初めて私が

雷魚を釣ったのは

淀川のワンド


三つ入り

150円の

スピナーで

釣った


買ったばかりの

2ピースの

スピニングロッドで

リールは

ワゴン品の

黒い

プラスチック製


淀川のワンドで

根掛かりを

恐れつつ

アシ際を引いてると

ゴンッ

と嫌な感触


根掛かりだと

想った私は

ゲンナリ


だって

中学生の頃の

私には

150円だって

大金だ

いや

今でも

大金だ


諦めきれず

竿をグイグイ

グイグイ

グイグ・・・？


根掛かりが

イキナリ動いて

私の目の前で

水面が

盛り上がった


もう

なにがなんだか

訳が

解らない内に


魚は

走るし

泥は

ぬかるむし


半泣きに

なりながら

やっとこさで

ワンドの泥の上に

引き上げる事が

出来た

私中学生


すごく

雷魚の目が

怖かった事を

憶えてる


確か

60ｃｍぐらい

だったと想う

助けてくれた

お兄さんが

計ってくれた


お兄さんが

来るまで

私は

針の外し方が

解らなくて


雷魚の口を

強引に

開けようとして

親指を歯で

切った事も

初めての

経験だった


私は

早く

逃がさなきゃ

という気持ちと

怖いと言う

気持ちが

入り混じり

あたふたしてた


そこに

お兄さん

二人が現れて

器用に

外してくれはった



感謝してると


これ

「こっち逃がしていいか？」

と

私に聞くので


「どうして？」

と聞き返したら


「俺ら

雷魚狙いにきてん」


良く見ると


手には述べ竿

針にはエサ金

ポカン釣り？


「逃がしたコイツが

俺らのエサ

食うかも知らんから・・・」

と

続けたお兄さん


子供心に

それはないからっ！！

と

感謝の

気持ちが

呆れに

変わった

瞬間でした



釣り人は

何処まで

行っても

釣り人なんだと


ちょっとだけ

成長した

中学生の

私でした