前回は、ワイドゲーブでロングシャンクのツインフックシステムが、ビッグベイトのフックに有効という話でした。

今回は、その続きです。

実は、今回、弊社でツインフックシステムを企画するまでは、市販のカン付きのシングルフックを曲げてツインフックを製作していました。

勿論、有効な形状のフックも有れば、2つのフックを重ね合わせることにより、全く使えないフックも多数有りました。

また餌釣り用のフックに使える形状も多数あるのですが、残念な事にカンの内径が小さく使えない物も多かったです。

また殆どのフックに言える事は、針のアウトラインが大きくなるに比例して針の線径が太く成ってしまう事です。

つまりビッグベイトという大きなボディに装着するには、太すぎる線径の針が多いのです。

ルアーは、どんどん大きくなっていますが、ターゲットの魚は、同じ大きさなのです。

そしてビッグベイトに使用するフックのサイズというのは、海の青物で使えるサイズなのです。

決してバス用やシーバス用では有りません。

それなのにそのサイズに合う線径のフックがあまり市場に存在していないのが現実でした。

その夢が叶ったのは、1年前の事です。

自分達でツインフックシステムを製作する事に成り、自分達のアイデアでフックをデザインする事が可能に成ったのです。

つまり細軸でのツインフックシステムのデザインが可能と成ったのです。

最初は、バス用のフックとしてデザインを開始しましたが、勿論、強度テストの為、浦戸湾でも同時にテストを始めました。

そのフックが写真のフックです。

バスで使うビッグベイトのフックとしては、かなり細い部類に入るのでは無いでしょうか？

最初、手に取った時に少し不安に成る程の線径でした。

そしてテストするに辺り、peを5号から7号に変更、リーダーも通常の60lbから80lbに変えました。

理由は、最悪、もし無理なファイトをしてもターゲットの口から針が折れるか、伸びて外れる様にしたのです。

それ程の挑戦だったのです。

勿論、マイクロバーブは、ペンチで潰しました。

そして最初の一匹目

怖くて慎重にやり取りしましたが、アカメの口からフックが外れることは有りませんでした。

そして二匹目

少し慣れてきたので、このタックルで強引にやり取りしました。
結果は、少し伸びてしまいましたが、不安は有りませんでした。

それから半年間、ある程度多くのアカメやシーバスでテストしました。

その結果から言うと

伸びたフックは有りますが、そのフックの伸びは想定内で、その伸びたフックのせいで取れなかった魚は居ませんでした。

そして幸運な事にラインを切られたことも針が折れた事も一度も有りませんでした。

結果、細軸フックは太軸より遥かに小さなアタリを逃さず、また掛かりが抜群に良いことが分かったのです。

つまり太軸で当たる、『コン』って言う小さなアタリが、最初から『ドスン』って掛かってしまうのです。

正直、目から鱗でした。

釣りが楽しくて仕方ないくらいです。

つまり『 今、当たった 』と思っていた位の小さな『コン』と言うアタリが、『ドスン』に変わるわけですから、、、

太軸で、どうしても掛かり切らない頬や柔らかな皮膚を細軸の線径で出来たツインフックシステムは、貫通してしまうのです。

ツインフックシステムが、細軸のビッグベイトのフックを可能としたのです。

もし同様の線径でトリプルフックを作ったらどうでしょうか？

そしてそのトリプルフックが、ロングシャンクのワイドゲーブだったら？

多分、グニャグニャに曲がって折れていたと思います。

細軸の線径のビッグベイトのフックは、ツインフックシステムだけが作れる特権です。

そしてそれが反転して2本掛かる事により、更にキャッチ率が上がります。

また同様に稼働する事によりフックを破損から守ってくれるのです。

これがツインフックシステムの可能性で有り未来なのです。

次は、この細い線径を可能とした硬質シリコンチューブの役割について説明します。

残り少しの投稿と成りますが、宜しくお願い致します。

スタジオコンポジット セキグチ