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▼ オリジナルロッドを作る。
- ジャンル:日記/一般
- (シーバス, flame frame)
こんばんは。前回のブログからかなり時間が過ぎてしまいました。今回はflame frameオリジナルロッド「Memento "ALKA"」が出来るまでの過程を語らせてもらいます。
ブランクとグリップの隙間はテサテープ、タコ糸等を用いてほんの少し余裕をもって嵌めることが出来る程度にかさ増ししましょう。あまりギリギリの状態まで詰めると、接着の際うまく嵌っていかなくなったり、接着不良が起こったりするので注意です!
愛竿、レガーロを横に並べながらイメージ通りにグリップを接着しました。
ガイドとガイドの距離は、ロッドの味付けを決める重要な要素なので少し曲げてみながら位置を定めていくと良いかと思います。ガイドの取り付け位置についても、色々語りたいことはありますが余計に長くなるのでやめときます....。
私自身1本の竿を組むというのは今回が初だったのですが、その工程をおおまかに分けると、
①作りたいロッドの構想を練る
②部品を揃える
③スパイン出し&仮組み立て
④グリップの接着
(+バッド部分スレッド巻き①)
⑤ガイド取り付け
⑥バッド部分スレッド巻き②&バッド部コーティング1回目&
⑦ネーム作り
⑧最終コーティング
⑨完成、テスト
というような感じでした。
普段、自分でロッドを組まれている方が見るとゾッとするような順番でやっているのかもしれませんが、上記の工程で割とスムーズに竿作りが出来たように思います。
それでは、各工程をひとつずつ振り返っていきます。制作中、写真をあまり撮っていなかったので急に出来上がっている感がありますが何卒ご容赦ください。
(ステップ①)作りたいロッドの構想を練る
そもそもの話として、なぜ竿を作るに至ったかの話をすると、3月に長崎へヒラスズキ遠征に訪れた際、昔から使っていた愛竿レガーロを折ったところから始まります。新しい竿を探そうと各メーカーのカタログを覗いたり、いくつか気になるモデルは実際にお店で触らせてもらったりもしましたが「これは!」というものは見つからず、自身のオリジナルブランド「flame frame」初のロッドとして組んでみることにしました。
というわけで、まずは改めて自分が使いたい竿のイメージを固めることに。
今回は「今まで使ってきたレガーロに近い使用感&憧れの魚アカメ、私のメインの釣りである磯のヒラスズキに焦点を当てたモデル」というような感じで構想を練りました。竿の長さ、合わせるリール、使うルアーの重量などはある程度この段階で考えておくと次の工程の部品選びで変に迷わずに済むかと思います。
(ステップ②)部品を揃える
イメージが決まったら実際に必要なものを購入していきます。竿のブランクス、ガイド、グリップパーツ、エンドキャップ、ワインディングチェック、スレッド糸など必要なものは多々あるので、紙に設計図を書いたり、必要な部品をメモしたりしておくと後から追加注文するはめになるといった手間は取らずに済むかと思います。
etc.....。
(ステップ③)スパイン出し&仮組み立て
部品が揃ったらブランクのスパイン出しを行い、実際にパーツを組み立ててみます。スパインの出し方についてはネットにたくさん載っているのでここでは割愛させて頂きます。
仮の状態で組み上げた形と自分がイメージしている完成の形にズレが生じてないか、ワインディングチェックなどのパーツの大きさに問題は無いかということをここで確認しておくことが大事です。今回のロッドは少し拘りたい部分があったため、私はここで少しパーツを加工しました。(拘った部分については後述します。)
(ステップ④)グリップの接着&バッド部分スレッド巻き①
仮組みをして特に問題がなければグリップの接着をします。
ブランクとグリップの隙間はテサテープ、タコ糸等を用いてほんの少し余裕をもって嵌めることが出来る程度にかさ増ししましょう。あまりギリギリの状態まで詰めると、接着の際うまく嵌っていかなくなったり、接着不良が起こったりするので注意です!
愛竿、レガーロを横に並べながらイメージ通りにグリップを接着しました。
グリップ周りの接着が終わりました。エンドキャップは重心のバランス調整のため、最後に取り付けることにしました。また、バッド部分へのスレッドの下巻きもここでやっておきます。
(ステップ⑤)ガイド取り付け
次に、ガイドを取り付けていきます。ガイドについては、最近のロッドで用いられているようなモデルにしようかとも思いましたが、これまで大切に使ってきた相棒との思い出を引き継ぎたいという想いから、レガーロに付いていたガイド+αを採用することにしました。
ガイドとガイドの距離は、ロッドの味付けを決める重要な要素なので少し曲げてみながら位置を定めていくと良いかと思います。ガイドの取り付け位置についても、色々語りたいことはありますが余計に長くなるのでやめときます....。
位置が決まればスレッドを用いてガイドを取り付けていきます。小さい頃からガイドの取り付けなどのロッド弄りをやっていたこともあり、スレッド巻きは割と得意なのです。
スレッド巻きに慣れていない方は、マスキングテープを用いて糸がバラけないようにしながら巻いていくのがおすすめです。
(ステップ⑥)バッド部分スレッド巻き②&コーティング(1回目)
ガイドの取り付けが終わり、だいぶ完成に近づいてきました。グリップを取り付けた際、下巻きをしたバッド部分の上から本巻き(そのような言葉は多分ありません。)をしていきます。
(ステップ⑦)ネーム作り
ロッドに塗ったエポキシが硬化するのを待つ間に竿に命を吹き込む工程(少し大袈裟ですね)、ネームを作ります。
この工程は初だったため、今回のロッド作り全体の中で最も苦労しました。より良い方法を求めて今後、試行錯誤していく必要がありそうです。そういうわけで申し訳ないですが、今回私が用いたネーム作りの方法の紹介は省きます。気になる方はInstagramのDMで言ってくださればこっそり教えます。
もう既にコーティングを終えた状態での写真にはなりますが、貼ったネームの紹介を。
オリジナルブランド「flame frame」のロゴもちゃんと入っています!
そして、ロッドの名前は、
「Memento "ALKA"」
としました。オリジナルブランド「flame frame」初のロッドを作る緊張感を勝手に抱いていたのもあり、名前についてはなかなかしっくり来るものが最後の最後まで浮かんできませんでした。
最終的に、ヒントをもらったのが
ランニング中に見かけたこれです。
私が現在住んでいる大分の津久見市が誇る「セメント」「イルカ」を色々もじって「メメント」「アルカ」としました。
急に思考がぶっ飛んだ感じがしますが、パソコンで入力する時、それぞれの頭文字で考えると「S→M」「I→A」となります。そして、逆さで読むと、皆さんご存知の釣具ブランドさんの名前の由来にもなっている「AIMS」(目的、志)という言葉が浮かび上がってくるのです。この竿で憧れのアカメや磯のヒラスズキを獲るという意味で、竿に込めるテーマのひとつとしてふさわしかったので、この形に落ち着きました。(セメントは英語でcementoだし、イルカはdolphinなんですけどね。)
職業柄、言葉というものについて色々考えてしまう所があるのですが、私の過去ログ「"ある夏"の記憶」で触れたロッドネーミングの由来同様、作った本人にしか分からない、自己満足感の半端ない言葉遊びを詰め込んだ良い名前になりました。
今後、皆様に手に取ってもらうかもしれないオリジナルロッドも良い名前を付けたいですね。
(ステップ⑧)最終コーティング
ネームを貼ってしまえばいよいよ、最終コーティングになります。重ね塗りの回数はエポキシによっても変わってくるかとは思いますが、必要に応じて塗っていけば良いです。あまりいっぺんに塗ってしまおうとせずにやると綺麗に出来るかと思います。
(ステップ⑨)完成、テスト
最終コーティングの分が完全に硬化し、ロッド重心の調整をしてエンドキャップを取り付けてしまえば遂に完成です。
慣らしとしてウェイトの軽いルアーから徐々に重いルアーを投げて感覚を確かめます。出来たそばからいきなり重いルアーをフルキャストをするのはおすすめしません。
今回のロッド作成で拘った部分は、11ftという長さのロッドにしてはグリップを短くした所です。
(左がウエダのCPS112、右がダイコーのレガーロFZ-R106)
グリップを短めにすることで、ブランクの性能をより引き出す、手元の操作性の向上を狙いました。先重り感があまり出ないようウェイトの調整にも気を遣う必要が出てきますが私の好きな味付けのロッドです。
(最後に)
オリジナルブランド「flame frame」でロッドを作るのはもう少し先のことになるだろうと思っていました。どうしてもflame frameでの活動に費やせる時間、金銭に限界があるという現実問題があるためです。
しかしながら、今回のロッド制作を通して自分の表現したい釣りや生き方といったものが道具に込められるということを身に染みて感じ、ロッドビルディングの楽しさを存分に味わうことができました。
来年度を目標に、オリジナルのロッドやルアーを実際に皆様の手に触れてもらえるような機会が作れるよう少しづつ制作を進めて参りますのでどうか今後とも宜しくお願いします。ロッドビルディングは良いものですよ!
- 2023年10月3日
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