「曇ってる」ことが釣果を左右する時代

  • ジャンル:釣行記
毎日風が強く、なかなか釣行チャンスが無い中、北寄りだが若干風が弱めになった日曜日、北風を避けられる内房のSへ向かう。到着すると、海ほたるで8mの風がここではベタ凪で、沖目には鳥山も出ており、気分が一気に盛り上がってきた。しかし、沖に出たころはすでに時間は10時、鳥山も消え、潮も上げ一杯に近づいており、ベイトはいるものの、捕食しているようなターゲットはいなくなってしまったようだ。

仕方なく、沖目を中心にベイトや鳥山を探っていると、1時間ほど過ぎた頃、南方面のハウス沖でようやく鳥山を見つける。時合も重なり、周辺でボイルも始まり、サワラらしきボコボコ祭りとなる。慌ててスピンテールジグを投げるが、何度も投げても食いつく気配は無い。サイズが小さいのか、魚の鼻先を通さないといけないのか・・・アタリは無く、なんでやねん!と叫びたくなる。

そのうちボイルは収まってしまい、最後の狙いとして、ガーミンの海図アプリを立ち上げ、気になっていた海底のRockマークを目指す。ポイントに近づくと、魚探にはかなりの大きなベイトの反応が。

ここはかなりの餌場であることは間違い無い。最後のチャンスと、ここでひたすら流しのキャストを繰り返すと、まずは30cmほどのヒラメがかかる。中層を巻いてきているにも拘らずヒラメが食いつくとは活性高し。これでやる気が復活し、さらにベイトポイントに船を戻してから流しのキャストを繰り返すと、ついにグイとずっしりとした重みが来た! 直後、デカい白い腹が翻るのが見えたので、まさかアカエイでは?とギクリとする。ひたすら重みに耐えてグイグイ巻いてくると、あと5mほどのところで急に、魚も自分が釣られていることに気づいたか、反撃に出てきた。重みのある魚が抵抗して泳ぎだすと、ひとたまりもなくラインは出ていく。まさかひっかるような根は無いだろうと自分を落ち着かせるが、それでもどこか岩でもあって根ズレしてしまうのでは、といった思いが交錯する。このスリルこそが釣りの醍醐味だぜ!

5分ほどそのスリルを十分に味わって、魚が近づいてくると、デカい口を開けたヤツが見えて、なかなかのサイズのシーバスと分かる。上げてみると、自己記録では富津の92cmに次ぐ、88cmの2位のサイズだった。

今回、釣果が出た理由として、Garmin社の海図に表示されているポイントを狙ったことにある。Garmin社は海図を販売するNavionics社を買収したのだが、その効果として、Garminのアプリで無料で海図が見られる事になった。日本でも、海釣図とか釣りナビくんなどの有料海図アプリがあるが、それぞれ表示内容に有るもの・無いものがあったり、これが一番というものが無い。一方、Garminについては、この海図の他、Quickdraw Contours という、各自の魚探深度とGPSから等高線をクラウドに集めた無料のSNS海図があり、そのデータが網羅している範囲は世界で一番細かく正確な海図といえる。残念なのは通常の海図とQuickdraw Contours、衛星画像のレイヤーが一つのアプリ・画面にまとまって透過レベルなどがコントロールできない点であるが。

かつての「釣り上手」の世界では、天気、気温・水温、潮汐グラフや潮目などが「ベテラン」の貴重な情報源として存在し、その後、魚探やレーダーなどハイテク機器を持つ「プロ」がその情報を駆使して実績を上げてきた。そして、さらなる詳細で正確なクラウド上のデータが素人でもハンドリングできるようになってきた現在、そのクラウド上のSNSデータを活用する「曇ってる」アングラーが最上の結果を出す時代となったのではないだろうか。

次回はさらにこれらのデータを活用して魚を探り当てる「宝探し」ゲームをするのが楽しみだ。

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