【三重カンツリクラブ】ルアーコーティングの黄変実験　その3

セルロースとウレタンの反応による黄変実験の「その3」です。

その1　↓
http://www.fimosw.com/u/KOBA/1egy1evaa2j556

その2　↓
http://www.fimosw.com/u/KOBA/1egy1ev4uozx24

まず、実験④の結果が見えたので報告します。
実験④
Ｍｒカラー白、セルロース、ミッチャクロン
それぞれの上にウレタンＭＪを乗せると黄変するか？
また、Ｍｒカラー白、セルロース、ミッチャクロンを乗せてからウレタンＭＪを乗せるまでの乾燥時間の違いと黄変の度合いに差はあるのか？乾燥時間を0日、1日、3日、7日で比較する。

・セルロースの上に乗せたウレタンは酷く黄変しました。
・Ｍｒカラー白の上に乗せたウレタンは少し黄変しました。
・ミッチャクロンの上に乗せたウレタンには黄変は無し。
・乾燥時間の0日、1日、3日の違いでの黄変の進行は全て
　同じです。
　現在、7日経過して最後のマスにウレタンＭＪを乗せて
　3時間経過したところですが3時間で既に黄変反応は
　始まっています。2～3日経過すると0日、1日、3日と同じ
　ようになるでしょう。

◆結論
・ミッチャクロンとウレタンが反応して黄変することは無い。
・Ｍｒカラーとウレタンは反応して黄変するがセルロースほど
　酷くは無い。
・セルロースやＭｒカラーの乾燥時間を長くしても上にウレタン
　を乗せると黄変する。
　セルロースやＭｒカラーを十分乾燥させても黄変防止効果は
　無し。

ここで、疑問が湧いた。
黄変しているのは　上に乗ってるウレタンなのか？
下にあるセルロースやＭｒカラーなのか？

剥がして確認してみよう。

まずは、実験①-1でセルロースの上のＭｒカラーの更に上に乗せたウレタン。

カッターナイフで剥がしてみた。↓

Ｍｒカラーの白は、ほとんど変色なし。
ウレタンが黄変している。

次は実験①-2でセルロースの上に乗せたウレタン。
カッターナイフで剥離させようとしたが剥がれないので表面を削ってみた。　↓

手前にあるのが削ったウレタンの表面である。
下のセルロースが変色しているかどうかは確認できないが
上のウレタンは確実に黄変しており、しかもセルロースと密着している下層だけでなく表面まで黄変している。

◆結論
・黄変は下地のセルロースやＭｒカラーではなく、ウレタンが
　変色している。
・セルロースと密着している部分だけでなくウレタンは表面ま　
　で全体が黄変している。セルロースの上にウレタンを厚く乗
　せると黄変が酷くなる事と辻褄が合う。

★考察
実験①～④で分かったことは
・セルロースの上にウレタンの乗せると黄変する。
・セルロースとウレタンの間にラッカー塗装（Ｍｒカラー）や
　プライマ（ミッチャクロン）をかませても効果は無い。
・Ｍｒカラー単独の上にウレタンを乗せても黄変するが、
　下地にセルロースがある場合やセルロースに直接ウレタン
　を乗せる時ほど酷くない。
・セルロースやＭｒカラーの乾燥時間を長くしても上にウレタン
　を乗せると黄変する。
　セルロースやＭｒカラーを十分乾燥させても黄変防止効果は
　無し。
・黄変はウレタン自体が変色する。セルロースとの密着面だ
　けでなく表面まで全体が変色する。
　つまり、ウレタンの膜厚が大きいと黄変が酷くなる。
・アロンアルファ、ミッチャクロン、ヤニ入り半田、ステンレス
　半田用フラックスはウレタンと反応して黄変することは無い。

●ウレタンの膜厚が大きいと黄変が酷くなるということは、セルロースやＭｒカラーの上に乗せる1回目のウレタンの膜厚を薄くして、完全硬化させてからウレタンを重ねれば黄変は少しで済むのではないか？という疑問が発生する。

ということで
追加実験

実験⑤
セルロースやＭｒカラーの上に1回目のウレタンを薄く乗せ、ある期間硬化させ、その上に2回目のウレタンを厚く乗せた時、1回目のウレタンの硬化期間の長さによって黄変の度合いに差は出るのか？

下記のパターンを比較する。

セルロース→ウレタンドブ浸け→1日硬化→ウレタン乗せ
セルロース→ウレタンドブ浸け→3日硬化→ウレタン乗せ
セルロース→ウレタンドブ浸け→7日硬化→ウレタン乗せ
Ｍｒカラー白→ウレタンドブ浸け→1日硬化→ウレタン乗せ
Ｍｒカラー白→ウレタンドブ浸け→3日硬化→ウレタン乗せ
Ｍｒカラー白→ウレタンドブ浸け→7日硬化→ウレタン乗せ

只今　3日目
判断しにくい微妙な感じ・・・
結果が出たら、報告する。

2012年12月11日
コメント(4)

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みんなからのコメント (ログインが必要です)

コバさんスゲー

そのうち自動車用のクリアー送りますので試して見て下さい。
作ってから２～３年経つ我がルアーは何の黄ばみもありません。
コバさんな以前、渡船屋の仮眠室で見せたルアーです。

2012年12月11日

あっつん（amo)

三重県

コバ

三重県

>あっつん（amo)さん

ありがとうございます。
試してみます。

2012年12月12日

やっぱりウレタンとセルロは相性悪いってことなんですね。。。

確かに、横のホロ貼ったところは黄変しないのに、腹や背中のホロ無いところは黄色に。。。

それと、色止めでウレタン薄めたのをスプレーしますが、
適当にやったところほど黄変してるように思います。

希釈ウレタンの色止めで効果ないでしょうか？

2012年12月11日

ToYoPu☆BGK

兵庫県

コバ

三重県

>ToYoPu☆BGKさん
セルロースの上に乗せたラッカーをウレタンで色止めしても濃く黄変するようです。（ウレタンをいきなり厚く乗せるよりは随分マシですが薄く乗せても黄変はします。）
ウレタンの上に乗せたラッカーをウレタンで色止めすると黄変は薄いようです。（ラッカーとの反応による黄変はセルロとの反応より少ないので）
セルロースとウレタンの接触は間にラッカーやプライマがあろうがなかろうが黄変するので、塗装前の下地でセルロにウレタンを乗せて黄変させてしまい、黄変したウレタンを完全硬化させてから上に塗装を乗せて隠蔽してしまうのが良いと今のところ思ってます。
ラッカー塗装の上のウレタンは黄変が酷くならないように薄く吹き、完全硬化してからドブ浸けで重ねると更に良いのではないかと思います。

まあ、セルロースとウレタンを両方使わないようにすることが一番良いんでしょうけどね。

2012年12月11日

実験お疲れ様です。アクセルの製品は全く信用しなくなってしまいましたｗ何をやってもウレタンその物が黄変するのは判ってましたが、やはり下地との相性だったり、単独でも黄変しちゃったり、溶剤を混ぜると黄変しちゃったりと、その原因は様々ですね。

今まで何の問題も無かったのが、トラウターのウレタンフロアM3なんですが、コレが全く手に入らなくなってしまったので、ギジェットの16-92を使ってみたんですが、これは単独でも結構な速度で黄変しますｗ

その度合いはバレーヒルのウィナーズウレタンフロアM並みでした。何か気に成って調べてみたらZESTの無黄変をうたってるのも酷く黄変するみたいですね…ｏｒｚ

結局、どの素材と合わせても完全無黄変を狙うなら、自動車用2液性ウレタンを使う以外に方法が無い様ですね。でも、粘度が低いし、吹付けオンリーなんで簡単には出来ないのが面倒です。

2012年12月11日

森村ハニー

東京都

コバ

三重県

>森村ハニーさん

ウレタンの黄変原因は色々ですね。
まあ、経年変化の黄変は仕方ないとしても
セルロースと反応して新しいのに黄色くなることは避けたいです。

セルロースの下地染み込ませ補強をやめてアロンアルファ塗布補強だけにするのも一つの解決策なんですけどね。

2012年12月11日

>コバさん
今更すみませんｗ

セルロースで著しく反応してしまうなら、一液ウレタンを希釈して低粘度で染みこませての下地コーティングって手は無いでしょうか？前出のユニオン16-92は、この方法で2～3時間程度でサンディング可能な程硬化してしまいます。（単独黄変はいかんともしがたいですがｗ）

粘度が高まった一液ウレタンはシンナーで希釈すると硬化が早まるって特性がありますから、固まりかけたMJでもあれば、一度試してみては如何でしょうか？