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対象魚

♯10 ルアー開発6(どうせ作るならこの世にないものを 3の2)

前回は、自作ルアーはオリジナルルアーじゃなかった、というお話でした。これは非常に深い問題で、所謂パクリ問題としてクローズアップされることもあるが、「ある魚種を特定の状況で釣るという目的でルアー設計を突き詰めていくと必然的に形状が似てくる」という事実は変え難い。それをいかに差別化して商品独自の魅力を訴求していくかは、ルアービルダーの腕の見せ所であり、またメーカーのマーケティング担当者が考える事だろう。
 
では、同じような商品なのにどのように差別化していくのだろう。これは、ユーザーがルアーに何を求めているかを深堀することで見えてくる。
 
少し考えただけでも枚挙に暇が無いが、幾つか挙げてみよう。
  • たくさん釣れる
  • 大きい魚が釣れる
  • 狙った魚が釣れる
  • 狙い通りに魚が釣れる(釣れるというより釣る)
  • お気に入りの道具(プロと同じ道具)で釣れる
  • 廉価な道具で釣れる(海老で鯛を釣る)
  • 仲間と一緒に釣れる(全国にユーザーがいる)
などなどなどなど、少し考えただけでも様々な楽しみ方があり、アングラーはどれか一つというよりはその日その時で違う楽しみ方をしているのだと思う。市販品の販売戦略や売り文句も、上記のようなものに則したようになっており、例えば誰々プロ監修とかランカーハンターとか書かれているものがちらほら見られる。
 
そのような中で、CADや3Dプリンターを導入した自分は、今にして思えばユーザーでありながらルアービルダーとなり、ルアーに何を求めているかという部分に「真のオリジナルルアーを設計して釣る楽しみ」が加わってしまったようだった。度々登場するREADHEADのクワバラ氏は、ヘッド交換式のルアーとしてRHシリーズをこの世に送り出した(ルアー開発2を参照)。小生の狭い見識の限りにおいては、あのようにヘッドを交換してアクションを変化させるルアーは当時の市販品の中には無く、唯一無二の楽しみをユーザーに与えてくれた。
 
「真のオリジナルルアーを作ってみたい。」
 
言ってしまえば模倣品と揶揄されたことにオリジナルルアーで釣っているというプライドが傷付いたであろう隅っこルアービルダーの小生は、自身を取り戻すために釣れるオリジナリティの旅に出るのである。
 
といっても、世の中にはこだわり抜いたルアーから流行りに合わせて出しただけのルアーまで数えきれないほどのルアーがあり、何かを作ろうとすれば何かに似るのは必然といった状況でオリジナリティは出せるのだろうか。目のデザインや彫りであれば、比較的容易に市販品との違いを出すことはできるかもしれないが、正直釣果に大きく寄与しているとは思えない。では、釣れるオリジナリティってなんぞ?という話だが、自分の尊敬するルアービルダーは、クワバラ氏の他に数名おられる。そのうちの一人、坂本智春氏を例に説明したい。
 
坂本氏と言えば、彼の有名なローリングベイトを生み出したその人である。ローリングベイトは、坂本氏がタックルハウスに所属されていた2001年に発売され、2003年にはグッドデザイン賞を授与されている。ニコデザインフィスを設立されてからも、ラビットやプラムといったルアーが発売されており、これらのルアーは共通してウォブリングを極力減らしたローリングアクションに特化しているというのが特徴である。一目見ただけで氏のデザインと分かる上に、使い方さえ間違えなければ非常に良く釣れる、正に「釣れるオリジナリティ」なのだ。
 
氏のローリング特化ルアーでしか出せない魚がいることに気付いた小生は、特定の状況下で、ラスト一投にロリベを投げて魚を抜き切ったかどうかの確認をしていた。そうすると、「何時間もキャストして」+「様々なルアーで魚を抜きまくって」+「もう何をやっても完全に沈黙している」ポイントから、まだ魚が出てくることがあるのだ。これだけ世の中にルアーが溢れていても、それが特定の状況であっても、これほど絶対的な信頼のおけるルアーは数少ない。
 
ちなみに今年の釣りフェスで初めて坂本氏にお会いすることができ、長い時間、ルアー作りのお話などをお聞かせいただいたのは本当に夢のような時間だった。氏の人と成りを知るには余りに短い時間ではあったが、ルアービルダーとしての矜持の一端を感じることはできた。
 

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