、触れ合える所までは至っていないと話している彼。


そんな彼に「ご一緒しませんか?」と私から誘った。

 

「いつか行きましょう」そう話してからも3年経ってしまっていた。

 

私の私生活も3年前とは変わり、彼との距離も偶然にも近くなった。

いつもタイミングが合わず行けずじまいだった彼との釣行が、今回実現した事で、私は何か起こる予感がした。

 

彼が通っている場所に私も行っていた。

しかし、状況が良くない。

 

その為、こだわりの河川でなくても大丈夫かを尋ね、彼も承諾し早朝に集合した。

 

魚が極端に少なく広大なこの河川。

 

釣るのには困難を極める。

 

しかし、今回の釣行は何かいい予感がしていたことと、最近少し反応があることから、ここを選んだ。



 



水質、水量、水温ともにベスト。

 


そして、彼の休みが数日前に奇跡的に発生した事。

 

良い兆候が釣り来る前から起こっていたことで、更に期待感が増した。

 

私はミノーイングを得意とするが、彼は「スプーニング」。

 

私自身、スプーンを得意とするアングラーと釣行する機会がなかったため、それも非常に興味深かった。

 

一つ目のポイントはノーバイト。

 

そんなに甘くはない。

 

 

 二ヵ所目。


彼にプレッシャーを与えまいとして、私は攻め方だけ伝えその場を離れた。



暫くして戻ると、「やってしまいました…」と一言。



チェイス&ヒット。


そして、バラしてしまったようだ。


肩を落とす彼に、「まだ大丈夫。」「やってみる価値があるよ!」

と、"半ば詐欺まがい"のオマジナイをかけた。



もう一度、一番の立ち位置でトレースしてもらう。


「あっ」


と言う、短い言葉と水面の爆発。



「食った!!」


私の方が先に叫んだ。 



「ネットは自分で入れます…」

とヒキツッタ顔で私に話し掛ける。



緊張の瞬間。




ネットに収まる瞬間、音が消えた。


時が止まったかのような瞬間だった。



「おめでとう!」

沈黙を破り、私が言葉を発して近寄り、手を差し出した。


しっかりと握ったその手は、3年の思いをしっかりと噛み締めるような力強さ。


魚を労りながら、記念撮影。



二人ともこの魚に感謝でしかなかった。

一度は見放されたと思った。


しかし、神様は彼を見放さなかった。


3年。




長い長い釣れない期間は、彼を育てるため、また、喜びを増させるためのものだったのかもしれない。



ありがとう。


優しくリリース。


そして、おめでとう。




その数日後、ふとしたタイミングで彼は二本目を手にしたようだ。


鱒と相性が合ってきたようだ。



彼の鱒との人生が良きものになることを私は願っている…

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