逃した魚は大体ランカー

前回のヒラスズキ大会にて後一歩のところで釣果を出せず悔しい思いをしてしまった私ですが、その悔しい思いが結果的に幸運をもたらしてくれました。



大会が終わって少し時間がたった頃に、大会中に応援に来てくれたテスターさんに電話でお礼と今後はもっと頑張ります、と伝えたところ

『真面目にヒラやるなら◯◯に教えてもらえ』

と、幸運な事にヒラスズキ界では有名なテスターさんを紹介していただける事になりました。



昔読んだヒラスズキの専門誌で見かけた日から憧れていた方です


めちゃくちゃ緊張しながら早速電話して
『都合が合えば釣りに同行させてもらえると嬉しいです』
と伝えたところ、テスターさん宅の近くにあるショップの『Tのおばちゃん』から偶然にも私の事を聞いた事があると…


おばちゃん…ありがとう(T_T)



そんな幸運が重なって、週末に憧れの方と釣りに行ってきました



正直荒れすぎて釣りにならないかなーと思いながら車で後ろをついて行くと…



小さな岬を越えればあら不思議



ヒラスズキを狙うのに適度な荒れ具合とサラシが広がります



そのポイントではベイトを確認できず早々にチェックを済ませて場所移動



移動するにつれて海は凪っぽくなるんですが、岬を超えて車を止めて海を覗けばあら不思議!


完璧なサラシがシモリ根を覆います



朝一に入ったポイントと、この2ヶ所目のポイントの中で、ダントツで今目の前のポイントが間違いなく1番の一級ポイントでした



うわー釣り番組で見るやつやー!
お魚天国やー!



頭の中で徒競走用のBGMが何曲も鳴り響きますが、グッと我慢してあえてテスターさんに

『一級ポイントに連れて来ていただいて投げて釣れてでは得る物が少ないので、少しでいいので釣りをしてるところを見学させてもらえませんか?』


『いえいえ、先に投げてくれて構いませんよ!私はどこでも空いてる場所に入るので(^^)』

仏のようなセリフに感動しました



実は1ヶ所目のポイントも、先に歩いて行くのはテスターさんなんですが、入りやすくて安全で明らかに良さそうポイントは飛ばしてくれてたんですよね


でも、すぐに私の言ってる事を理解してくれて少しだけ投げてみるので見ててくださいね(^^)と言って投げ始めてくれます



どう見ても狙えるポイントが何ヶ所もあるのに、ここでも何本か決めたコースだけを通して私が投げるコースを残してくれてます


紙とペンがあればラブレターを書きたかったですね。



そこで同行してたヒラスズキ初心者のSくんに今テスターさんがやってる事を忘れないように大げさに伝えて、波をどのぐらい待つか、飛距離の強弱、狙うべきポイントを説明しました。


テスターさんにお礼を伝えてS君にテスターさんの投げてないコースを投げてもらいます



その間にテスターさんの選んだルアーやレンジなんか普段釣りしてて迷うポイントを質問させてもらいました


・普段自分達が荒れすぎだと思ってる日も、狙えるポイントが狭くなるだけで狙えないわけではない

・むしろ狙う場所が狭くなるって事は投げる範囲が限定されるので釣りやすくなる



磯でのヒラスズキでは基本的な事ですけど、その日の荒れ具合からすると自分だと投げないなーってポイントをガンガン攻めてたので私の基準を校正する為に実力あるテスターさんと釣りに来れた事はものすごい収穫でした。



そこでSくんがギブアップしたので私も投げてみる事に


テスターさんがリアル系の120mmフローティングミノーをショートキャストしてたので私はあえて148mmのシンキングミノーでカラーはピンクヘッドのレンズホロで沖めの潜り込むサラシを狙う事にしました



せっかくプロの釣りを見たんですから私も神経質に波のセットを見ます



1度投げようかとロッドを振りかぶったんですが、潜り込むサラシを少し長めに引きたくて別のセットを待つ事にしました



それほど日頃の行いは良くないんですが、次のセットが大きめで、セットの後ろは間隔が長めにありそうなのでフルキャスト!



着水時はいつも以上にサミングして着水音を極力消して、着水時のトゥイッチもいつもより小さく丁寧に


レンジが安定したであろう所でトゥイッチを入れようか迷っていると…



グイッ!!!!!!



ショアジグロッドをひったくる最高のバイト


前日にラインメンテナンスは完璧にしてあったので思いっきりフッキングをしてパワーファイトを仕掛けます


海が荒れているとはいえ重量感がハンパなくて、ロッドを腹に抱えようにもロッドが暴れます


『かなりデカそう!』

魚体も見えないうちに宣言してしまいました



ここはシモリ根がそこら中に広がるパラダイス



モタモタしてるとラインブレイクする!と足場を変えようと足元を確認した時…





ゾッとしました







ヒラスズキの教え、その③
キャストする前にランディングポイントを確認する事。




基本中の基本です。


こんな基本を忘れて魚を逃した奴がいたら魚が可哀想だと罵ると思います



一瞬頭が真っ白になりましたが、Sくんの『ランディング手伝うよ』との声で我に返りました



Sくんの用意してくれたランディングツールは普通のフィッシュグリップ


Sくんの足場から水面は遠いので1度どこか上にあげてしまえば捕まえてくれるって意味でしょう



パワーファイト用に設定したドラグがかなり引き出されます


悠長にキョロキョロする余裕はないので少し強引にでも自分の足元の小さいスリットに魚を滑りこませてしまおうとゴリゴリに巻きまくります



当たり前っちゃー当たり前なんですが、スリット目前で暴れる巨体



青物みたいに頭を大きく振って遮蔽物を嫌がります


そのタイミングで沖から波が

沖から真っ直ぐきた波も自分の立ってる磯に沿って入ってきて、狙っていたスリットに当たって横方向に進路を変えます



当然魚は大きな体に波を受けて横に攫われます



状況は一転


狙っていたランディング用のスリットが今度は鋭利な角に変わりました



手元に思いっきり伝わるゴシゴシという嫌な感触



急いでベールを起こしてラインをフリーにしようかと思いましたが、なにを血迷ったか無意識にベールから手を離してグリップエンドを持ち思いっきり手を伸ばして根ズレを軽減させようとしました


ヒラスズキ用に買った11.6fなら躱せたかもしれません


伸ばしきった手からスッとテンションが抜けた事がわかりました



ほんとマンガみたいに崩れ落ちましたね


崩れたところに波がかぶってきたのもマンガっぽかったです



そんなこんなで感情もマンガっぽくなって
『これは経験だ!教訓だ!これを忘れるな!』
って(笑)


立ち上がってテスターさんの方を見るとこっちに向かってくれてる所でした


今あった事を伝えようとすると

『見てましたよ』


めちゃくちゃ恥ずかしかったですけど、お礼と謝罪を伝えました



その後もポイントを移動して、チェイスやら足元バイトやらありましたが、心ここに在らず。



自分より数段上手い人と釣りに行くと自分がどれだけヘタクソな初心者なのか浮き彫りになります。


これが大事だって事は最近わかるようになったので人と釣りに行くのが好きになりました



当面の課題は、今日みたいな状況でいいサイズの魚がかかってもうすぐランディングってところで暴れたら…ハンドロックで強引に勝負に行くか、スプールをフリーにするか…平狂の15fを買うか…



あと、ヒラスズキさんがテイクアウトしたルアーが超お気に入りだったのに廃盤になったルアーの不人気カラーって事が悲しいです



最近運がいいと思わせて結果は最悪ってのが続いてます
あーやだやだ



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