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鹿児島バチ抜けシーバス -序章- 〜抜けたバチたち〜

 僕はずっと、バチを探していた。それも、今年に入ってから、ずっと。


頻度はそう多くないが、釣りができる日は迷わずフィールドへ向かった。地形、過去の季節ごとのベイトの移り変わり、五感で感じる雰囲気…バチが抜けるんじゃないかって目星をつけていたいくつかの川で、その時を待ち続けた。


昼は仕事をし、夜は釣りに行く。釣りに行かない日は、昼も夜も仕事の日。


いつ家事をやっている?

いつ子供たちと遊んでいる?

いつ、妻とコミュニケーションを取っている?


そんな日々を送っていると、家族から無言の限界というメッセージが送られてきた。


「…ごめん」


もう何度繰り返しただろう。釣りに熱中してしまうと、同じことを何度も繰り返してしまう。



 久しぶりにまとまった休日が取れたので、みんなで出掛けたり買い物したり、家族の時間にあてた。


一歳になったばかりの娘と妻が少し休憩したい時には、妻が手に負えないと嘆く息子を連れて、男ふたりで時間を忘れて本気でミニ四駆で遊ぶ。


家に帰ってきたら、ああでもない、こうでもないと男ふたりで思い描く理想のマシンへと形にしていく。


そんな光景を見て、妻が微笑む。


"釣りに出ない日の家族との大切な時間"


このひと時を忘れないよう心に刻んでいると、携帯電話の着信が鳴る。画面を見る前に、ひとりの男が脳裏に浮かぶ。


「平田さん…バチ、抜けてる」


導線を瞬く間に光が走り抜け、遮断していた釣りのブレーカーが火花を散らしながらパンクし、フィールドと僕の思考は一瞬で一直線に繋がった。




■ 鹿児島でも起こるバチ抜け 


「本当にこんなに抜けるのか…!」


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  初めて見るちゃんとしたバチ抜けの光景が、ここまでのバチソーメン状態だとは…もう終始興奮しっぱなしだったのは言うまでもない。


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ウェーダーを履いていたので、バチの中に思い切って浸かって間近で観察してみる。


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バチのサイズは10センチ未満の小さく赤茶色系の個体から、大きい個体は20センチほどもあって緑色をしている。


掬ってみるとフワッとしているが、一瞬で白い液体を噴出し、まるで溶けるように手からすり落ちていく。そうか、そういえばバチが抜ける理由ってこういうことだったなって。


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小さい個体はまだいいが、さすがに20センチほどある大きい個体は掴むのに躊躇する。


遊泳力はないと言われるが、止水域ではピロピロと足を動かし、ウネウネと身体をくねらせしっかり進んで泳いでいるのが印象的だった。


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■ アタリはあるが乗らない…バチパターン特有の吸込みバイト 


 シーバスの単発のボイルそっちのけでバチ抜け写真を撮りまくっていたら、やはり時合いは刻々と過ぎ去っていたようで、釣り座に戻るとややライズは落ち着いているように感じる。


その単発ボイルに向かって、あるいは流したいトレースコースの方向へ向かって、キャストを再開。



 ルアーはBlueBlue/RAZAMIN90イブランリバース。バチルアーはこれしか持っていないが、今まで渋い時に力を発揮してきたラザミンだから、これで食わすという自信がある。


アップにキャストし、ラザミンをただ水面に置いておく。リトリーブは、余分に出過ぎたラインスラックを取る分だけ。


単発ボイルは所々で起こり、ピンポイントにキャストしルアーを通してくるが反応がない。


その間に友人が1匹掛けたので、ネットを持ってサポートに走る。


"これがバチパターンのスズキか"


無事にキャッチしたシーバスの口の中には、ビッシリとバチが入っていた。


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魚も実際に確認出来たことで、さらに気合いが入る。



 なかなかスローな展開の釣りなので、キャストから回収までがかなり長い。


だからこそ、"次のキャストはトレースコースを少しズラしてみよう"とか、"次は少しだけ巻いて動かしてみよう"などと考える時間はたくさんあり、その細かい変化を実行に移していく。


「パシャ」


やっと出た!けど、乗らない。


立ち位置をだいぶ変えて、流れが複雑にヨレるエリアで…


「バシャ!」


思わず反射的にアワセが大きくなり、ルアーだけが飛んで帰ってくる。


こういった類いの釣りに、早アワセや大アワセは禁物とわかってはいるが、バチパターンを得ていない身体が自然と反応してしまう。


最後にもう1発パシャというバイトが出たが、最後の最後まで乗せきることが出来ず、見る見るうちに潮位は下がり、ここでタイムアップとなった。



 人生初のバチパターンの結果は、3バイトノーキャッチ。最後の方では、ラザミンの後方にギラリと光る魚体も見えたのだが…こうやってルアーを食う直前でいくつも見切られているのだろうか?


だとしたら、理由はなんだ?


いずれにせよ、水面に出る単発ボイルの数に対して、圧倒的にバイト数が少ない非常に厳しい釣りとなった。


"でも、こうでなくっちゃ"


東京湾でバチ抜けのシーバス釣りをたくさんやってきた友人は、しっかり掛けてしっかりキャッチまで持ち込んだ。


対して人生初バチパターンを経験した僕は、ノーキャッチ。


だからこそ釣りは面白くて奥深くて楽しいし、釣れた時の喜びや達成感は何事にも代え難いものになる。


「明日こそは」


その気持ちが明日も通う理由を生み、再び僕をフィールドへと誘うのであった。




■ 最後に 


 あくまで個人的な考えだが、釣りはポイント選択が8割を占めると思っている。残り1割が釣り人の腕で、もう1割が道具。


今回ここまでのバチ抜けを見ることが出来たのは、紛れもなく共に鹿児島のバチ抜けを追ってくれた友人の経験と知識、そして行動力の賜物であり、友人だからこそ辿り着くことが出来た鹿児島バチ抜けポイントの答えのひとつだと思っている。


ポイント公開に当たっては、アングラーの立場や地域性、アングラーの数だけ様々な意見があると思う。


僕個人としては、信念を持っての行動ならもちろんそれで良いと思っているし(むしろ他人の意見を否定するなどもっての外だと認識している)、ルールとして明確に決まっていない以上、正解はひとつではないはずだ。


僕の意見を述べるなら、"ポイントは、開拓した人でもずっと通っている人でも地元の人でもなく、そこで営みを形成するすべての生き物のもの"であると思っている。




【鹿児島バチ抜けシーバス -第1章- 〜人生初のバチ抜けシーバス〜】へつづく






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