『湾奥』の鱸 (2014.9月)

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黒色と言うよりは深く濃い『紺色』の静寂が支配する。


背には紺地。

眼前には紺海。

その狭間で見上げる空はより一層遠い紺色に吸い込まれていて、

星の光りさえも呑みこんでしまう。


だけど、

本当に光源の無い『自然界の暗闇』はここにはない。

どこか遥か彼方の光りを織り混ぜた世界。



『闇を恐れた動物が夜の闇を黒色から紺色に変えたんだ』



そんな『紺闇』の世界に、

鈴の羽音が涼しげに彩る今宵のナイトゲーム。






2014.9月 序盤~

3度目の秋が開幕した。


正確には5度目の秋シーズンを迎えたのだけれど、

しっかり体感出来るようになったのは3度目。

その前は『秋』を感じて釣りは出来て無かったし、

もう10年もしたらもっと違う『秋』を感じ取っているのだろうけど、

今は『湾奥』の開幕が秋の訪れを一番早く感じさせてくれる。

(経験の無さは経験を積むしかない)



湾奥・港湾にしっかり魚が確認出来始めたのは8月の終盤。

ちょうどサヨリ付きも終盤だった頃。

知る範囲ここ3年にしては一番早い魚の入りである。

『魚の入り』とはいっても、

魚が居なかった訳では無くて、

この場合は『目視で確認出来るようになった』ということ。

イナッコなんかは5月頃からずっと居るし、

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バチの6~7月もシーバスは居る。

けれど、

教科書通りに『明暗で確認出来る』ようになるのは春でも夏でも冬でも無くて、この時期だけ。




狙いは『満潮周り』。

特に9月の大潮・満潮周りはタイドグラフ通りに1年で一番大きく上げる。

いつも水が無かったところがシャローといわれる浅瀬になったり、

撃てなかった『頭出しストラクチャー』の上を直下ギリギリで通せたり。

そんな『特異』に流れがあたったりするところ。


走りの初日はそんなところから『ごっつ89・ルーティーン』に1本。

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21:40 今秋・湾奥第1号はエラ洗いを抑え込むことが出来ず、50UP


3本獲りにいくなら『エラ洗い』を完全に抑え込むテクニックの訓練が必要だと常に考えている。



『エラ洗いで荒らす』。



特に群れを成すスズキに対して『明暗・ピン撃ち・超接近戦』でやる場合、まず間違いなく荒れると確信している。

そうでなくとも明暗の光と別に、普段上から水中を確認するヘッドライトの光を散々浴びている。

ボスン・ボスンとルアーが降ってくる。

ラインの波紋や直下ギリギリの不自然な引き波。

必要以上に撒き散らすルアーの波動。

そんな状況下の魚達は『ハイシーズン』とはいえ『高い緊張状態』にあると考えるべきである。


抑えられるプレッシャーは抑える。

そのエラ洗いを抑えるなら『ロッドとラインの緩急』。

あと、

上からドボーンってする人も居るけど、

『ネットインとリリース』も細心に気を使うとだいぶ違う。



同じような満潮周りも。

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02:10 アーダはギア1・U字の後半に粘り強い、70UP


流れの上げ下げも強さも不定期で、

けれどそこ一番の流れが効いた時は喰い気も上がる。

大雑把に言えばルアーを選べば『誰でも釣れる』タイミング。

本当は『誰でも釣らせられる』が一番難しいテーマでもあって、今後一番厄介なテーマとなるんだけれども、

例えるならそんな感じ。

『ハイシーズン』と言わしめるタイミングが存在する。


問題はそうじゃないときにもステイしている奴ら。

明暗上かシャローとかで『たゆたう』だけのスズキ。

『喰う』『喰わない』とかじゃなく、

こいつらは何なのか?すら判っていない奴ら。

これを今シーズンは喰わせにいきたいとも考える。

(今は干潮→上げ序盤のステイ獲り戦は3戦全敗)




同じような満潮周りの流れがほとんど効いてないタイミング。

スーサンで明暗直上をギア3、

『ステイの個体』と思われるこれまでのパターンと違う奴を3本。

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23:14 1本目は写真撮らしてくれず痛恨の失策、50UP・60UP


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23:36 スーサンにしては早巻きのギア3に3HIT、40UP


流れの時合いとかではなく、

『下げ潮が始まった』という感が正しいかもしれないタイミング。

どちらにしろ再現性は無い。



結局のところ、

やっぱり喰わせやすいのは『流れが効いた瞬間』。

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00:01 流れが効きだしたギア2・U字真中のマリブにガブリ・60UP


けれども続かず。

流れも続かず。





魚はあちっちにもこっちにもこんなにもたくさん居るのに、

『何にも判ってはいない』。

悔しいけれどもそう思わざるを得ない、

3年目の湾奥・紺闇に包まれた秋のナイトゲーム。


いよいよ10月に突入。








 

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