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▼ 追憶~激流遊戯編~
- ジャンル:日記/一般
“渓流には魔物が住んでいるんですよ・・・”
その昔、誰かがそう言った。
これは戯言でも迷信でもなく、
たしかに渓流には“魔物”が・・・いる。
そんなTOMMYも過去に何度かこの魔物に取り憑かれ、えらい目に遭った事がある。
今回はつい先日、そんな“魔物”に取り憑かれた際の「追憶」話をしよう。
2014年5月17日。
先日のブログに書いた、“東海魂”の仲間達との楽しいキャンプ。
素晴らしい渓相の中、それぞれが魚を手にご満悦。
TOMMYも何匹かの良型イワナと戯れ、満足した所で、お次の目当ては山菜へ。
急な斜面に生えるタラの芽や、コシアブラを汗だくになってたんまりと採集し、車へと戻った。
そしてここからは本格的な山岳渓流を仲間達に堪能してもらおうと、悪路な山道を車で行く。
15分程走り、車を駐車するいつもの開けたスペースに到着。
これより先は自分の足で渓流を遡上する。
眼下に見える素晴らしい渓相を前に、否が応にもテンションが上がる。
「さぁ行くか!」
と、TOMMYも頭のハットにかけていた偏光グラスに手を伸ばす。
「あれ・・・?」
たしかに掛けていた筈の偏光グラスがどこにもないではないか!
「うわ~偏光落としたぁ!たぶん山菜取ってる時・・・あの辺りだわ・・・。」
渓流だけでなく、本流釣り、磯釣り時にも使用している大事な“サイトマスター”を失くす訳にはいかない。
「ちょっと探して来るよ。後から合流するから先に行ってて。合流出来なかったら一時間後に車で。」
そう言って皆と別れ、TOMMYは一人来た道を歩いて降った。
心当たりがあるとすればあそこだ。
仲間内では、通称“アスパラ”と呼ぶ“イタドリ”という山菜を、空手キックや回し蹴りでカットしていた場所。
きっとあそこに違いない。
あった(笑)
やはりアスパラ畑に、まるで置いてあるかの様にふわりと落ちていた。
あまりにも簡単に見つかったので、TOMMYはそのまま崖を降り、皆よりも更に下から渓流を遡上して行く事にした。
(走り撃ちをすれば30分もあれば追いつくだろう。)
各ポイントを一投から二投程、やる気のある魚だけを相手に、リズム良くポンポンと遡上していく。
何匹かの良型と遊び遊ばれ、遡上して行くと、大きな滝の堰堤にぶつかった。
何度もここを訪れているTOMMY、この滝堰堤が在る事はもちろん想定内。
そしてこの滝が登れるという事も。
しかし、この日は想定外の誤算が生じていた。
「水量が明らかに多い」

通常、向かって左半分は水が落ちておらず、険しいながらもそこを伝ってこの滝を越えて行く。
過去に何度もそうしてこの滝を越え、この上に潜む大きな岩魚達と戯れた。
それがこの日は、その左の筋からも脈々と水が流れ落ちていた。
来た道を戻り、また山道を行けば、待ち合わせ時間をとうに過ぎてしまうだろう。
何より、この日まだ見ぬ“尺越え岩魚”がこの上には潜んでいるかもしれない・・・。
“魔物”が・・・渓に潜む魔物が、TOMMYの心に取り憑いた・・・。
滝の高さは15メートルを遥かに越える。
その数分後、TOMMYは滝の壁面にへばりついていた。
しかと岩を掴み、順調に滝登りをして行くと、やがて最大の難関が訪れた。
行く手を阻む苔岩と、ハングした岩肌。
普通ならそのまま登り進める筋なのだが、流れ落ちる水と苔岩がTOMMYの足の行き場を覆っていた。
その時点で、高さはざっと10メートル・・・
到底降る事など出来やしない。
(マズいぞこりゃ・・・)
仕方なくTOMMYはハングした岩をかわし、しっかり三点ポジションを取れる筋へと回り込んだ。
ドバババババババッ!!
ハングした岩をかわした瞬間、勢いよくTOMMYに降り注ぐ冷水!
ハットにもろに水を受け、上を向く事すら出来ない!
「ぐぬぬぬぬ・・・・・・ごぼぉぁ!!」
襲い来る水に必死に耐えながら、確実に一歩ずつよじ登って行く。
すると今度はウェーダーの中におびただしい水が侵入して来た!
「はぅぁああ!!」
縮み上がる冷たさ!
進めば進む程、逆らえば逆らう程、どんどん水が侵入し、あっと言う間に全身びしょ濡れになってしまった。
(ボンタンだけは・・・それだけは避けなければ!)
この高さでボンタンになぞなろうものなら、間違いなく下のプールまで真っ逆様だ!
もはや一刻の猶予もなかった。
「せい!そりゃっ!おぅりゃぁぁぁぁ!」
必死に流れと浸水に耐え、何とか滝を登り切ったTOMMY。
(よっしゃあぁぁ!どうだコノヤロー!)
雄たけびをあげ、達成感に包まれたまま滝の上から下を覗き込む。
余りの高さに足がすくんだ。
「バカだな、俺・・・・・・。」
5月18日、二日目。
早朝より5人で、前日調子の良かった流れの太い本流筋を攻めていた。
初参戦、初渓流のNAOU君も、借り物のタックルながら気持ちよさそうに竿を振っている。
TOMMYは何とか彼に釣ってもらおうと、付きっきりでレクチャー。
とここで、一際流れの太い流心の先においしそうな弛みを発見。
彼にそこへルアーを投げ入れる様に指示。
すると・・・・・・
ビュッ!・・・・・・ガサッ!
「・・・・・・・・・。」
ダイレクトに対岸のブッシュへと入れ込みやがった!(笑)
まぁ無理もない。
慣れないタックルで、しかもあんなピン撃ちを指示したTOMMYが悪い。
「すいません!どうしよう・・・借り物のルアーなのに・・・・・・。」
素直な彼の事。
ここでロストさせてしまっては責任を感じて、少なからずこの後の釣りに影響しかねない。
流れは太く、ちょいと危険な流れ。
激流に慣れていない他の仲間達に頼むのはちと厳しいか・・・。
この時、幸か不幸かTOMMYはウェーダーをキャンプ場に忘れて来ており、ここまでジーパンで竿を振っていた。
(ジーパンならウェーダーの様に水が入る危険もないし、濡れてもすぐに乾くだろ。)
「OK!まかせとけ!」
二度目の“魔物”降臨。
早速、ズカズカと流れに向かって川を横断するTOMMY 。
固唾を呑んで見守る仲間達。
水は想像以上に冷たい。
長居は禁物だ。
(こりゃまた雪代が入ったな。どうりで魚の反応が薄いワケだ。)
そんな事を考えながら流心を渡る。
やはりこの流れは太く、そして深い。
既にTOMMYの身体は、腰上まで水没していた。
こんな時は流れに逆らってはいけない。
『柔よく剛を制す』
流れに身を委ねる様に水中を歩く。
そして難なくルアーを引っ掛けたブッシュに到達。
回収を終えて、来た道を戻ろうと体を反転した刹那、眩しい光に一瞬目が眩んだ。
何とここへきて、山の頂から顔を出した太陽が水面をギラギラと照らしてしまっていたのである。
(見えねぇ・・・。)
昨日無くしかけた偏光レンズは・・・
そうだ・・・
水中が見えないのは危ないからと、対岸で見守るNAOU君に貸していたんだった・・・。
水中がまるで見えない。
しかもあの押しの強い流れ。
(うーん、やべぇな。)
心配そうに見つめる仲間達を横目に、TOMMYは恐る恐る歩を進めた。
そして一番の難所、“深い急流”部分に差し掛かった。
(ダメだ・・・まったく足場が見えねぇ。どうするか。)
こんな所で俺が時間を食って、皆を足止めさせてる場合じゃない。
早く釣らせてやらなければ!
普段なら踏み出さない流れ。
しかし、既にTOMMYの心には魔物が取り憑いていた。
(行ったれ~ぃ!)
ドボンと踏み出した右足の先は、来たルートとはまるで違う、まったく足の着かない超深場であった!
すぐさまTOMMYの右半身に、怒涛の如く激流が押し寄せる!
「うぉっ!なんの!」
下流に流されそうになりながらも、今度は左足を前に出し、水から頭を出した岩に乗せた!
こいつが・・・こいつがいけなかった。
光が反射して見えなかった岩の表面には、びっしりと苔が付着していたのだった。
流れと苔にさらわれ、ズルリと滑る左足・・・
『おっふ・・・!』
気温10℃、水温5℃。
春の穏やかな日曜日早朝。
斯くしてTOMMYは、この雪代流れる冷たい激流に、前のめりに平伏す事になってしまったのである!
一瞬にして流されるTOMMY!
「うほーっ」
唖然呆然と立ち尽くす仲間達!
『やべ・・・ハァァ!ヤバいぃぃ!』
予想だにしない冷たさに身体が驚いた。
程なくして、著しく体温が奪われる感覚。
必死に泳ぐTOMMY!
流される事はどうって事はないのだが、とにかく寒さで声にならない!
しかも、しっかりと着込んだパーカー、シャツ、ダウン・・・その上ジーパンがしこたま水を吸ってしまい、とてつもなく身体が重たく思うように進む事が出来ない!
そのまましっかりと流心を流れ、ドリフトから綺麗なU字を描いてようやく岸に到達。
ザバーッ!
「冷てぇぇ!うぅぅさみー!」
すぐさま、青ざめた顔で三人が駆け寄って来た。
一人離れた場所で竿を振っていたごっさんは・・・
笑っていやがった(笑)。
もう、ヤツは慣れたものだ(笑)。
そこからは陽向で体操座りをして過ごしたTOMMY。
そうこうしていると、NAOU君が近寄って来た。
「TOMMYさん、ホントすいません・・・。」
「全然いいよ。気にするな。おもしろかったろ?(笑)」
「あ、いや・・・せっかく取ってくれたルアー、また引っ掛けて無くしちゃいました・・・。」
「・・・・・・・・・。」
渓流に魔物は本当にいるんだよ。

◎BGM『Red Warrior』byTHE LAST SAMURAI
◎BGM『盆回り』by~8時だよ!全員集合~より
- 2014年5月28日
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