DRESS DREPAN-EVO 第参話

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~DREPAN-EVOの進化と深化 その①~

 
 
2013年の夏の終わり、
メインでテストをした市川さん、八木さん、僕の3人に
手渡されたファーストプロトは
まだまだ従来のドレパンの面影が
色濃く残っているものだった。
 
各々ファーストプロトを使った上で
新しいドレパンが目指すものを集まって話し合った。
 
その中で共通していたのは
今市場に溢れているメタルバイブと
同じようなものならば作る意味はない、
今までのメタルバイブの弱点を改良した上で
新しく作るドレパンでしか出来ないこと、
全く新しい概念のメタルバイブを作りたいという思いだった。
 
そこで出てきたのが夏の大和川で体感した
メタルバイブの遠投性を生かした
高速巻きによるスピーディーな釣り、
「シャローを攻めるためのメタルバイブ」
だった。
 
シャローの魚は補食に入ってきているので
活性が高いと言われているが、
外敵に襲われるリスクを犯して補食にきているので
活性は高いが意外と警戒心も強い。
特に大和川や湾奥など穏やかなところほど
その傾向にあると思う。

そのためウェーディングのでも丘っぱりでも
自分のキャストで届く限界まで距離をとり
不必要にプレッシャーをかけないようにできるだけ
ロングキャストで攻めたい。

同じ重さ、同じ長さであるならば
比重の高いメタルバイブの方が確実に飛距離出る。

ディープをスローに探る今までのメタルバイブと
全く正反対のシャローをスピーディーに攻める為には
可能な限り引き抵抗を無くす必要があった。

近年一般的になってきたハイギアリールでも
ストレスを感じずに使えることも必須。
またメタルバイブやバイブレーションは
魚を呼ぶ力は強いもののその強さゆえに
魚をスレさせてしまうのが早い と感じていたので、
高速巻きをしても動きすぎることなく
ドレパンミニで達成した微波動の動きとし 
魚にプレッシャーを与えないこと。
 
そして1オンス程度もある一般的なメタルバイブを
操作するような特殊なロッドではなく
港湾部でよく使われているミディアムライトクラスの
ロッドでも振り切ることができる重さにし、
普通のルアーでは届かないストラクチャーや沖のボイルを
タックルを替えることなく攻めることが出来ること。
 
掛けた魚を確実に捕るために
最低5番以上のフックが装備できることも求めた。
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新しいドレパンに求めたハードルは
想像以上に高かったが目指すものが決まり、
最も威力を発揮する季節にみっちりとテストが出来るように
ウエイトや形状、動きの違うも のを何種類も作って
秋~春の間、色々な場所への釣行の際に
キャストを繰り返して修正し、
テストするプロトを絞っていった。
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その過程では新しいドレパンを今までにない
メタルバイブとするために自然からヒントを得ることも多かった。 
自然界にいる魚はゆっくりと泳いでいるときは
体全体を大きく動かしているが、
流れにのって下るときは流れと惰性を最大限利用し
ほとんどヒレを動かさない。
 
危険から逃れるときは尾びれだけを小さく早く動かし

その他のひれは畳んで抵抗を最小限にしている。
自然界の生物は常にそのとき必要な最小限の動きをしている。
その時にベイトが出しているのが微波動と言われているもの。 
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違和感を与え口を使わせるの が強波動の釣り、
ベイトとなる魚に近い動きで食性を刺激し
口を使わせるのが微波動の釣りと
言い換えても良いかもしれない。
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ルアーのようにずっと激しく動き
周りに存在をアピールしている魚はいないし、
存在感を出すことは生き残る上ではマイナスになる。
 
だから生物は補食する側、される側双方とも保護色等で
自分の存在をできるだけ消そうとしている。
魚も同じで生息している環境によって
同じ魚でも体色が違っていたりする。
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ルアーを動かす釣りも釣れるが
ルアーを動かさなくても釣れる。
ブラックバスの釣りではワームを底で動かさないで
放置する釣り方があるがそれでも魚は釣れる。 
動かなければ、動かさなければいけないという

既成概念を捨てること。
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シーバスではドリフトというテクニックがあり、
本当のドリフトはルアーを流れに乗せて流し
出たラインスラッグだけをとって同調させる。
こちらから動かそうとしなくても
ルアーは流されたラインに引かれたり
水流の影響を受けて自然に揺らぎ動いている。
 
またシンキングペンシルのスローリトリーブの釣りも
波のピッチは大きいが出す波動は小さい。
ゆっくりと泳ぐ無防備なベイトに近い波動に
なっているのだと想像できる。 
 
ただ完全に存在感を消してしまうと
スレはしないが魚を呼ぶ力もなくなってしまう。
強すぎない、スレない程度の
小さいけれどしっかりとした動き、
そのバランスを追求していった。
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ただ一つ勘違いしないで欲しいのは
強波動の釣り、微波動の釣りは正反対で
どちらも必要な釣り方であり、
どちらか一方だけでよいというものではない。
 
場合によっては強波動の釣りがよいときもある。
ただ今回のドレパンに関しては
シャローを早く攻めた上で
魚に必要以上のプレッシャーをかけない為に
微波動であることを選択したに過ぎない。
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