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▼ 桜闘釣記
- ジャンル:釣行記
2014年2月1日。
いよいよ今年も辛く、楽しいサクラマスの解禁日を迎えた。
1月31日のブログを書きなぐった後、すぐに家を出発。
福井北インターを降りて、馴染みの「越前フィッシングセンター」へ。
ここで釣り券の購入と、ルアー等を物色。
これも毎年恒例だ。
九頭竜川に着いたのは、AM2:30。
まずは川の様子を見るべく川縁まで降りると、例年に比べ明らかに水量が多い事がわかった。
前日の雨の影響だ。
遡上魚を狙う者にとって、雨後は最大のチャンス。
降り過ぎてドチャ濁りになってしまう様ではダメだが、ある程度の増水は海から遡上する魚の呼び水となる。
一旦増水し、平水に戻るタイミングがサクラマスやサツキマスを釣るには一番いいとされているのだ。
このタイミングで解禁日を迎えられる事はそう滅多にあるものじゃない。
AM3:30。
すぐさまタックルを準備して岸際に立つ。
まだ暗い川面を眺めながら静かにその時を待った。
凍えそうな身体とは裏腹に、TOMMYの心は熱く激っていた。
こうして解禁日にここを訪れるのは三年目。
これまでの解禁日には色々な事があった。
あの独特な雰囲気に呑まれ、まさかの水没、そして寝坊・・・。
しかし、どちらの日も魚からのアタリだけは得ていた。
今年の解禁日にも何かが起こる・・・
そんな気は、たしかにこの日もしていた。
思い起こせば一昨年の解禁日、朝一に強烈なバイトを得た事がTOMMYを狂わせた。
これにより、サクラマスなど『簡単に釣れるだろう』と高を括ってしまったおバカなTOMMYは、回数を重ねる毎に『いつかは釣れるだろう』という程にまで思い知らされていたのである。
かつてこれ程までに苦汁を・・・・・・いや、これ程までに夢中にさせてくれた魚がいただろうか。
あのヒラスズキですら、行けば“そこにいるだろう”くらいは思わせてくれる。
しかしサクラマスは違う。
“そこにいない”事の方が圧倒的に多く、心が削られるのだ(笑)。
極寒の中、いるのかどうかすらわからない中でただひたすらとキャストを続ける・・・。
このルアーで食うのか?
引くスピードはこのくらいか?
水深は?
色は?
つーか、魚はいるのか!?
この様に削られ、削られ、終いには折れる(笑)。
こうして、釣れない日々を積み重ねて行く内に、悟りにも似た境地に達する。
“釣れないからこそ惹かれる”
まったく困ったものだ。
五感、六感を最大限に駆使しても、最後には“釣魂”がものを言う釣り。
『是が非でも釣りたい』
この思いこそが、この魚との距離を確実に縮めてくれるのだ。
東の空がうっすらと明るくなりだした。
いよいよTOMMYの五度目となる“聖地”九頭竜川のサクラマス釣行が幕を明けた。
AM6:00。
まずは辺りを隈なくチェックする為、12gのスプーンをチョイス。
この日のタックルは、ロッド『SOULS EXPLORER TF-E82HS』、
リール『SHIMANO STELLA C3000』、
ライン『クレハ バトルシーバス1.5号』に、
リーダー『プレミアムMAX 25lb』を1ヒロ半。
ようはロッド以外、シーバスタックルのまんまって事だ(笑)。
しかしこれが、TOMMYが散々悩んだ末にようやく行き着いた、“サクラマスを獲る為のタックル”なのだ。
この日、最初に入ったポイントはJR鉄橋下流左岸。
本来ならば、瀬絡みのある右岸側に入りたいと思っていたのだが、前情報によると河川敷工事中との事。
立ち入り禁止になってしまっていては釣り所ではなくなる。
何せ解禁日。
この日を心待ちにしていた県内外からの多くのアングラーが一同に訪れる為、ポイント選びに失敗してしまうと川に立つ事すら出来なくなってしまう恐れもあるからだ。
後から聞いた話だが、この日は300人を超えるアングラーが訪れていたのだとか・・・。
次第に明るくなり、状況を目で捉えられる様になった。
見渡す限りでは、左岸に立っていたのはTOMMYを含め5人。
対岸には7人のアングラー。
どうやら右岸側にも入れるようだ。
出鼻を挫かれた気分だった。
そして、独特の緊張感が辺りを包む中、九頭竜川に挨拶をして放ったTOMMY、2014年一投目。
溜めたロッドから綺麗な放物線を描いて、TOMMYのスプーンが飛んでいく。
『ダパーン!!』
何とびっくり、TOMMYの僅か数メートル前にスプーンが着水!
水面を派手に叩いてしまった!
ラインがスプール上で絡んでいた・・・。
普段ならありえないこんな凡ミスが、普通に起こるのが解禁日。
(くそ。完全に呑まれてるじゃねーか・・・。)
この後、更にとんでもない事態がTOMMYを襲ったのだが、それはまた別のお話(笑)。
晴れているとは言え、さすがは北陸。
朝の気温はマイナスに達したのではと思う程の冷え込み。
一投毎にガイドが凍る為、時より水にくぐらせながら黙々とキャストを続ける。
スプーン、フローティングミノー、シンキング、ディープダイバーと、様々なルアーを駆使し、水流と水深にアジャストさせながら丹念に探っていく。

AM7:20。
ここで沈黙を破ったのは対岸のアングラー。
しかも続けざまに二人のアングラーから喜びの声が上がった。
一部始終を見ていたこちら側も一段と士気が上がる。
やはりここに魚は入っていた。
しかしその後数時間、辺りを粘り釣り歩くも魚信は得られず。
期待のモーニングバイトは空振りに終わってしまった。
AM10:00。
場所を詮索がてら移動。
上流へ車を向け、各ポイントを見て回る事にした。
しかしどこへ行っても人、人、人。
これではどうしようもないと、一旦小休憩。
PM12:30。
昼時の空いた時間を狙って再び入水。
次に選んだポイントは、九頭竜橋上流右岸。
まずはテトラ帯を探りながら下流へと釣り下って行った。
やがて目の前に大きな瀬が飛び込んで来た。
その先は深くえぐられている様で、薄く緑掛かった水色からは十分な水深がある事が見てとれた。

そこから岸際までが一気に浅くなっており、水深はヒザ程度。
このカケ上がり沿いに魚が付いている、または遡上してくるであろうと読み、まずは淵上の瀬から地形を図るべく、スプーンを転がしてダウンクロスで様子を見る事にした。
すると、大きく分けて二本の流れがある事がわかった。
一本は瀬から出た流れがそのまま深みを通って行く本流筋。
もう一本はカケ上がり沿いに一旦流れ出し、下流側の土壁に当たって反転流となる流れ。
この反転流が、TOMMYの足元を流れ再び瀬に入って行く。
本流筋は流れの押しが強過ぎて、カケ上がりを十分に攻める事が出来ない。
理想は反転流の先で、深みからカケ上がりに沿ってU字を描くラインだ。
ここでTOMMYは『ERDA86(TOMMYカラー)』をチョイス。

主に9cmルアーをメインに使用するサクラマスフィッシングにおいて、86mmというサイズはサクラマスを狙うのにも適しており、何よりTOMMYはコイツを使ってのトゥイッチング、そしてその後のフォール、“食わせの間”に絶大の信頼を置いている。
しかもこれまで九頭竜川のサクラマスには、何故かグリーン系のカラーに実績が高いというのも使う決め手となった。
PM13:00。
すぐ下流で昼休憩を終えた作業員の方々が、重機を使って工事を再開した。
邪魔にならない場所を選んでおいて正解だった。
PM13:10。
先の流れの中を、リーリングスピード、最良なコース取り、更に水中に隠れる水流を一番効率良く攻め切れるラインを探っていた時だった。
TOMMYの下流から茶色い泥水が反転流を介して流れて来たのである。
ぎょっ!と下流に目を向けると、今まさに工場現場からダバダバと流れ出て来ているものであった。
一瞬、終わったなと思ったが、よく見ると本流筋の綺麗な水色と、反転流の濁りによる部分がくっきりと分かれているではないか!
TOMMYはここで数分間の間を置く事にした。
この濁りは、この日の様な澄んだ水色には好転に転ずると考えたからだ。
濁りが瀬の先にまでしっかりと馴染むのを待つ・・・。
そして一投目。
ルアーを瀬の中に投げ入れ、糸フケだけを素早く取る。
流れに身を任せる様に瀬の中を転がして、本流筋に入る手前に見付けた反転流が作る水流、ここにERDAをスローに沈めて送り込んだ。
ゆっくりとリーリングを入れるとしっかりと水を噛んでいる。
(ここだ!)
そこから、得意のアッパートゥイッチを二回、三回。
ルアーをタテにダートさせる。
秋のリバーシーバスに特に有効だった攻め方だ。
狙いのカケ上がり沿いに連続してこの誘いを入れていると、“モゾッ”としたアタリらしきものが伝わった。
そこから間髪入れずに更に二回、アッパーを入れてゆっくり沈めると、ルアーの後方からもの凄い勢いで魚がルアーに喰らい付いた!
ちょうどカケ上がりを上がった辺りの事だった。
ギラッ!ギラッ!と水中でもんどり打った瞬間に本命だとわかった。
『来たっ!ついに来たぞ!サクラマス!』
バシャバシャっと水面で暴れるサクラマス!
(落ち着け!落ち着け~!)
右に左に、魚に呼応する様に竿を向ける。
その度に全身が脈打ち、顔が熱く、今にも口から心臓が飛び出しそうだった。
水面で魚が暴れている際、口元に目をやると下顎にフックががっちりとフッキングしているのが見えた。
それを確認した後、背中のランディングネットに手を掛け、出来る限りの平常心を保ちながら静かにネットを開いた。
自身初めてのサクラマス。
これまで幾度となくシミュレーションだけはして来た。
あぶる心拍数とは裏腹に、自分でも驚く程冷静だった。
ふと対岸に目をやると、数人のアングラーが固唾を呑んで見守っていた。
そして遂にネットインの瞬間。
ロッドを引き、右手で静かにネットを差し出す・・・。
まるで何かに引き寄せられるかの様にネットに納まったサクラマス。
たぶん、今までで一番華麗に魚を掬えた様に思う。

「ハァァ~獲ったぁ・・・」
大きく息と膝を着き、対岸のアングラーの祝福に笑顔で応えた。

釣れたのは54.2cm、1.6kgの綺麗なサクラマス。
その存在感は圧倒的で、神々しさすら感じた。

横たわる魚をそっと撫でる。
初めて触れたサクラマス。
震える手に魚の鼓動が伝わった。
『ありがとう。本当にありがとう。』
TOMMYは嬉し涙を堪えながら、心の中で何度もそう呟いた。

“釣れないからこそ惹かれる”
は、
“釣れたらもっと惹かれた”
困ったものだ(笑)。

- 2014年2月11日
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