【つり具のブンブン【公式fimo版】】ここら辺、出るらしいですよ・・・

これは数日前のお話です・・

夜中にね〜、ふと川が見たいななんて思いましてね、多摩川に行ったんですよ

川がキラキラ光ってて綺麗だなーなんて思っておりましたらね、川の中に人影が見えるんですよ・・

（こんな時間に人なんかいるはずないしな〜、嫌だな〜、気持ち悪いな〜）なんて思ってたんですよ。

そしたらね、その人影が

ピタ、ピタ、ピタ、ピタ、

こっちに来るんですよね〜

（うわー、やばいな、怖いなー・・・）

わたしは下向いて気付かないふりしてたんですよ。

そしたら

「…ばんは・・」

（？）

「んばんは・・」

（やっぱりっっ！・・・・・・・）

「・・・・・・」

「こんばんは・・」

話しかけてきたんですよ。

体が震えるのを必死に抑えながこう返したんですよ

「こんばんは・・」

そう言って顔を上げるとビチョビチョに濡れた大柄の男が目の前に立ってるんですよ・・・

仮にその男をＡと呼びましょうかね・・

そのＡがこう言ってきたんですよ・・

「釣れましたか？」

私は咄嗟にこう答えたんですよ・・

「シャローランナー使ってるんですけど全然ダメですね・・・」
　

そしたらそのＡが手に持っている針の様なものが付いている茶色い塊を見せてこう言ってきたんですよ。

「多摩川はラビット109が良いですよ・・」

「死にかけの魚が流されているイメージでこれを流して下さい」

「初めたばかりの方などはシンペンを使った時に流れが強いと水面を滑っている事に気づけていないこともあるのですがラビットは巻き抵抗があるので流れにも強く太い流れの中もしっかりと巻いて来れます。」

「ボラコノシロはもちろん、ハクでもバチでも効きます。」

「109ミリという大きさから意外かもしれませんがアミパターンで特に有効です。」

「シャローレンジを引いてくるルアーですがこの前釣った魚は25センチ以上ありそうなハゼを吐きました。
下に向かっていくシャローランナーと違いラビット109は下に潜らずにかなり浅いレンジを水平に泳いでくるので回収時などに早巻きしても根掛かりしにくいです。
これでしか釣れない魚はいないとは言い切りたくないですがラビット109だからこの場所でも魚を出せるという状況は間違いなく存在すると思います。ペラペラノッぺーラ」

「ラビットを遠投するコツはリリース直前に力を抜いて竿を振る事です。」

気がつくと私の手には釣り竿が握ってあって糸の先にＡがラビット109を結んでるんですよ！！！

（勘弁してくれー！！）

　

そう思いながらそのラビット109を川に向かって思いっきり投げたんですよ！！

ラビット109が沖のブレイクを超えた辺りに「ぽちゃん・・・」と着水したので

ク・・・ル・・・・・ク・・・ル・・・・・ク・・・ル・・・・・ク・・・ル・・・・・

2秒に一回転くらいのスピードでハンドルを必死に回したんですよ！！！

巻いてるはずなのに手には何の感触もないっっ！

（これで良いのかなー、なんだかやだなー）

そう思っていたら急に竿が・・・

ぐいいいいぃぃぃーーーー！！！

（何かに引っ張られているっっ⁉︎）

私は水に引き込まれないように必死でリールを

「グールグル、グールグル、」巻いたんですよ！！

そしたら私を引き込もうとするそいつも必死に引っ張るんですよ！！

ぎゃあああああああーー！！！

気がついた時には岸にシーバスが

びったん！　　びったん！

跳ねているんですよね・・

「助かった・・・」

そう思ったらＡが言ったんですよ・・・

「だから早く使えば良かったのに・・・・・・・」