ウミガメ産卵調査☆2010、7/24~25

  • ジャンル:日記/一般
クリックすると元のサイズで表示します

高校時代からの親友がいる。

俺らは大学に入ると、共に環境活動をするようになった。

彼はウミガメに魅せられた。

はじめてウミガメの卵を手にした時、涙がこぼれた。

命の尊さ、重み、暖かさ、苛酷さ・・・およそ言葉では表現しきれない、いろいろなことを瞬時に感じ取った。

ウミガメのことをもっと知りたい、ただそれだけで都内の実家から浜松に移り住んだ。

産卵の時期になれば、夜中から海岸を歩き、ウミガメの卵を探し、保護した。

毎日。

雨の日も、風の日も。

歩くだけで体力を消費するやわらかい砂浜を。

ウミガメの足跡を探し、ボディーピットと呼ばれる産卵痕を見つけ、卵を掘り返し、孵化小屋まで運んだ。

何千もの生命の卵を責任もって扱った。

それでも親ガメに出会うことはなかった。

いつもすんでのところですれ違いだった。


― 今日も親ガメに会えなかったよ。

― そりゃそうだよ、ウミガメなんてそう簡単に会えるもんじゃねぇよ。



クリックすると元のサイズで表示します

それでも彼の人生は進んでいく。

いつしか彼は海外に目を向けるようになる。

彼は2年間、海外で修行する決意を立てた。

もっと環境を知るために。彼の思う『最強』の人間になるために。

出国の日が迫る。

それは彼が出国するまでの最後の産卵調査の日だった。



彼は念願の出会いを果たした。

その日、俺も初めて親ガメを見た。


感動した。


彼の思いが大自然に通じたか、それとも偶然のめぐり合わせか。



クリックすると元のサイズで表示します



彼が出国して一か月が経つ。


元気でやっているだろうか。

俺からは今更連絡なんかしてやらない。

お互いどこに行こうが、マジでリアルな友情で結ばれてると信じてるから。

俺らは友人であり、良きライバルでもあるから。



クリックすると元のサイズで表示します


何の因果か、ただの偶然のめぐり合わせか。


前回に引き続き、2回連続で親ガメに遭遇することができた。

今まで5年間、一度も会うことができなかったのに。


浜に静かにうずくまる親ガメの姿に、彼の姿を想起せずにはいられなかった。








前回の産卵調査の様子
http://blog.ap.teacup.com/juicy15/70.html#comment


コメントを見る