プロフィール

TOMMY

和歌山県

プロフィール詳細

カレンダー

<< 2025/5 >>

1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 31

検索

:

アクセスカウンター

  • 今日のアクセス:5
  • 昨日のアクセス:687
  • 総アクセス数:343109

QRコード

リンク先

邪道
楽宿おおはし
週刊つりニュース
手作りマリンアート
本州最南端潮岬タワー
横道坊主official site
Genie TATTOO
東北ライジングサンプロジェクト

夏南記 ~一日目~

  • ジャンル:日記/一般


毎年この時期になると書いている気がするけど、“夏”と言うのは本当に忙しい。

陽は長いだろう筈なのに、あっと言う間に一日が終わると共に、とにかく毎日がめまぐるしく過ぎて行く。


そんな今年の夏にも、fimo“サマフェス”の日がやって来た。


「今年のサマフェスは南紀で竿を振ろう」

そう思い立ったのが一ヶ月程前の事。


早速南紀の兄貴こと、“大橋の兄貴”に連絡を入れ、家族で出掛けると約束した。

実は本当の目的は他にもあるのだけれど、その話はまた別の機会に。


そして迎えた8月17日、旅行当日。


サマフェス開催時刻の19時には南紀入りしていたいと考えていたTOMMYは、名古屋を14時に出発。

盆のUターンラッシュももちろん計算済み。
途中、ダラダラと道草を食っても、十分間に合う行程だ。

奇しくもサマフェス開催日と重なってしまったが(笑)、今回の目的はあくまで家族旅行。

これまで幾度となく足を運んだ南紀も、ヒラスズキの確率の低い夏に向かうのはTOMMYも初めての事。

海水浴をメインに、子供達に取って楽しいイベントを用意した。


そして何と言っても釣り、釣り、釣り。
何が釣れるかわからない夏の南紀。

噂ではキハダにカンパチ、シイラにハマチと、ヒラスズキが釣れなくとも、まったくもって的を絞りきれない対象魚達。

タイミング良くこの日の午前中には、ニューロッド「AIMS Black Arrow 126MH Rock Face Ultimate」もようやく手元に届いた。


よって、ハッチにはマグロタックルから、青物タックル、シーバス、そしてサビキ釣りの用意まで、これでもかと言う程に積んでやった。


更には、モリ、サーフボードまで・・・。

どんな状況になっても後悔のない、十分楽しめるだけの、今持てる全ての“TOMMYタックル”がしかとハッチに収まったのである。



いつも忘れるんだよ・・・。

決まってこんな時程、いくつかのタックルは使われずに帰って来るのがオチなのだって事。




ガタガタと揺れる頭上のタックル達を載せ、軽快に車を飛ばす。

嫁も子供も、そしてTOMMYも、家族皆がウキウキしたいい顔をしていた。

あの文字を目にするまでは・・・。



名古屋を出発してからおよそ二時間半。
尾鷲市に入った所で、高速道路上の電光掲示板に書かれた文字が目に入った。


『R42 尾鷲市より先、熊野花火大会開催の為渋滞20km』


と書かれていた。


TOMMYの顔から途端に笑顔が消えた。


(マジ!?熊野の花火大会が今日だと!?)

慌てて携帯で調べるTOMMY!


「どうしたのパパ?」

「ん~?花火大会で渋滞してるんだってさ。和歌山に着くのがちょっと遅くなっちゃうね。」


「花火!?見た~い!」

キャッキャッと喜ぶ嫁と子供達をよそに、TOMMYは作り笑いを浮かべるのがやっとだった。


(花火会場まで辿り着ければな・・・。)


目の前には長く険しい“矢の川峠”が待ち構えていた。



峠の中腹でハザードランプを点した前車に続き、TOMMY達の車も止まった。

PM5:30。

どこまでも続く、テールランプ・・・。
歩いた方が速いと思わせる速度で走ったり、止まったり。

最初の内は様々なセミの声を聞いたり、近くを流れる川を眺めたり、それはそれで楽しめたのだが、一時間もすると子供達から不満が出だした。


やがて陽は暮れ、外灯の灯りとテールランプ、時より諦めてUターンしていく車のヘッドライトだけが、暗い峠を照らしていた。



渋滞にハマってから三時間。

少しでも気を紛らわそうと、焼け石に水の様な抜け道を行く。

カブトムシのいそうな木を探したり、星を眺めたりしながら数キロは進んだ。



やがて山間の木々の隙間から、時より顔を出す花火が見られる所まで到達した。

花が開いてから、かなり遅れて音が響く・・・。
それでも、花火が見えるのが何よりもの救いだった。

子供達も嬉しそうに眺めていた。

unywkwgeursxkhh5fj6m_480_480-54755e7c.jpg


音が止んでから30分。
何とか花火大会が終わるまでには熊野を抜け出したいと思っていたが、望みは脆くも散った。

どうやら先の会場では車の往来を通行止めにしているらしい。

花火大会が終わるや否や、サイレンやクラクションが至る所で鳴り響き出した。


隣で空腹と不安に泣き出す子供達。
これ以上は限界だ。


TOMMYは意を決し、走って数キロ先の市街まで行く事にした。



山を降った、花火が終わったばかりの会場付近は、まるで地獄絵図の様だった。

とてつもないゴミが散乱し、至る所で怒声や子供の泣き声、サイレンが鳴り響いていた。

和歌山に続く海岸線に伸びる国道は、ナウシカに出てくるオームの様に赤く、おぞましい程のテールランプがどこまでも果てしなく続いていた。

トイレを待つ長蛇の列。
辺りは不粋な輩の異臭が、エンジンの熱気と排気ガスとで混ざっており、思わず口を手で覆った。


やっとの思いで辿り着いたコンビニも殺伐。
皆、我先にと食い物や飲み物をさらって行く始末。
浴衣を着た若者達がそこかしこでたむろし、車のクラクションに唾を吐き散らす者までいた。


泣いている子供達の事を思うと、どうにかなりそうだった。


弁当と飲み物を買い込み、汗だくになって来た道を走る。


車に戻ると、息子達は疲れて眠ってしまっていた。


(ごめんな・・・。)



全国にも名高い熊野の花火大会。

山の頂きから時より覗く花火は、遠くから見てもそらぁ綺麗でしたよ。


でもよ・・・

せっかくの花火も台無しだぜ。


山の中で数時間も過ごした連中が一体何人いたと思ってんだ?

この先が通行止めになってる事や、数時間抜けれない事を主催者なり警察が対向車線を走って謳うだけでもよかった筈だ。

後から聞いた話じゃ、20万人もの人間が集まっていたそうだ。


もう少し考えてくれよ、くそったれ。



結局南紀に入ったのは、夜中の二時過ぎ。
名古屋を出てから12時間。


あわよくば狙ってやろうと思っていた熊野川と古座川のシーバスは、ブレーキを踏む事なく通過した。


無事に南紀に辿り着いた事も知らず、隣で寝息を立てる子供達・・・


「今日はとことん遊んで、美味いものをたくさん食べような!
そして来年の熊野花火は、必ず特等席で拝ませてやる!」


と、TOMMYはニューロッドを準備しながら固く誓ったのでありました。



さぁ、楽しい南紀旅行の始まりだ!

cp8koovzndtngczy5nfn_480_480-f6d4cc20.jpg


二日目へ続く。

 

コメントを見る