その両腕に夢魚を抱け http://www.fimosw.com/ 釣果情報・シーバス、メバル、イカ、チヌ、青物、ヒラメ、マゴチ...ソルトアングラー支援サイト、日本最大のWEB釣り大会『凄腕』、釣り動画fimoTVなど(会員登録無料) ja デザイン魚拓 http://www.fimosw.com/u/hiratch/ivdetcsmska6kr 2020-04-02T00:00:00+09:00

「記憶に残る魚が釣れたら魚拓として残したい」
 
釣りに夢を追うアングラーならば、一度は思ったことがあるのではないでしょうか。
 
私自身も「いつの日かメモリアルフィッシュが釣れたら部屋の壁に魚拓を飾るんだ」と夢見る中で、運良く昨年の10月にキャッチすることが出来たメータースズキ。
 
"魚拓はあの方々にお願いするんだ"
 
初めてデザイン魚拓というものを見た時から既に心に決めていた、高知のパープルヘイズデザインさんに発注の依頼を掛けたのでした。
 
 

■ 墨の魚拓とデジタル魚拓の良さ
私が小学生くらいの頃までは、釣具店に行けば墨で取った魚拓の数々が壁や天井に所狭しと飾られていたりしたものですが、最近では昔からの老舗釣具店を除き、墨の魚拓があるところは少なくなっていたように思います。
 
そのかわりよく見かけるようになったのが、墨で作製した白黒の魚拓と違い、色もカラーで写真のような出来栄えのデジタル魚拓。
 
水産資源保護の観点から、必要以上のキープを避けるキャッチアンドリリースの釣りがスズキ釣りのみならず様々なジャンルで浸透している昨今において、写真から魚拓が作れるデジタル魚拓は「記録には残したいけど魚の命は奪いたくない」というアングラーの願いを叶えてくれるひとつの選択肢として、今後も重宝されてゆくだろうと思っています。
 
ただもちろん、デジタル魚拓にはデジタル魚拓の良さがあり、墨の魚拓には墨の魚拓の良さがあるはず。
 
実際に私も過去に黒鯛とアオリイカに墨汁を塗り魚拓を作製したことがあり、今も部屋の壁に飾って時々眺めては釣れたシーンを思い出していたりします。
 
 
スマホやパソコンで高画質な写真が見れる現代において、墨塗り・名入れ等全ての工程を自らの手でおこない、墨の荒々しい輪郭と白と黒で描かれる記憶は、独特の味があって良いものです。
 
 

■ デジタルでなく"デザイン"魚拓という選択
デザイン魚拓というワードを初めて聞く人がいるかもしれませんので、自身が知るきっかけとなった経緯を少し説明すると、高知県でのメーターオーバーのアカメやメーターオーバーのタイリクスズキの釣果がSNSで飛び交う中で自然と目にしました。
 
もちろんそもそもの魚体の大きさにも驚くのですが、魚拓の背景や文字そのもののデザインがとにかく格好良く、一瞬にして惹かれたことを覚えています。
 
そこで調べてみると、デジタル魚拓ではなくデザイン魚拓と呼ぶ作品であることがわかり、パープルヘイズデザインさんに辿り着いたというわけです。
 
デジタルとデザイン魚拓の違いは?と思われる方の為に、私の主観も含まれる言葉で説明するならば…
 
「一枚の写真を元に魚体をただ貼り付けるのがデジタル魚拓」で「一枚の写真を元にしつつ、さらに複数の部位の詳細写真から加工・修正といった手を加え、"まるでひとつのアート作品"として仕上げるのがデザイン魚拓」です。
 
頭や尾鰭が少し湾曲した(不自然な)デジタル魚拓を見かけることはありませんか?それは魚体が大きければ大きいほど、魚体の端は曲がって写ってしまうからです。
 
あとは背鰭のカッコいい魚種なのに肝心の背鰭が寝てしまっていたり、尾鰭がピンとなっていなかったり…そういったある意味仕方のないと諦めていたことが、パープルヘイズデザインさんの技術に掛かれば歪みなどを取り除き加工を施し、1番きれいな魚体の状態の魚拓が出来るというわけです。
 
墨の魚拓でも、デジタル魚拓でもない、デザイン魚拓というひとつの確立されたジャンルだと、私自身も思っています。
 
 

■ あの時の感動が蘇り、共有を継ぐデザイン魚拓
発注から約3ヶ月、完成したデザイン魚拓が我が家に届き丁寧な梱包を解いてその魚体を見た時、あの時の感動が一瞬で蘇ってきました。
 
"またこのスズキに逢えた"
 









 
スマホやパソコン画面のスケールの写真じゃ伝わらない大きさや迫力。
 
記憶の中だけで泳ぎ続けていたものが、こうして目の前に改めて存在してくれるということの満足感。
 
思わず真夏から始めた3ヶ月に及ぶ辛いプラ釣行の暑い日々を思い出して目から汗が溢れそうになりましたが(笑)、妻や子供たちがデザイン魚拓を見た反応はまた格別な充実感をもたらしてくれるものでした。
 
「えっ、嘘でしょ。こんなの釣ったの?実物大じゃないんでしょ?」と聞く妻。
 
実物大じゃなかったら魚拓の意味ないだろ!と言いつつ、メジャーを当てた私。笑
もちろん寸法はバッチリの、あの時のスズキでした。
 
凄いと驚きつつ笑顔を見せる娘。パパのさかな、カッコいい!と言って喜ぶ息子。とにかくベタベタ触って指紋をつけまくる2歳の娘。笑
 
 
今までに経験したことがないこのひと時の幸福感はなんだろう?と、ふと考えます。
 
フィールドに立てば、いつだって自然と孤独に向き合う釣り人。釣れた喜びも、悔しい思いをしたことも、時に自然の恐ろしさを知ったその瞬間も、多くは自分の胸の内にしまって日々を過ごすでしょう。
 
そんな一瞬一瞬を、全てじゃないにせよ誰かと共有出来ることの意味。その手段として選び、役割を担うデザイン魚拓の持つ価値。
 
小さい頃から見てきた、父の108センチ20キロ超えの磯から獲ったアラの墨の魚拓。その価値を初めて理解したは、自らの意思で釣りを始めた高校生くらいの頃でした。
 
口から耳へ、語り継がれる物語がある。
文章を読んで、脳裏に浮かぶ風景がある。
物言わずとも、そこに存在するだけで継ぎゆく想いがある。
 
"いつか息子も、自分自身の魚を追う日がくるのかなぁ"
 
父の墨の魚拓がいつまでも私の記憶にあるように、この先もずっと誰かの記憶に残るデザイン魚拓を飾り続けようと思うのです。
 
 

■ 綺麗に仕上げる為に大切な写真撮りのコツ
最も重要といっても過言ではない写真の撮り方について、パープルヘイズデザインさんのホームページにも記載はありますが、私からも実際使用した写真を例に挙げ紹介させて頂きます。
 
兎にも角にも写真が大事!それも部位ごとに複数枚あることがとても大切!というデザイン魚拓。
 
まずはベースとなる全体像の写真がこちら。
 
 
胴体の真上にカメラレンズの中心があり、顔と尾鰭がやや斜めから写されているため、やはり少し歪んでいますよね。
おまけに朝マズメの時間帯だったこともあり、ピントが完璧には合っておらず少しぼやけてしまっています。
 
これを、頭・胴体・尾鰭に分け、それぞれ撮ります。
 






 
ここで注目して欲しいのが、最後の尾鰭の写真です。指で尾鰭を広げていますよね。
実はこのスズキ、全体像の写真を見ればわかりますが、自然と尾鰭を若干たたんでしまう個体だったんです。
 
普通のデジタル魚拓だったら尾鰭がたたまれたこの全体像の状態で仕上がりとなるでしょうが、広げた写真を撮ってあげることでこういった部分を修正して頂けるのです。
細かい部分でいうと、写真を撮る前に打ったJGFAのアンカー式スパゲティタグも消して頂けました。
 
この素材となる写真をパープルヘイズデザインさんに送ったら、「非常にキレイに写真を撮っていただいております。ご友人の方々がお作りになられる際は、このように撮って頂けるとキレイに仕上がります」という言葉も頂けましたので、デザイン魚拓を気に入ってくれた友人にも伝えつつ、ブログを読んでくださる皆様にも勝手にお伝えいたします(笑)

綺麗に仕上げるためのコツをまとめると、写真は全体のみならず各部位の詳細を複数枚撮っておく!ということになります。
 
 

■ 感謝
最後になりますが、忘れてはならないのがデザイン魚拓を選んだ本来の理由についてです。
 
冒頭でも述べましたが、デザイン魚拓の良いところは写真のみで魚拓が作製できるということ。
 
私自身の今回のケースでは、デザイン魚拓云々の前にキャッチアンドリリースを成功させることこそが最たる目標であって、それでいて魚拓には残したいから写真は撮るという矛盾した欲求が存在しました。
 
キャッチアンドリリースを成功させる為に必要なことは、水中から1秒たりとも魚体を出さず、速やかにリリースすることであることは明白。
 
それでも記録に残したいから水中から丘へあげて写真を撮るという選択をするのですが、ズリ上げる陸地がなかったことや、このウエイトの魚体とタックルを持って護岸の斜面を登ること自体が躊躇われ、少し途方に暮れてしまいました。
 
そこに友人が駆け付けてくれ、計測場所で予めメジャーを広げたりタックルを持ってもらったりといった準備をフルで手伝ってもらい、こうして写真に残すことが出来ました。
 
改めてこの場で、友人には感謝の気持ちを伝えたいと思います。本当にありがとう!
 
 
高知のアカメ釣りでは魚体を傷付けない為にブルーシートを引き、大量の水でしっかりと濡らし、複数人で計測の手伝いをおこなうと聞きます。素晴らしい行動だなと、改めて感じます。
 
ただでさえ複数枚の写真が重要になってくるデザイン魚拓。
 
「もし夢が叶ったらデザイン魚拓を」と思っている釣り人の方々がいるのなら、釣れた後の蘇生・写真撮り等のイメージは、日頃から常にしておくと良いかと思います。
 
 
私の想像の上をゆく格好良いアート作品として、感動を蘇らせ想いを伝える価値を持って生まれた私のデザイン魚拓。
 
丁寧な梱包に、心の篭った手書きのメッセージまで添えて頂き、一生に一度の魚をパープルヘイズデザインさんに託して良かったと心から思います。
 
この場を借りて、お礼申し上げます。
本当に有難うございました。
 

パープルヘイズデザインさんのHPリンクを貼っておきます。
作成例・金額等気になる方は、ご参考ください。
http://phd.timeconcier.jp/index.html


釣行記:通い続けた先に出逢ったメータースズキ
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平田孝仁
君の魚 -キミノサカナ- http://www.fimosw.com/u/hiratch/ivdetcsiuyvgfe 2020-03-27T00:00:00+09:00 南東寄りの風は雨と共に あの川を染めるんじゃないだろうか

迷う心の決断は 鹿児島の最後にそこを選んだ君に委ねた

改めて振り返らずとも 聞こえてくる川の音色

立ち位置を決めるのは そこに立つ君の姿と読み解く言葉の数々


繰り返されるキャスト 同じラインは続け様に2度踏まない

刻一刻と過ぎゆく時間 終焉に向かうのでなく膨らむ期待


「流れが緩んだ時にバイトが出るんですよ」


これまで幾度と 見てきたはずの流れ

自分の釣りじゃなく 君の釣りを探したら

初めてその流れが 自分にも見えた


静寂を合わせ持って 広がる波紋

導かれるままに 伝わる衝撃

一瞬止まる 呼吸と鼓動

光のノイズが 水面を散らす

水中から空中へ 想いは爆ぜた


多くは語るまい 追ったあの日も

追うこれからも この川を泳ぎ続ける

キミノサカナ


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平田孝仁
春の夜の嵐と稚鮎 http://www.fimosw.com/u/hiratch/ivdetcsrwbrc4x 2020-03-21T00:00:00+09:00 朝起きた時、昼食を取る時、仕事の休憩時間…いや、仕事中にも、何度も何度も風速と雨雲レーダーを確かめる。
 
"稚鮎の便りを聞きたい"とこの河川中流域に通い続け、もうひと月が経過した。

潮回りも良く、思い描く降雨量という条件もクリアするが、気にかかる要因がひとつある。
 
"最大瞬間風速は10メートル超えであろう風の存在"
 
人々が家の窓をピシャリと閉め静かに時を過ごす春の夜の嵐に、横殴りの雨が吹き荒れるフィールドに立ち続ける。

過去の実績からくる推測と、期待にも似た僅かな確信を持って。
外灯が作り出す視界の僅か外でエラ洗いを魅せた鱸は、忘れられない感触のみを残し去っていった。

もう一度やり直せたら…珍しくネガティブな思考がよぎる。
 
またこの鱸を掛けれるのなら、それは今年の春じゃなくてまた来年の春で良い。
 
スロウに刻むメトロノームはフィールドの季節の進行を横目に、春の夜の嵐の三日間を回顧する。
 
 
■ 春の夜の嵐 一日目 ~執念の一匹~

南東よりの風6~7メートル。
車から降りてその風に身を打たせてみると、どう考えてももっと吹いているだろうと思う程のバッドコンディション。
 
それでもフィールドに立つと決めていた。例えファーストキャストで釣りにならないとわかっていたとしても、だ。
そそくさと支度を整え橋の下に入ると、あいにく雨が降り始め次第に強さを増していった。
 
思った以上に風は強く、一投目にチョイスしたスウィングウォブラー85Sは大きくはらんだPEラインの軌道をなぞり、水面を一度も潜ることなく滑走した。
想定外の中の想定内とでも言おうか。何も焦ることはない。

すぐに浮かんだ次の一手を打つために、ルアーを手繰り寄せようとロッドを立てるが、肝心のルアーは手の届かない目線の先から一向にこっちに寄ろうとしない。
「さすがに風が強すぎるだろう…」思わず苦笑いしながら、風に煽られるルアーに勢いをつけて手繰り寄せた。
 
満潮からの下げの流れの向きに対して、今日の南東の風は真逆となる。
水面の浮遊物は上流へと逆流を見せるが、ルアーを沈めてティップを水面ギリギリに持ってくれば僅かだがちゃんと下流へ流れていることがわかる。
 
時折吹く突風で、一度水面についておきながらなお吹きあがるPEライン。
その軌道は、流れに逆らい上流へとルアーを遡上させるほど。
次第に強さを増した雨は、とうとう手に負えない程の雨量をまとってフィールドを叩いた。

外灯に照らされた雨粒はほぼ真横に吹き、橋下から上流側へ数メートル出た立ち位置にも関わらず身体が雨に濡れることはない。
それでも集中力が途切れることがなかったのは、このひと月で去年の鱸の年間釣獲数の約半数を得ることができ、この明暗に鱸が着くピンをイメージ出来ていたからだろう。
 
ただこの状況下でうまくその狙いにアジャスト出来たかと言われれば、それはとても厳しいものだったとしか言いようがない。
 

"明確なバイトはあったように思うがスレ掛かりのようになってしまったセイゴ(ヒットルアー:フィンバックミノー75Sライトモデル)"
 
実釣開始序盤で釣れた一匹のセイゴといくつかのバイトを持って、春の夜の嵐一日目の釣りを終えた。

 

■ 春の夜の嵐 二日目 ~唸るドラグ~

北西の風、6~7メートル。
一日目と打って変わって真逆の風が、二日目のフィールドに吹き荒れた。

昨夜の雨が少し効いたようで濁りが入り、風さえ除けばグッドコンディションに思える。
下げの流れと全く同じ方向に吹く風もあいまって、水面の浮遊物は急ぎ足で下流へと消えてゆく。
良い流れかな?と思いつつも、一投目は冷静に狙いのピンをワザと大きく外した上流側へ。
 
「やっぱりそうか」
 
早く見える流れは風の影響を受けた水面のみ。水中はいつも通りの緩い流れが、どっしりと腰を据えて広がっている。
ここから時合いの終わりまで、呼吸を繰り返すように何度か良い流れが生まれる。
ひと月通い込んだ経験というデータが、その時を待てと自分自身に訴えかける。
 

"この日一匹目のフッコサイズは、安定のクレイジーツイスター80Sトワイライト"
 
流れが強くなるタイミングを見逃さず護岸よりの明暗で出た一匹目に、この強風の中キャッチできたことに少し安堵する。

いつも通りの釣りをしようものなら風ではらんだPEラインが簡単に橋脚に触れてしまうから、それならと手前の明暗を丁寧に攻めていたらバシュっとバイトが出た。
 
寄せてくる段階では感じなかったがランディング直前でフッコクラスであることが分かり、ここのアベレージからするとまぁまぁ良いサイズに嬉しくなる。
ただ、この時点でいつもと少し違うんじゃないかと疑問に思っておけば…
 
トワイライトで釣れたから、今度は稚アユにカラーチェンジ。
ピリピリと引いてきたクレイジーツイスターが明暗の境に差し掛かった時、明確ではありながら重量の小さいバイトが手元に伝わってきた。
 

"カラーによるバイトの差を感じられずにいられなかった稚鮎カラーで、遂に念願のキャッチ"
 
稚鮎カラーでのキャッチは、ひとりガッツポーズをする程の嬉しさがあった。

そして一番美味しいと思っている明暗の境のピン、僅かに流しながら引いてきたクレイジーツイスターにこの日のハイライトとなる明確なバイトが襲った。
 
このフィールドコンディションの中、不用意にラインを出すことはしたくない。ロッドは寝かしたまま立ち位置を上流側へ移す。

ドラグはまだ緩めずリールのハンドルをグリグリと巻くと、思いのほか自分の立つ上流側へと大人しく水中を移動してくる。
大きくはないのか?と思うが、アワセ直後のエラ洗いがないことが気に掛かる。
 
目の前に差し掛かるタイミング、突っ込みでフックアウトを防ぐためにドラグを僅かに緩める。
姿が見える…と思ったその刹那、目の前を通過すると一気に上流側へ走り始めた。

ファイト中に把握したサイズ感とは相反する引きに呆気にとられ、そんな自分のことなどお構いなしに唸るドラグ!
 
"ドラグが響くんじゃない、唸るんだ"
 
ロッドの曲がりとドラグの唸りを、一瞬楽しむ間があった。

だが次に魚が走るのをやめた時、「ブツッ」とフックが外れるような感触が伝わる。
その感触が合図だったかのように、止まったと思ったそいつは間髪入れずに再び走り出す。
 
嫌な感触が残る中、そいつはお構いなしにグングンと力強く走る。
ティップから伸びるラインの角度を見て、もうそろそろ来そう…と感じた次の瞬間、橋の外灯が照らす明かりの輪郭の僅かに外で、ゴボゴボと重量感のある初めてのエラ洗い。
暗闇の中で僅かに白く浮かび上がる飛沫に必死で目を凝らしたつもりだが、残された記憶に魚体は写っていなかった。

最後は「ブツッ!」という大きく確かな感触が手に残り、強風吹き荒れるフィールドに立っていることを思い出す。
回収したクレイジーツイスター80S稚アユのフックは伸びてはいない。
ラインを手で引っ張り出してみると、いつもより少しドラグが強いままだった。
 
 
■ 春の夜の嵐 三日目 ~ついに届いた稚鮎の便り~

北西の風3~4メートル。
実際のフィールドで感じる風はこれよりもさらに弱い印象で、今までの風からすればそよ風に等しいコンディションだった。

初日に降った雨の影響は少なく、潮位による時合いだけに期待するといった状況。
ただこの日最も期待していたのは、魚を釣ることでもなく穏やかになる風でもなかった。
 
"一か月待ち続けた稚鮎の便りが、この嵐を皮切りにやってくるんじゃないか"ということ。
 
この日、あらゆる手を尽くしたが鱸をキャッチすることが出来ずに終わった。
過去を振り返っても仕方がないが、前日のフックアウトの感触がふとした瞬間に思い起こされ、その都度「あれはバラしちゃいけない魚だったんだ」と呪文のように何度も繰り返す自分がいる。
 
ひと月通う中で自然と身についたメトロノームは、リズムを刻む速度を静かに落としていったような気がした。


三日間続いた春の夜の嵐。
鹿児島だけでなく、日本全国を巻き込んだ春の嵐。
 

 
橋下の暗がり、護岸よりの水面に波紋が広がる。
近付いてその暗闇の中必死で目を凝らすが、姿は確認できない。
 
少し迷ったが、他にアングラーはいないしこの後も来るとは思えない。
この場所が潰れるかもしれないが、思い切ってライトを点灯させた。
 
光に驚きキラキラと逃げる魚。サイズは4センチ~5センチ程か。
その泳ぎは目視で正確には捉えることすらさせてもらえない素早さを纏い、小さいながら逞しさも感じる。

ノーフィッシュに終わった最終日、悔しいながらもやりきった三日間を振り返りながらの帰路は充実感に満たされていた。

通い始めて6年経つこの川のこのエリアに、今年もちゃんと"稚鮎の便りは届いた"のだから。
 
 
【タックル&ウェア】
[ロッド]ZENAQ PLAISIR ANSWER PA89 -Technical Surfer-
[リール]SHIMANO 18 STELLA 3000MHG
[メインライン]SUNLINE CAREER HIGH6 0.8号(12lb.class)
[リーダー]SUNLINE STATE CLUTCH SHOCK LEADER NYLON 16lb.
[キャップ]1989Luresフラットキャップ(OTTO)
[バッグ]SHIMANO XEFO・タフウエストバック
[ライフジャケット]DAIWA 膨張式ライフジャケット(腰巻きタイプ)
 
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平田孝仁
繊細さとひよっこ http://www.fimosw.com/u/hiratch/ivdetcs83fpkpo 2020-03-13T00:00:00+09:00 「橋の明暗上流側で釣りをするのって、一年で何回あるかな?」
 
ここ1ヶ月近く通っているフィールドのことを考えていて、ふとそう思った。
 
スズキ釣りの基本とも言えるであろう橋の明暗の釣り。俺はなぜか、その橋の外灯が照らすギリギリの範囲である下流側に立つ癖がある。
 
「上流側はどーなんですか?」
 
2年くらい前に初めて自分のホーム河川に相棒を呼んだ時、そう聞かれた。
 
当時の俺は、なんて答えたっけか?
 
「あんまりやってねーから、わかんねぇ」
 
今なら迷わず、笑いながらこう答える。
 
意識の最深部にあるは、橋か明暗か地形か流れか…それとも掴んでいたり掴みかけていたりする別の何かか。
 
難しいことはよくわかんないから、本能でそれを選択しているってことにしておこう。笑
どれだけ技術が進歩してもコンピュータやAIには植え付けられない、生まれ持った能力ということに。
 
 

■ わかった気で高を括る
もう1ヶ月近く通ってるんだから、このフィールドの良い条件みたいなものもちょっとくらいはわかってきた。
 
時刻は23時。パラつく雨は止んだものの、どんよりと重くのしかかる夜の闇と辺りを包む霧で、橋の明暗はいつもより強調されているように見える。
 
「これはもう釣れるでしょ」
 
ボウズばっかり食らってる俺でも、1年に最低1回は自分の釣りがハマる時がやってくる。
 
今こうして、この日の釣行を思い出しながら文字に起こしていて、「そんな釣り楽しいのかよ?」って自分でも思わなくもないが、たまにはこういう釣りをしたっていいんだと思うことにした。
 
今日やるのは、釣れるってわかってるスズキ釣り。
 
"いつも釣れるルアーを投げ、いつもの角度で流す。答えはすぐに出てくれる"
 
「潮位による時合いは短いが、今日も連発だな」
 
なんてその時の俺は思った。
 
だけど今これを書いている俺は、今なんて思ったよ…?って思う。
 
わかった気で高を括った俺はこの後、2匹目が出せず少々足掻くことになったんだ。
 
 

■ ざっくりじゃなく細かく
簡単にバイトを出せると思っていた俺は、何事もなく返ってくるルアーに段々と不信感を抱き始めた。
 
「今日はこれじゃないのか?レンジか?アクションか?はたまたカラーなのか?」
 
2〜3投程してはコロコロとルアーを替え、立ち位置もルアーに合わせてざっくり変える。
 
明暗の暗い側を嫌ってスッと水面を切るベイトの波紋も見える。濁りも程よくある。
これまでの中で上位に付ける程目の前のシチュエーションは良いと思うのに、肝心のバイトがなかなか出てくれない。
 
ベイトがバチなのか?と思ってアレコレ試すも、結果はまったく出ない。
ルアーローテを何周もして、再び1匹目を釣ったクレイジーツイスター80Sにかえってきた。
 
「もう時間もそんなにないし、コレで出なきゃ今日は終わりか」
 
クレイジーツイスターでやり切ることを決めたら立ち位置を細かくずらし、散々通してきた明暗のスポットに再度打ち込んでゆく。
 
ルアーチェンジの度に"ざっくり"立ち位置をずらしてきた今までと違い、ひとつのルアーを何度も通すから"細かく"立ち位置を刻んでゆく。
 
この"細かく"が1番大事だと、後に俺は気付くことになる。
 
 

■ 明暗の境に対するルアーの進入角度






 
それがわかった後は、時合い終了間際ながらちょっとした連発に突入した。
 
それとは、明暗への進入角度のこと。
具体的には、流れの強さに対しての自分の立ち位置と、あくまでも流されることに重きを置いたルアー操作のことだ。
 
ルアーの頭の向きは、明暗の境を180°として上流側へ向けてなるべく90°近くになるように。
かと言って流れに逆らって巻いて頭の向きを上流に向けてしまっては、明暗の境からはどんどん離れてしまうばかり。
 
"立ち位置を普段よりもっと上流側へ移し、ルアーのお尻からダウン方向へ流すことが出来る流速のタイミングに、狙いの明暗の境のピンへとアジャストさせること"
 
たったこれだけのことで、続いていた無の時間に光が差した。
 
だけどこの操作方法、別に今日初めてしたわけじゃない。
この1か月間で何度も意識してきた流し方だし、実際にそれで魚も掛けてきている。
 
じゃあなんで最初からそうしなかったのか?となるが、まさしくフィールド状況を見て最初に思った安易な気持ちにあると思う。
 
「これはもう釣れるでしょ」
 
明暗にルアーを通しとけば、バイトが出るっしょ。
ルアーチェンジしたら、新たな反応取れるでしょ。
 
簡単にバイトが出せるなんて高を括った俺は、雑な釣りを展開していたんだろう。
 
一年でちょっとしか橋の上流明暗の釣りをしないんだろ?
稚鮎パターンを追ってるけど、そもそもまだ稚鮎をしっかり確認出来ていないだろ?
大体、狙ったとこにルアーがちゃんと落ちねぇだろ?
 
わかった気でいた俺を、俺自身が自らの手で罵倒する。
 
"そんなレベルでスズキ釣りしてんのかよ"ってね。笑
 
純粋に楽しめ。
純粋に知識を身につけろ。
純粋に技術を向上させろ。
 
明暗の釣りの繊細さを、ひよっこの俺は今やっと知った。
 
他人と比べる必要はない。
 
自らの手で自分自身を比較して得るものに、特別な意味があると思うんだ。
 
 
 
【タックル&ウェア】
[ロッド]ZENAQ PLAISIR ANSWER PA89 -Technical Surfer-
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[メインライン]SUNLINE CAREER HIGH6 0.8号(12lb.class)
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[ライフジャケット]DAIWA 膨張式ライフジャケット(腰巻きタイプ)
 
 
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平田孝仁
MATCHBOW100Fの悩める巻きでの一匹 http://www.fimosw.com/u/hiratch/ivdetcs9yco6fn 2020-03-11T00:00:00+09:00 欠けたリップを下敷きで補修したパズデザインのマッチボウ100Fは、果たしてちゃんと修復されているだろうか?ということを確かめつつ、河川バチパターンのスズキを狙う新月周り大潮3日目の夜。
 
マッチボウでちゃんと釣れたことは前回のログで既に明かしていますが、釣れたルアーの操作方法から新たに見つかる課題。
 
"もしかして、バチパターンじゃないかも?"
 
実際に見えないながら目まぐるしく状況を変えているであろうと感じる、早春(釣行日2月末)の釣行記です。
 
 

■ 巻きでの一匹
ファーストキャストの前にマッチボウの修復具合を確認する為に、外灯が照らす水面でスイムチェックをしてみる。
 
バチパターンで多用する、水面に引き波が出る速度でゆっくり巻いてみるけど…わからない。
この手の水面もしくは水面直下のI字系のルアーのアクションなんて、人間の目ではそう易々とアクションの有無は見極められない。笑
 
ファストリトリーブで変な挙動や極端な破綻も見られないから大丈夫だろうと判断し、さっそく実践投入してみる。
 
このところ意識しているのは、"明暗の境に対してのルアーの向きとドリフトしながらの進入角度"。
これ!というモノはまだ見つかってはいないのだけれど。
 
立ち位置は橋の下。10メートル程前方には1個目の太い橋脚がドシンと構えている。
この橋脚の間隔がもっと広ければ、自分のやりたい釣りが出来るのに…もう何度そう思ったかわからない。笑
 
流れの上流側からダウン方向でのバチパターンの釣りに苦手意識があるが、ここ2週間通う中でその釣りも少しずつ慣れてきた気がしている。
まずはバチパターンのセオリー通りアップから流してゆく。
 
ただ橋脚との位置関係で、限られた僅かな範囲しか流せないアップの釣り。
 
ラインスラッグを取るだけの流しでひと通りチェックを終えると、今度は僅かにリトリーブ速度を早めた巻きの釣りを展開する。
 
明暗の境目から完全に暗部に入り、橋脚の手前でUターンしたかな?というあたり。
巻きのアクションを僅かに出し始めたマッチボウの抵抗感が手元に伝わったあたりで、ルアーをトンッと止めるバイトが出た。
 
"下敷きリップ補修のマッチボウ100Fでの一匹"
 
ランディングした直後、静かにガッツポーズを決めた。笑
それ程までに修復した結果が出たことが嬉しかったし、何より大事なひとつのルアーを失わずに済んだことに安堵した。
 
この"極僅かな巻き"での一匹のおかげで、これを書いている今に至るまで非常に悩ましい日々を送る結果が、新たに生まれたのだけれど。
 
 

■ 立ち位置とマッチボウの可変アクション
今までアップに投げ入れてラインを水面に馴染ませ、ルアーの頭は下流方向へ向いた状態で流す時もしくは、自分の正面に差し掛かりルアーが真横を向いてダウンに入る前(泳ぎ出す前)の段階でヒットする時が圧倒的に多かった。
 
けれど今出来る釣りの基本は、手前の橋脚にラインを持っていかれないように橋より上流側に立ち、明暗の境に対して流し込むダウンの釣りになる。
 
マッチボウのアクションだが、デッドスロー域では水面に引き波が立つノーアクション(正確にはI字系で僅かにアクションしているのだろうけど、個人的にわかりやすくノーアクションと言っちゃってる)で、リトリーブ速度を上げるにつれてフラフラとボディを揺らし、早めに巻くとテールもフラフラと左右に振りだす。
 
そこを踏まえバチの釣りにおいて1番有効だと思えるのが、ノーアクションもしくはやや水面かにレンジが入ってボディが揺れる寸前の速度域でのアクションだと思って使っている。
 
そこで重要になってくるのが、川の流速に対する着水点(その後の明暗進入角度を見越した位置)と、流されている最中のリトリーブ速度の加減。
 
ダウンで明暗に流し込むから、ルアーは基本的にリップで水を受けアクションしようとしてしまう。
そこを如何にして"ノーアクションを保った状態で流し込めるか"に、全てを込めた釣りをしているつもりだ。笑
 
マッチボウは、リトリーブ速度によってアクションを変える"可変アクション"を持つ。
まだ数釣行しか使っていないのが、既に個人的には非常に奥深いルアーになると判断していたりする。
 
 

■ 可変アクションの引き出しの多さが生む、悩めるベイトの特定
上記のことを踏まえると、今日釣れた一匹の魚から抱くひとつの疑問を無視出来なくなる。
 
"僅かではあるが確実に巻きで食ってきたよな?"
 
おそらく流れの中でUターンしたマッチボウは、ルアーの頭のを僅かに上流側に向けながら、ボディをフラフラと揺らして流れに逆らっていた辺りだと思う。
 
今までのバチパターンでバチを実際に観察していると、うねうねしながらその場では泳ぎつつも、ある程度の流速があれば逆らうことは出来ずに流されていく。
 
バチパターンを熟知しているアングラーが今の僕の周囲には居ないので判断材料がブログや動画になるのだが、ダウンの流しでヒットする状況は普通にあるようだ。
ただそのほとんどがダウンに入ったら、リトリーブ速度を抑えるかノーリトリーブで流す巻かない釣りだと思う。
 
だから、僅かではあるが流れに逆らって巻いた今回のヒットパターンから、本当にバチパターンなのか?という疑問が生まれたのだ。
 
とは言えこうして簡単にいくつかのパターンの話で済まないのが、バチパターンの釣りということは重々承知しているつもり。
本当に奥深く、数多くの攻略法がある釣りなんだと思う。
 
 
通っているのがまだ開拓中のポイントで、バチが目視できるわけではなくルアーに引っ掛かって来たことからバチパターンが成立すると判断しているが、今回の釣れた魚の中にバチは見受けられなかった。
 
ちなみに前回の魚も、その前の魚もヒットパターンはバチ抜けそのものでありながら、口の中にバチの姿は確認出来ていない。
 
圧倒的に抜けてる数が少ないこともあるだろうが、もしかして別の捕食対象がいるのかもしれない。
そう思ってその他さまざまな特性の違うルアーをキャストするが、反応は得られ無い。
 
ちょうどその時、とあるお方から少しヒントを頂けた。
 
"マッチボウのみで釣り分けていましたよ"
 
可変アクションが持つ引き出しの多さが逆にベイトの特定に困る悩ましい世界へと誘い、僕の心はどうやらすっかりマッチボウに掴まれてしまったようだ。笑
 
 
 
【タックル&ウェア】
[ロッド]ZENAQ PLAISIR ANSWER PA89 -Technical Surfer-
[リール]SHIMANO 18 STELLA 3000MHG
[メインライン]SUNLINE CAREER HIGH6 0.8号(12lb.class)
[リーダー]SUNLINE STATE CLUTCH SHOCK LEADER NYLON 16lb.
[キャップ]1989Luresフラットキャップ(OTTO)
[バッグ]SHIMANO XEFO・タフ ウエストバッグ M
[ライフジャケット]DAIWA 膨張式ライフジャケット(腰巻きタイプ)
 
 
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平田孝仁
下敷きを使ったルアーのお手軽リップ補修方法 http://www.fimosw.com/u/hiratch/ivdetcsmk68fhd 2020-03-06T00:00:00+09:00 ここ最近、新たな主力としてルアーローテーションに頭角を現し始めたパズデザインのマッチボウ100F。

欲張ってもうちょっと、もうちょっと…と橋下の暗い方へ流し込んでいたら、橋脚に当たってリップが欠けてしましました。
(新ポイントで流速の目測を完全に把握出来ていませんでした…)


"リップの右下が欠けたマッチボウ100F。壊れてるのに気付いた時は、ちゃんと操作しきれなかった自分を悔やみ悲しくて震えた"
 
マッチボウ100Fの手持ちはあともうひとつのライムチャートバチカラーしかなく、これじゃカラーローテーションが出来ない…
おまけに翌日の夜にはまたバチ抜け調査で使いたいが、僕の知る限り鹿児島の釣具店には一本たりともマッチボウ100Fは陳列されていない(笑)

ネットで注文してもいつになるかわかんないし、まだ使い始めて数日のルアーが使えなくなってしまうのは本当に残念…って思いましたが、普通に考えて壊れてしまったのなら直せばいいじゃないかと。
 
"上手くいくかいかないか迷って最初からやらないくらいなら、ダメ元でいいからやってみよう"っていう緩い感じでトライしてみた、下敷きを使ったお手軽リップ補修方法を紹介します。
 
 
■ 綺麗ではなく、お手軽であること
翌日の午前中は家族優先の用事があり、作業に取り掛かったのは午後から。
夕方にはフィールドに向けて出発しようと考えていたので、この時点であと数時間しか時間は残されていません。

とりあえず補修方法に対して全く策がなかったので、グーグル先生に聞いてみることに。
「ルアー リップ 補修」…と検索し出てくるのは、おゆまるやエポキシ、プラリペアを使って綺麗に補修されているルアー達。

リップ補修の工程は、リップの型を取るところから始まるんだなぁ~とわかったところで…そんなメンドクサイことやってられるか今は時間がない(笑)

もっと簡単な方法ないのかよ~とネットで探るも、みんなしっかりと補修してるから仕上がりは綺麗だけどとにかく時間掛かる。
あと数時間したら出発しなければならないのだから、近くの100均に行っておゆまるとか買ってくる時間すら消費したくない。
 
ネットで調べるのやめて、リップが欠けたマッチボウ100Fを見つめること30秒…
お!と閃き、机の引き出しを開けて取り出したのは、透明の下敷き。
 
綺麗にリップ補修するんじゃなくて、応急処置レベルだけれどお手軽に出来るリップ補修の開始です。
※先に断っておきますが、リップが完全に折れてしまった場合は今回紹介する方法では無理だと思います。
 

"どこのご家庭にもひとつはある下敷き~っと言いたいところだけれど、普通切ってもいい下敷きはないですよね(笑)僕は、ハンドメイドルアーとかも作るので机の引き出しにしまってました"
 
 
■ 切って貼るだけ♪作業工程はたったの10分(※接着剤硬化時間を除く)
自分で書いておきながらザ・ブロガーみたいなリズミカルな小見出しに突っ込みたくなるが、小学時代に経験した図工よりも作業自体は簡単に出来ましたので、さっそく順番に写真と共に説明します。
 
①まずは型取り(型取りなんかメンドクサイって言っておきながら。笑)

無傷なマッチボウ100Fのリップに下敷きを当てて、上からマッキーペンで輪郭をなぞります。
 
②ハサミで輪郭をカット

もはや説明不要。

下敷きに付いたマッキーは、どこの家庭にもひとつはあるタミヤのアクリルシンナーで取れます。

 
③仮置きしてサイズ感チェック



厳密に言えば下敷きの厚み分前方に出るので元通りとはいかないんでしょうが、ここの微調整に手を出すとお手軽じゃなくなるので今回はスルーします。
 
④一番くっ付くと思う接着剤で装着


"僕自身、ハンドメイドルアーのリップ装着にも使っているコニシのボンド・ウルトラ多用途SUプレミアム[ハード]を使用"

ただひとつだけ懸念する点がありまして…

裏の接着早見表を見ると、ポリエチレン(PE)とポリプロピレン(PP)は接着NGと書いてます。
下敷きは軟質塩化ビニルだと思っていたので問題ないと思っていたのですが、念のためググってみると下敷きにも色んな材質の種類があるようですね。

接着するかしないか、ここは各々が用意した接着剤に合わせて確認する必要があるかと思います。
※ちなみに注意書きで「プラスチックの接着には、ウルトラ多用途SUプレミアム[ソフト]をご使用ください」って書いてるので、接着剤の硬化後がハードなのかソフトなのかがキーみたいですね。ハードだと、力が加わったときにパキッと剥がれてしまうんじゃないかと想像します。
 

"残っているリップの表面に接着剤つけて上から切り出した下敷きを乗っける。接着剤が広がる様は、まるで入れ歯安定剤ポリグリップのようだ"
 

"裏側の割れたスペースに、蛇足的な接着剤をなんとなく盛ってみる"
 
この工程、掛かった時間は10分もないくらいでした!
(本当は写真撮りながらだから、トータルでは10分オーバーですが。笑)
 
 
■ 純正リップと下敷きリップの比較

"正面から 右:ノーマル 左:下敷き"
 

"裏から 右:ノーマル 左:下敷き"
 
自分で言うのもなんですが、まぁダサいですね。
ただ、僕は"まだ"なので視覚ですぐわかりますが、おそらく"その"方々は触らないと見分けられないんじゃないかと…(笑)
 
今回お手軽というテーマでこういった補修をしましたが、本当はアクションなど多少の影響はあると思うんです。
ウエイトが軽いルアーであればある程、またマッチボウ100Fのような水面直下で繊細な釣りをするルアーであればある程、こういう僅かなズレがアクション等の違和感に繋がるんじゃないかって。
 
きっとたくさんのトライ&エラーを繰り返し、極僅かな微調整を経て、人間の目視だけではわからないレベルのことはフィールドでの実釣テストを繰り返した末に、コレだ!って言える仕上がりで世に送り出したことと思います。
 
だから本当は、壊したくなかったです。
端くれながら僕もルアー作ったりするので、大切に大切に使い込みたいって強く思ったりします。
 
ただどうしても、釣りは道具を消耗する遊びですよね。
どれだけ大切にしていても、道具である以上それは消耗(消費)されてゆく。
であれば、壊れて使えない…っていうような事になってしまった時、やれるだけ直してみる!もしくは、別の何かに利用してみる!っていう楽しみもあるのかなぁと思ったりしています。
 
ごめんよ、マッチボウ100F。
これからは下敷きを纏った仕様でよろしく頼む。
 
 
 
■ 補修成功か失敗か…答えは魚に聞け!
ということで、最後は若干"sippori"なってしまったんですが、接着剤の完全硬化を待たずしてその夜フィールドに持ち込みました。

ちゃんと泳ぐのか確認したいけれど、夜で暗いから見えないしライトなんか点けたら魚散っちゃうだろうし。
 
「ええい!スイムチェックなんか要らん!答えは魚に聞けばいいっ!!」
 
ってことでトップバッター飾ってピュッて投げたら…
 

"ややアップに投げてUターンした辺りでトンっとヒット!"
 
しっかり釣れてくれました。
補修方法だけ紹介しといて、魚釣れなかったら格好付かないからこれで一安心(笑)

この魚の釣行記は、別にまた書こうと思います。
 
壊れちゃった…と、BOXの奥深くに眠ってしまっているあなたのそのルアー、もちろん程度にもよるでしょうが、お手軽に蘇ってまた魚を釣れてきてくれる可能性があるかもしれませんね♪


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平田孝仁
マッチボウ100Fと早春の川バチ http://www.fimosw.com/u/hiratch/ivdetcsfebtk8n 2020-03-04T00:00:00+09:00 食わない水面ボイルに対し、最終的にメガバスのカッター90で魚から反応を得た前回釣行。
けれど、釣れたセイゴの口の中にバチは見えない。
 
僕自身はバチパターンで使うことが多いけれど、もちろんバチだけではなくベイトパターンにも適応するルアーであることは承知している。
だからこそ、大いに悩む。
 
"本当にバチパターンなのか?"
 
その確信を得るひとつの証拠は、新たな威力を発揮する新入りルアーのおかげで、手にすることが出来たのだった。
 

■ 最後の最後に投げた新入りルアー

"2月初めに入手した、去年7月のかめや谷山店のシーバスフェスタで情報を得て以来、ずっと気になっていたマッチボウ100F"
 
満潮からの下げの流れが効き始めると、昨日と同じく水面に波紋が広がり始めた。
ゲーム展開としては、言わずもがなバチパターンを意識したルアーから入る。
 
カッター90、ラザミン90、カーム80…その他にもいくつかのルアーを投入するも、カッター90で一度ヒットしたもののバラして以降は全くバイトが取れない状況が続く。
 
満潮から2時間もすれば、少し潜るルアーであれば底を叩いてしまうほど水はなくなってしまうポイント。
だから早めに答えを出したかったのに、気付けばカッター90をノーリトリーブで流そうものなら、底を転がるゴツゴツとした感触がラインから伝わってくる水位になってしまっていた。
 
もうシンキングのルアーは投げれないな…必然的に、根掛かりのリスクが減るフローティングルアーを選択する。
けれど、何度も投入したラザミン90ではバイトが取れない。
ベイトパターンで絶大な信頼を委ねているルアーだけに心苦しいが、今はやはり違うのだろう。
 
そこでチョイスしたルアーは、2月に新入りを果たしたルアー"マッチボウ100F"だった。
カラーはライムチャートバチを選択。

立ち位置的にダウン方向にしか流せないが、ダウンクロスにキャストしたらラインスラッグを取り、ノーリトリーブで"泳がせずにただ流す"ことだけを意識して明暗の暗い側に送り込んでいくと…

「バシャ!」
 
暗がりで見えないが、橋の下から明らかな水飛沫の音と僅かな感触が手元に伝わってきたが、確かな手応えまでは得るに至らない。
 
それよりまず思うのが、"いやいや、もう散々他のルアーで攻めた後だぞ?"ということ。
もう一度、同じラインを同じようなノーリトリーブで送り込んでみる。
 
暗い側に少し入って、出るならココ…そう思った次の瞬間、一投前と同じ音とともに今度は確かな感触がロッドティップを捉えた。
 
「バシャバシャバシャ!」
 
けれど、何度目かのエラ洗いと共に残念ながらフックアウト。
だがフックアウトを悔しがるより先に、思うことはただひとつ。
 
"なんだこのルアーは?"だった。
 
■ MATCHBOW100F/Pazdesignでのファーストフィッシュ
流石に盛大にバラした後だからバイトは出ないだろうと思いきや、しっかり着水点を変えトレースコースを刻んでいくとコンスタントにバイトが出る。
水面に出るボイルがなくなった時間帯だっただけに、バシャ!と水面に小さな飛沫があがる度にこっちも「うわっ!」とか、「えぇ~!」とか声も出る。

そしてこれがまた驚くほどにフックアップしない!笑
なんで?パズのルアーには信頼のがまかつフックが標準装備されていることが多いのに、このマッチボウ100Fだけはがまじゃないから?なんて思ったりしたけれど、そうこうしてたらライムチャートバチではバイトが出なくなってしまった。
 
ここであと一つだけ持っている別のカラー、マットピンクにチェンジ。
すると面白いことに、今まで散々通したコースで見事に一発目からバイトが出る。
そして、今度は一発で乗った!
 
水面に割って出る引きで可愛いサイズであることはすぐにわかったが、そんなことより今度こそバラさずにキャッチまで持ち込みたい。
緊張のネットランディングを成功させると、小さなガッツポーズが自然とこぼれた。
 

"これで取りたい!って思っていたルアーでキャッチした嬉しい一匹。ルアーは文中にもある通り、パズデザイン・マッチボウ100Fマットピンク"
 
去年実績をあげたバチパターン用ルアー達がことごとく無反応に終わる中、最後の最後で投げたルアーがコンスタントにバイトを出すこの結果に驚く。
にわかには信じがたいハマり具合だ。
 
その理由みたいなものはまだ使い始めたばかりだから、何一つ確信めいたことも特筆すべき点も挙げられないのだが、そのバイトの出方はまさに快感以外の何物でもなかったと言える。
 
もっと早くの段階で使っておけば…なんて反省点もありつつ、さぁこれから!と思った時にはもう、釣りが成り立たない水深を迎えてしまっていた。
 
■ 2020年バチ抜けは、河川中流域の早春の川バチで開幕!
前回釣行に抱いた最後の疑問を確かめる意味もあった今回の釣行。
テーマは冒頭に述べた通り、"本当にバチパターンなのか?"だったのだが…
 

"納竿間際、マッチボウ100Fのスナップにくっ付いてきたのは、紛れもなくバチだった!"
 
ルアーチェンジをしようとスナップを触った瞬間、"ヌルっ"ときたので一瞬身体が凍り付く。笑
でも次の瞬間には、ひとつの答えにたどり着いたことに一言では言い表せない満足感に満たされる。
 
実はこの場所は、去年初めて自分の足でバチを確認していたポイントだった。
今までバチ抜けで実績を上げていたのは相棒から教えてもらった海だったので、河川中流域にあたるこの新しいポイントでバチ抜けシーバスをキャッチした意味は大きい。
 
川バチって呼んでも良いだろうか?
まだ去年の海の実績ポイントではしっかりとしたバチ抜けは始まっていないから、早春の川バチと呼んで良いだろうか?
 
それで良いとするならば、"2020年バチ抜けは、河川中流域の早春の川バチで開幕!"とさせてもらおうと思う。
 


帰りがけ、地元神奈川県に住居を移すことを決意し、車での帰郷旅の最中である相棒にラインを入れる。
 
「やりましたねぇ。これぞ鱸釣りですぞ!」
 
相棒からたくさん見せてもらった鱸釣りの最たる魅力であるこの開拓心を、腐らず大事にしていきたいと改めて思ったのだった。
 
 
【タックル&ウェア】
[ロッド]ZENAQ PLAISIR ANSWER PA89 -Technical Surfer-
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[メインライン]SUNLINE CAREER HIGH6 0.8号(12lb.class)
[リーダー]SUNLINE STATE CLUTCH SHOCK LEADER NYLON 16lb.
[キャップ]1989Luresフラットキャップ(OTTO)
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