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▼ メンテナンス(ベアリング&グリスの話し)
- ジャンル:日記/一般
今回はバイクを預かってメンテナンス。

近所の公園で、レースに使うスーパーカブを、改めて「レースで使う目線」でバラして組みなおしました。
さて、このメンテナンスをどうとらえるか。
たまには釣り人の皆さんへ「為になる話」でもしてみようかと思います。
今回はバイクのメンテの話しなのですが、釣り具のメンテナンスや製品の開発と全く同じ方向性なので。
よく、「バイクを速くする=何かすごい部品を付ける」と勘違いをしている人が居ます。
というか、凄くいっぱい居ます笑
釣り具もそう。
Specialパーツ付ける→釣れるんじゃないか?とか。
例えばマフラーを変えたり、エンジン部品を変えたり、高額なサスペンションを入れたり。
確かにそれらの事は、「速くする為のアイテム」ではあるのですが、実はその前にもっと基本的なメンテナンスがあっての話しなのです。
メンテナンスというと地味に聞こえますが、競技でのメンテナンスとは「余計な社外部品を取り付ける」事よりもよっぽど効果がでます。
特にレギュレーションがある場合は、仮にどこぞのマフラーが良いとかと言う理由で交換しても、それはお金を出せばだれでも入手することができるので、逆に言えばアドバンテージを作る事にはならないのです。
そんなの付けたから速くなると思っているのは小僧のレベルであり、問題はそのマフラーを変えた事で何が変わり、それをどう生かせるかの人間の技量とセットで考えなくてはなりません。
まして、基礎的なメンテナンスをしていない車両にそんなものを付けても、何の役にも立たないことの方が多いのです。
釣りでもそう。
誰それが作ったスペシャルなロッドがあったとしても、それがどのフィールドでどう使われるか。またその人のキャストの技術も大きく影響してくる話です。
特に筋肉モリモリ君が良いというものは、この傾向が強くでます。
では、そのメンテナンスとは何か。
簡単に言うと、分解清掃と正確な組み直しによる、フリクションロスの低減です。
今回は、フロント周りのフリクションロス低減を一日かけてやりました。
フリクションロスとは、「回転する物に掛かる、回転を妨げる要因」のことを言います。
主に4つのポイントがあります。
1 ベアリングの性能
2 摺動部(動く部分)のグリス
3 オイルシール/ダストシール等の接触
4 直角水平平行と締め付けトルク
これらのポイントを、量産製品レベルからレース用レベルへ修正していく事が基本メンテナンスです。
アホな釣り人はここで直ぐにピンと来るはず。
そう。
ベイトリールがまさにこのフリクションロスの塊なのです。
一つずつ説明しますね。
1ベアリングの精度ですが、簡単に言えば「単体で回転抵抗が少なく、より軽い力で長く回るものが良いモノ(精度が高い)」です。
リールのベアリングも同じく。
そしてこのベアリングは、金に糸目をつけなければ「かなり良いモノ」が世の中に存在します。
ただし、精度が高くなるほどにクリアランス(隙間)が少ないので、ゴミやグリスなどの影響を受けやすく、また摩耗した場合の原則率は高くなります。
バイクの場合は、ホイールの真ん中にあるハブベアリングがこれにあたります。
バイクのフロントホイールのセンターには、ブレーキング時の最大負荷が回転方向とは別のベクトルで掛かる為、摩耗も激しいうえにダストもかなり入ります。
その為に、シールベアリングと言う「摺動部にカバーが付いているベアリング」が用いられ、中にたっぷりのグリスが入っています。
これは多くのベイトリールのベアリングも同じですね。
まずメンテの第一歩目に、このグリスを全部洗い流します。
理由は、グリスが回転の妨げ(フリクションロス)になっているからで、量産品はこんな所を分解することは措定されていない為に「流れにくい重めのグリス」が大量に塗布されています。
そんなグリス、要らんがな。
どうせ毎回、分解清掃するんだし。
という事で、一度カラっカラに清掃してから、適量の適切なグリスを入れます。
ちなみにグリスとは油です。
オイルも油ですね。
グリスは粘度があり流れ落ちない練り物で、オイルは粘度が低く浸透性が高い液体の物です。
用とは一緒で、金属やゴムに塗布して「こすれる時の熱を逃がしてやり、表面の物性を変化させない事」を目的としています。
これに対し、回転速度や熱の掛かり具合などで適正なグリス/オイルがあり、それらを適量塗布することでフリクションロスをなくしてあげる事が出来ます。
基本は柔らかいものほどフリクションは減りますが蒸発や油膜切れは起きやすく、硬いものほどフリクションロスは生まれますが、高温高負荷でも油膜が切れないとなります。
その基本をベースに、素材へ吸着する「何か」を分子レベルで考え、「よりロスが少なく油膜が切れず長持ちする物性」を求めます。
よく釣具屋さんで売っている高額なオイルなどは、そう言ったものですが、眉唾な物もたまにあります。
一度営業さんに突っ込んでみましたが、そもそも「潤滑」と言う考え方が私とは違うのだとため息が出たこともあります。
鉄を酸化させるものとかね・・・それは長く使う道具には禁じ手でしょ。
え?どうせソルトで使えば、潮でさびるから解らないって?
塗布した最初だけ良ければ、ユーザーは満足するだろうって?
まぁその辺は、何が良い悪いは無く、全部試すのが良いと思います。
私はそうやってきましたし、某オイルメーカーさんの協力で自分でも作って見たりしました。
キモは、「100%完璧」なんてものはないと割り切る事です。
アッチを絶たせれば、コチは萎えますw
では、自分のメンテ周期とそのレベルでは、何を選びどれくらい塗るのが良いかなぁ?と言う感じでえす。
稀に「これが一番だから!」と、メーカーの宣伝の様に進めて来る人もいますが、きっとその人にはそれが一番かも知れませんが、あなたにとって一番かは解らないのです。
解っている人は「俺はこれ使ってるけど、悪くないかなぁ~」という言い方をします(笑)
あれ、1のベアリングの話しなのに、2もグリスまで行っちゃった。
まぁいいや。
セットものですしね。
このベアリングへのグリスやオイルの塗布の考え方は、バイクもリールも全く一緒です。
私はレース用バイクの場合は著しくグリスを減らし、ワコーズのケミカルで超薄々仕上げ。
メンテナンス頻度は、一回走ったら全バラ(前摺動部を分解清掃)です。
ワコーズを使う理由は、用途別にそれぞれに製品が分かれていて、そのどれもが購入しやすいという事からです。
一部、低速度高負荷の部分は、金型に使う秘密の超高額グリス(これは仕事柄、企業秘密に当たるので内緒)を使います。
リールも基本的には一緒。
ただ、あんまりメンテしたくないので、高回転の軽さよりも油膜がしっかりしている物を中心に塗布しています。
いつも悩むレベルワインドには、カメレオンファクトリーのウェイトローラーに塗るグリスを使います(爆)
あぁそうそう。
極稀に「ケミカル(オイルやグリス)なんて大して変わらないよ!」とおっしゃる人が居ます。
そう言う人は、そう言うレベルでしかものを考えないという事です。
もしも本当にケミカルなんてどうでもよいなら、車もオイル入れないで走ってみれば良いのです。
より良いモノ、より良い状態とは何なのか。
それを追求するという姿勢は、やはり競技の世界ならではの考えではありますが、そこから生まれた技術が皆さんの普段ご購入されているすべての製品へフィードバックされています。
その量産品を、どうやって詰めていくか。
そう言うはないですから、買って箱から開けた状態だけで満足ならば、それはそれでよい事だと思います。
釣りは特にね。
実際に私もあえて「箱だしノーメンテ」で使い続けたりすることもあります。
最近ではオクマのスピニングとか。
なんと10,000円ぐらいで買えるリールが、2年ももったという奇跡(笑)
ちなみにメーカーオーバーホール出してみました。
嫌がらせじゃないよ!
まぁその話は今度改めて。
長くなったから、3オイルシール/ダストシールと、4水平直角平行グルグル回る物のバランスの話しはまた次回へ。
つづく

近所の公園で、レースに使うスーパーカブを、改めて「レースで使う目線」でバラして組みなおしました。
さて、このメンテナンスをどうとらえるか。
たまには釣り人の皆さんへ「為になる話」でもしてみようかと思います。
今回はバイクのメンテの話しなのですが、釣り具のメンテナンスや製品の開発と全く同じ方向性なので。
よく、「バイクを速くする=何かすごい部品を付ける」と勘違いをしている人が居ます。
というか、凄くいっぱい居ます笑
釣り具もそう。
Specialパーツ付ける→釣れるんじゃないか?とか。
例えばマフラーを変えたり、エンジン部品を変えたり、高額なサスペンションを入れたり。
確かにそれらの事は、「速くする為のアイテム」ではあるのですが、実はその前にもっと基本的なメンテナンスがあっての話しなのです。
メンテナンスというと地味に聞こえますが、競技でのメンテナンスとは「余計な社外部品を取り付ける」事よりもよっぽど効果がでます。
特にレギュレーションがある場合は、仮にどこぞのマフラーが良いとかと言う理由で交換しても、それはお金を出せばだれでも入手することができるので、逆に言えばアドバンテージを作る事にはならないのです。
そんなの付けたから速くなると思っているのは小僧のレベルであり、問題はそのマフラーを変えた事で何が変わり、それをどう生かせるかの人間の技量とセットで考えなくてはなりません。
まして、基礎的なメンテナンスをしていない車両にそんなものを付けても、何の役にも立たないことの方が多いのです。
釣りでもそう。
誰それが作ったスペシャルなロッドがあったとしても、それがどのフィールドでどう使われるか。またその人のキャストの技術も大きく影響してくる話です。
特に筋肉モリモリ君が良いというものは、この傾向が強くでます。
では、そのメンテナンスとは何か。
簡単に言うと、分解清掃と正確な組み直しによる、フリクションロスの低減です。
今回は、フロント周りのフリクションロス低減を一日かけてやりました。
フリクションロスとは、「回転する物に掛かる、回転を妨げる要因」のことを言います。
主に4つのポイントがあります。
1 ベアリングの性能
2 摺動部(動く部分)のグリス
3 オイルシール/ダストシール等の接触
4 直角水平平行と締め付けトルク
これらのポイントを、量産製品レベルからレース用レベルへ修正していく事が基本メンテナンスです。
アホな釣り人はここで直ぐにピンと来るはず。
そう。
ベイトリールがまさにこのフリクションロスの塊なのです。
一つずつ説明しますね。
1ベアリングの精度ですが、簡単に言えば「単体で回転抵抗が少なく、より軽い力で長く回るものが良いモノ(精度が高い)」です。
リールのベアリングも同じく。
そしてこのベアリングは、金に糸目をつけなければ「かなり良いモノ」が世の中に存在します。
ただし、精度が高くなるほどにクリアランス(隙間)が少ないので、ゴミやグリスなどの影響を受けやすく、また摩耗した場合の原則率は高くなります。
バイクの場合は、ホイールの真ん中にあるハブベアリングがこれにあたります。
バイクのフロントホイールのセンターには、ブレーキング時の最大負荷が回転方向とは別のベクトルで掛かる為、摩耗も激しいうえにダストもかなり入ります。
その為に、シールベアリングと言う「摺動部にカバーが付いているベアリング」が用いられ、中にたっぷりのグリスが入っています。
これは多くのベイトリールのベアリングも同じですね。
まずメンテの第一歩目に、このグリスを全部洗い流します。
理由は、グリスが回転の妨げ(フリクションロス)になっているからで、量産品はこんな所を分解することは措定されていない為に「流れにくい重めのグリス」が大量に塗布されています。
そんなグリス、要らんがな。
どうせ毎回、分解清掃するんだし。
という事で、一度カラっカラに清掃してから、適量の適切なグリスを入れます。
ちなみにグリスとは油です。
オイルも油ですね。
グリスは粘度があり流れ落ちない練り物で、オイルは粘度が低く浸透性が高い液体の物です。
用とは一緒で、金属やゴムに塗布して「こすれる時の熱を逃がしてやり、表面の物性を変化させない事」を目的としています。
これに対し、回転速度や熱の掛かり具合などで適正なグリス/オイルがあり、それらを適量塗布することでフリクションロスをなくしてあげる事が出来ます。
基本は柔らかいものほどフリクションは減りますが蒸発や油膜切れは起きやすく、硬いものほどフリクションロスは生まれますが、高温高負荷でも油膜が切れないとなります。
その基本をベースに、素材へ吸着する「何か」を分子レベルで考え、「よりロスが少なく油膜が切れず長持ちする物性」を求めます。
よく釣具屋さんで売っている高額なオイルなどは、そう言ったものですが、眉唾な物もたまにあります。
一度営業さんに突っ込んでみましたが、そもそも「潤滑」と言う考え方が私とは違うのだとため息が出たこともあります。
鉄を酸化させるものとかね・・・それは長く使う道具には禁じ手でしょ。
え?どうせソルトで使えば、潮でさびるから解らないって?
塗布した最初だけ良ければ、ユーザーは満足するだろうって?
まぁその辺は、何が良い悪いは無く、全部試すのが良いと思います。
私はそうやってきましたし、某オイルメーカーさんの協力で自分でも作って見たりしました。
キモは、「100%完璧」なんてものはないと割り切る事です。
アッチを絶たせれば、コチは萎えますw
では、自分のメンテ周期とそのレベルでは、何を選びどれくらい塗るのが良いかなぁ?と言う感じでえす。
稀に「これが一番だから!」と、メーカーの宣伝の様に進めて来る人もいますが、きっとその人にはそれが一番かも知れませんが、あなたにとって一番かは解らないのです。
解っている人は「俺はこれ使ってるけど、悪くないかなぁ~」という言い方をします(笑)
あれ、1のベアリングの話しなのに、2もグリスまで行っちゃった。
まぁいいや。
セットものですしね。
このベアリングへのグリスやオイルの塗布の考え方は、バイクもリールも全く一緒です。
私はレース用バイクの場合は著しくグリスを減らし、ワコーズのケミカルで超薄々仕上げ。
メンテナンス頻度は、一回走ったら全バラ(前摺動部を分解清掃)です。
ワコーズを使う理由は、用途別にそれぞれに製品が分かれていて、そのどれもが購入しやすいという事からです。
一部、低速度高負荷の部分は、金型に使う秘密の超高額グリス(これは仕事柄、企業秘密に当たるので内緒)を使います。
リールも基本的には一緒。
ただ、あんまりメンテしたくないので、高回転の軽さよりも油膜がしっかりしている物を中心に塗布しています。
いつも悩むレベルワインドには、カメレオンファクトリーのウェイトローラーに塗るグリスを使います(爆)
あぁそうそう。
極稀に「ケミカル(オイルやグリス)なんて大して変わらないよ!」とおっしゃる人が居ます。
そう言う人は、そう言うレベルでしかものを考えないという事です。
もしも本当にケミカルなんてどうでもよいなら、車もオイル入れないで走ってみれば良いのです。
より良いモノ、より良い状態とは何なのか。
それを追求するという姿勢は、やはり競技の世界ならではの考えではありますが、そこから生まれた技術が皆さんの普段ご購入されているすべての製品へフィードバックされています。
その量産品を、どうやって詰めていくか。
そう言うはないですから、買って箱から開けた状態だけで満足ならば、それはそれでよい事だと思います。
釣りは特にね。
実際に私もあえて「箱だしノーメンテ」で使い続けたりすることもあります。
最近ではオクマのスピニングとか。
なんと10,000円ぐらいで買えるリールが、2年ももったという奇跡(笑)
ちなみにメーカーオーバーホール出してみました。
嫌がらせじゃないよ!
まぁその話は今度改めて。
長くなったから、3オイルシール/ダストシールと、4水平直角平行グルグル回る物のバランスの話しはまた次回へ。
つづく
- 2021年5月18日
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文面の
「グリスは粘度があり流れ落ちない練り物で、グリスは粘度が低く浸透性が高い液体の物です」
後者はオイルですよね?
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神奈川県