【千魚釣探】 20イワナ絶不調

政府は緊急事態宣言を出した。
しかし、ご存知の通り、出す前と出した後で変わったことはほとんど無い。

各種公共交通機関の運行は概ね通常通りだ。
台風のときはすぐに止めたが、今回はその気配が無い。

バラマキをやるか・やらないかでも相当時間が掛かっている。
リーマンショックのときは、もう少し対応が早かった。
しかし今回、政府は保証に関して露骨なまでに乗り気ではない。

TVでは連日
「SNSの情報を鵜呑みにせず、家でジッとしてTVを観て下さい」
と、やっている。
志村けんさんの追悼番組の視聴率はすごかったそうだ。

日本で今、何が起きているのか。
この状況で気付いている人は多いと思う。

緊急事態宣言が出る前後ぐらいからだろうか。
首都圏ナンバーのクルマを頻繁に見掛けるようになった。

そういったクルマを尻目に、私はとある沢へ向かった。

今年はなかなかイワナが釣れない。
前回釣行で良いアマゴを釣ったが、本音を言うとあの日はイワナ狙いだった。
しかしイワナは一度も姿を見せず、チェイスしてきた魚は全てアマゴだった。

ここ数年で頻繁に起きている集中豪雨が多くの川を崩壊させた。
その中には、希少種・ヤマトイワナが生息する谷も数多く含まれる。
絶滅したわけではないと信じたいが、回復するまでには相当な年月が掛かるだろう。

地球温暖化は人的要因で起きている。
自然の摂理で淘汰されていく生命はやむを得ないと思うが、近年の異常気象はそれとは性質の異なるものだ。

目的の沢は、かなりの渇水状態だった。
雪代が入り、激流になっていることをイメージしていたが逆だった。
水温はまだまだ低い。
解禁後、一定数の釣り人がおそらく入っている。

しかし…それにしては反応が皆無だ。
渓相も去年とくらべて、若干変わっている。
禁漁期間中に豪雨が降り、がけ崩れが発生したのかもしれない。
数多く点在していたプールも底が埋まり、小場所化してしまっていた。