最良の暇つぶしは、なんだろうか？

自分にとって暇な時間の過ごし方は、永遠のテーマかもしれない。

一個人の価値観の中で、暇つぶしは時間を無駄に過ごす事ではない。

それは時間の浪費で、何も生み出さない。

何を行うかは一旦閉まっておいて、概念が重要なのだ。

最良の暇つぶしは、少なくとも記憶に残らなければならない。



幸い転勤を機会に自分は偶然にも



釣りという最良の暇つぶしを得る事が出来た。

なぜ、釣りという未体験なジャンルを選んだのか書いていきたいと思う。





北陸の雪国からの転勤だったので、小豆島の春は暖かく感じる。




※石川県金沢市の兼六園、武家屋敷ほか。


何もかも穏やかな瀬戸内特有の景色を眺めていると、心底癒されていくのが分る。



小豆島に赴任して3月中頃、島内の観光地を巡り終え、早々に既に休日やることが無くなった。　仕方ないので、高速艇に乗り高松市内で何度か余暇を過ごすのだが、高松市内での足が無く行動範囲が限られてしまう。　これも一時的な解決方法でしかない事は、最初から分っていた。



※小豆島土庄港

※高松港から見た高松駅



4月頃のTVの天気予報コーナーでは、時間を割いてソメイヨシノの開花する頃合いを案内していた。　島内の桜の見所を探すが、纏まった桜が見当たらない。　梅の木は白梅を主流に民家の庭先に散見できるが、都内でお花見するような場所が探せなかった。

池田地区のオリーブ公園を訪れたところ、ミモザの花が満開だった。　ミモザの黄色は、実に空と海の青色に心地よく溶け込んでいる。





日本だとミモザの花よりも、カクテルの方が有名かもしれない。



オレンジジュールをウォッカやテキーラ、様々なリキュールと割って飲むカクテルで、黄色がとっても綺麗である。



5月初旬、海亀産卵地の記念碑がある戸形崎地区の廃校を訪れる。　まだまだ十分使用出来そうな体育館やプールを備えたコンクリート建築なのだが、少子化により統廃合が進み廃校となった。　今は老人会などの地区の活動拠点として再利用されている。





廃校敷地横に階段があり、其処を降りると、遠浅の砂浜に出られる。　戸形崎の磯から校舎側にワイヤーが張られ、鯉幟が西南西の島風に吹かれ大空をたなびいていた。　香川県は日本屈指の降水量の少ない県である。　晴天率が高く雲ひとつ無く晴れ渡る時が多いのも特徴の一つである。　







冒頭にやることが無くなったと書いたが、これは街中での休日の過ごし方を其のまま島内で同じように過ごした場合にという意味である。　この時、



自分が薄っぺらな人生を歩んできた事に気がついた。



自身の置かれた環境が変わるだけで、今までの生き方が全く通用しないのである。



何かが欠けてしまうと楽しめないのだ。　



此れは大問題である。



この先、赴任期間が2～3年あるとして、このままずるずると退屈な時間を過ごして良い物か考えた。　退屈な期間を過ごすのは、全く無意味である。　島内の観光地を同じところを再度巡る事も考えたが、



それは駄目人間がすること（笑）

島には映画館すら無い。　まあ、大して映画好きでもないから無くてもOK。　GEOがあるからレンタルDVDと漫画で一応暇つぶし出来る。　暇つぶしは、単なる時間の無駄で、なんら目標のない人間がする行為だと思う。　そんな非生産的な人生は送りたくない。

ゴルフでもする？　コースがあっても、



打ちっぱなしの練習場が無い事に気付く（笑）　その上に、単身赴任生活では、資金が足りない（汗）

ネットで引きこもる？



何処でも出来る事な上に、それこそ駄目人間だな（笑）





しかもオンボロ物件で休日を過ごしたくない（爆）

パチンコでもする？



これも何処でも出来る上に廃人だ（笑）

ロードバイクにでも乗る？



しまなみ街道で、レーパン履いたお姉さんが、楽しそうにロードに乗る観光ガイドブック見たな。　瀬戸内海の島々をロードで巡るのも悪くない。　それに瀬戸内海特有の降雨量の少なさや、温暖な気候からも取り組み易い。　ロードを購入しても、新しい赴任先でも取り組める。　メリットだらけじゃないか。　それに、

原付より速い男 と呼ばれた高校時代の称号がくすぶる。　ちょっとやっても良いかも？　当時、遅刻ギリギリでアクセル全開のバイク通学中の友人をフルアウターで涼しげにぶち抜いてからの称号である。

ロードに乗るとして赴任期間中、



島何回周るんだろうか？（笑）

恐らく、アスファルトの継ぎ目やマンホール位置、細かな凹凸まで覚えてしまう位、島を周回するはず（爆）

それでも家に引きこもるよりマシだな。



待て待て

ロードは新しい赴任先でも出来るけど、

釣りは今を逃したら、今後チャンスは訪れないかもしれない。

九州赴任時代の後悔が脳裏を過ぎる。

海が近いし釣りでもする？　釣りも有りだが、



臭いし、ミミズは絶対無理だ（笑）


※写真はミミズではありません。

餌は絶対駄目だ。　釣りは少し興味あるが、出来れば文明的な趣味をしたい。

でも、

新しい事始めるには良い機会なんだよな。



どうせなら、貴重な体験を積みたい。

郷に入っては、郷に従うべきである。



其の方が、地域に溶け込み易い。　特殊な趣味の場合、同じ趣向の人口は少ない。　これでは知らない土地で生きて行く上では障害にしかならない。　こんな事を考えながら、島の生活に馴染みつつ3ヶ月が過ぎた。



6月中頃、ロードか海釣りの二択になった。

とりあえずショップを探してみる。



自転車専門店が無い（笑）　

後程分ったが、ママチャリ中心に少しだけ量販ロードを扱う店はありました。

ホームセンターでママチャリ購入？　

自分はサイクリングじゃなくて、ロードでツーリングしたいのだよ。




それ、どう考えても無しでしょ（笑）

通販でパーツ購入し、自分で組み立てる？

島だから配送日数と配送費半端ない(爆)

出来れば故障パーツの交換とか入手し易いのが理想だ。　お手軽に始められ、継続し易い環境ではないのは確かだ。




オレの自転車生活の夢早くもオワタ（爆）



仕方なく近所の釣具屋へ。



こうして偶然が重なり、最良の暇つぶしを手に入れたのだ。



訪れた釣具屋は、オニギリBlogに何回も登場するトミオカ釣具 さんである。　 とりあえず、最大限の勇気を振り絞って小さな店内に入る。　店内の雰囲気に圧倒される。　



男性が女性用の下着売場に迷い込んだ時に味わう罪悪感に似ている。　自分は変態じゃないと、周囲に暗にアピールしつつも、興味があってチラ見する感覚ににてるんじゃないかと思う（笑）



店内を早歩きで一巡して、



駐車場に一目散に戻る（笑）

所要時間...





2分（爆）

正確には2分掛からなかったと思う。　品数多くて眩暈がする（笑）　今まで経験の無い空間にいきなり放り出され、居心地が極めて悪かった。　何処に身を置いて良いやら、落ち着かない。　それでも入店した自分を褒めてあげたい（笑）　自分には十分冒険した!!　



ここで、ふと疑問が沸いた。　沢山商品あったけど、何を選べば良いのやら？？？　釣りに関して何の予備知識がない事に気がつく。　道具の知識も無ければ、魚の知識も全く無い。　このままお店で相談しても店員さん困るよね？　自分が逆の立場なら、間違いなく困る。



急いで帰宅し、PCを立ち上げる。

Google先生とYoutube先生にお伺いを立てる。　黒鯛とか鱸ってのが釣れるらしい。　道具は竿とリールとルアー(擬似餌)があれば良いらしい。　フムフム。　餌を使わなければ、自分でもなんとかなるかもしれない。

釣りが少し敷居が低くく思え、淡い期待が膨らんだ。　だがしかし、この頃、ルアーフィッシングの敷居の高さを知る由もなかった。　ルアー釣りは、餌釣りと比較して偶然釣れてしまう事がまず無い。　ある程度餌釣りを経験し予備知識を備えた上でなら、敷居はそれ程高くないとは思います。



一週間後の休日。　前日に貯金を切り崩した10万を握り締め。　再び勇気を振り絞って店に行く。　島の個人経営の殆どが、クレジットカードに対応していない。　現金史上主義の社会である。　なぜ、現金第一なのか、機会があれば後程話したいと思います。



今度は絶対に逃げないぞ！

店内に入ったら、お店の人に

 「 初心者ですが、ロッドとリール下さい 」 って言う予定だ。 頭の中でセリフを頭の中で何度も復習し、

いざ入店！



今日、一番の勇気を出して店に入ったが、



店員さんは接客中(笑)

しかも

常連らしきお客さんと楽しく会話してる。

まるで自分の運命を試されているかのような



声を掛け難いシチュエーション（笑）

商品を物色する振りをしつつ時間をやり過ごし、何回も確認するが楽しそうに話し込んでいる。　その常連の年配者は、今思い返せば近所のオフショアの爺様だった。 オフショアとは船釣りの事で、陸からをショアと言う。

トミオカ釣具さんの慣例かは分からないが、お会計の時に、直近の釣果情報を交換するのが、習わしである(嘘) まあ、全く嘘とは言わないが、世間話を交えつつ、近い会話がなされる。　だから、1人のお客さんに対し、時間をかけた接客をする。　この様に応対するから、営業しながら島内の状況を詳しく把握している。　ただ、ポイントが狭い場合、当然情報は小出しにしていると思う。



いきなり待機を余儀なくされる(爆)

多分、10分以上興味のないリールを眺めいた筈だ（笑）　この文章を10分間繰り返し読み続けてもらえば、自分の気持に近づくはず（笑）



時の経過がやたら遅く感じる。

ちらちらと会計カウンターを見やるが、楽しそうな会話が続いている。　

本当に



困るんですけど！

頭の中は、「 店を出て時間を空けて再来店する 」 か 「 もう少し興味の無いリール群を眺める 」 か迷った。





このままじゃタックル買えないかもしれん（汗）







つづく





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