「水力発電が日本を救う」

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先日図書館に行った際、タイトルの「水力発電が日本を救う」という本を見つけ、大変興味深かったので借りて読んでみた。

著者は竹村公太郎さんという国土交通省河川局長等を歴任した元お役人さんだ。

案の定、凄く面白い内容だったので、是非多くの人々に読んでもらいたいと思った。


ネットで「水力発電が日本を救う」を検索してみたら、安井至さんという工学者の方が運営しているサイトにこの本を紹介しているページがあったので、是非一度覗いてほしい。

http://www.yasuienv.net/HydroTakemura.htm

工学者目線なので、私のような一般人の感想とは比べ物にならい程濃い内容になっている。


とはいえ、やはり一度は本にも目を通してほしいものだ。


とりあえず大した知識もない私が、簡単に内容を紹介するとこんな感じだ。

『1957年に成立した時代遅れの「多目的ダム法」を改正し、さらに河川法第一条に水の使用目的として「エネルギー活用」を追加し、古いダムの10%の嵩上げ等の工夫をすれば、「今あるダム」で年間2兆円超の電力を増やせる』

また、『ダムは半永久的に壊れない』というのも目からウロコだった。


火力発電が頑張っている現在、どうしても二酸化炭素等の温暖化ガスの排出量が増えてしまう。

だが、既存のダムが本来の能力を発揮すれば、確実に火力発電の割合を減らせ、温暖化ガスの排出も減る。

そうなれば、原発の必要性も薄れ、今後の在り方もおのずと決まってくるように思う。

これだという処分方法も決まっていない「使用済み核燃料」をこれ以上増やす必要はない。

そして、国や電力会社は責任をもって一刻も早く「絶対に安全な使用済み核燃料の処分方法」を確立し、将来的にはすべての原発を廃炉にすべきだ。


お気付きかもしれないが「絶対に安全な使用済み核燃料の処分方法」などあるのだろうか?

間違いなく「絶対に安全」はない。

それは「原発」も同じだ。

そして「原発」は「テロの標的」になる可能性も非常に高い。

とんでもなく恐ろしいモノを人間は処分方法も確立しないまま見切り発車させてしまった。


ダムによる水力発電も「絶対に安全」ということはないだろう。

だが、その危険性は「原発」よりは随分マシだろう。


まぁ~原発の賛否はともかく、これだけ国民の意見も分かれ問題も山積みな原発を再稼働させるより、多目的ダム法と河川法を改正して水力発電の発電量を増やすほうが、よっぽど簡単で現実的だと思う。


安井さんのページにも書いてあるが、私も「自然の力に頼るのが、人類にとって自然なこと」に思える。

幸い日本は「水の国」だ。

この「水」という自然の力を我々は謙虚な姿勢で使わせてもらえば、十分豊かな生活は送れるはずだ。


最後にこれまた安井さんのページにも書いてあるが「今後は、人口が減るから、それでGDPが下がるから、という問題ではないくて、どれほど、幸福感が得られる社会にすべきか、あるいは、いかに持続可能な社会にするのか、それが問題の本質である」というまとめは全く同感である。


経済活動最優先の時代はもう終わっているということだ。
 

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