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▼ 追憶~アブ編~
- ジャンル:日記/一般
九頭竜川での解禁ドボンを挟んで、前回のタンカー編から随分と間が開いてしまった追憶シリーズ。
今回は間もなく『渓流本番』を迎えるに当たり、アブ編をお送りしたいと思います。
アブ…
皆さんも一度は川原や野原などで見た事がおありでしょう。
やたらとブンブン飛び回り、人様に“チクリ”と危害を加える憎きあの虫です。
とは言え、そうそう被害に遭われたと言う方は少ないのではないでしょうか。
しかしそのアブ…、実は渓流の、とある時期に行くと、とんでもない目に遭う事があります。
それは“真夏の渓流”です。
地域によって差はあるでしょうが、茹だるような暑さの、七月中旬からお盆の辺りにかけて奴らは出現のピークを迎えます。
「じゃあその時期に行かなきゃいいじゃねーか。」
そう思われる方もおいででしょう。
まったくもってその通り、行かなきゃいいんです。
しかし無知と言うのは怖いもの。
TOMMYは数年前、ちょうど渓流を始めて間もないこの時期に、友人と岐阜の渓流を訪れておりました。
季節は七月中旬。
夜がうっすらと明け始めた早朝の渓流…
蜩(ひぐらし)が鳴き、ヒンヤリとした空気が、日頃溜まった熱とストレスを冷やしてくれます。
綺麗な川を釣り登り、綺麗な魚と戯れる…。
そんな心癒される至福の時。
しかしそれも長くは続かない。
太陽が山から顔を出したと同時に、グングンと上がる気温。
額には汗が滲み、涼しかった渓流にもやがて「真夏」が訪れます。
こうなって来ると水中の魚達よりも先に、当の人間が参って来る。
羽織っていたジャケットを脱ぎ捨て、今度は「車のクーラー」を求めて山道を下る。
車まではざっと20分。
数時間掛けて川を釣り登った帰りには、当然この山歩きが待っている。
普段なら野花や、鳥のさえずりなどを見聞きして、これはこれで楽しい一時なのですが、この時ばかりは違っていました。
川で冷やされた体が、山歩きによって次第に汗ばんだ頃の事。
「ブーン!ブーン!」
身体の周りを黒い物体が飛び始めた。
ここでいよいよ登場、「アブ」だ。
普段は牛や馬などの血を吸って生きている奴らには、残念ながら人間も格好の餌食となる。
「うっとうしいな~」
最初の内はその程度だった。
しかし、どこからともなくやって来るアブは、見る見る内に数が増え、あっと言う間に数十匹の群れに囲まれてしまった。
「うわ!んだコイツら!気持ち悪ぃ!」
「めっちゃおるぞ!」
そして奴らは露出した腕や顔にピタリと止まる。
「このっ!」
最初は手で払いながら難を逃れた。
しかし、多勢に無勢。
遂にはウェーダーの上にも何匹ものアブが止まっていた。
「痛っ!」
「おい!刺すぞコイツら!」
「うぎゃあ~!」
アブパニック突入。
走った!
とにかく山道を、ランディングネットを振り回しながら、ひたすら走った!
「このヤロウ!」
時には一振りで数十匹のアブがネットに納まる。
掬ったそいつ等を、片っ端から踏み潰していくが、焼け石に水。
数はどんどん増え、辺りの景色が黒く覆われてしまっている程であった。
これは後から気付いた事なのだが、奴らはどうやら“熱を感知”してやって来るようだ。
その証拠に、エンジンを切ったばかりの車にカンカンと体当たりしているのをその後、何度も目にした。
「ちくしょ~う!来るな!来るなぁぁぁ!」
ネットを振り回し、後ろ向きに走る事数分、やっとの事で車に到着!
「鍵は!鍵は!?」
「待て!あ~!こんな時に限って!
」
どうやら友人は鍵をご丁寧にも、ウェーダー内部のポケットにしまっている様子!
そうこうしている内にもアブの軍団はガンガン特攻をキメて襲って来る!
「早く!早くぅ!」
人間…こんな時程、焦ってスムーズに事が運ばない。
ここで遂にTOMMYがキレた!
(いいかげんに…)
(しやがれよ…)
(虫如きがぁ!)
「オラオラオラオラオラオラァァ!
」
がむしゃらにネットを振り回し、たたき、はたき、更に握り潰した!
「どうした!オラオラオラオラオラオラ………ぎゃあぁぁぁ!!」
優勢に転じ掛けたその時、TOMMYの右肩の爆弾が弾けた。
迸る激痛!
実はTOMMYの右肩は、数年前から脱臼癖があり、こうしてあまり調子をこき過ぎると、かの様なザマになってしまうのである。
その場にしゃがみ込み、激痛に耐えながら必死で肩をハメるTOMMY!
しかし余計な暴れっぷりを披露してしまった身体は、どんどんと火照り、熱を発し、汗を吹き、火の付いたアブのセンサーに油を注いでしまった。
「ぬおぉぉぉ…ここまでかぁ…」
黒い塊が一斉に襲い掛かって来たその時だった!
「釣友!コレを使え!」
友人が、いつの間にか開いた車のハッチから何かを取り出し、TOMMYの目の前に放った。
『虫除けスプレー』
プシュー!!
怯むアブ!
しかし殺虫剤ではない為、いまいち効果が薄い!
ならばとTOMMYはライターを取り出し、トドメの一撃!
『ファイヤ~~~!!』
回るTOMMY。
墜ちるアブ。
そのまま、隙を見てすぐさま車に乗り込んだ二人。
それでも、窓にガンガンと当たって来るアブに脅威すら覚えた。
二人共に、数ヶ所刺されており、傷口からは血が滲み出ていた。
「何て奴らだ…。」
「二度とこの時期に来るのはやめようぜ。」
憔悴し切った二人を乗せた車は、ゆっくりと真夏の渓流を後にした。
この後…車内に入り込んでいた数匹のアブにより、またもや絶叫の嵐が訪れようとは、この時の二人は知る由も無かったのである…。
次回は~落車編~をお送りします。
◎BGM『Bombshell』byPowerman 5000

今回は間もなく『渓流本番』を迎えるに当たり、アブ編をお送りしたいと思います。
アブ…
皆さんも一度は川原や野原などで見た事がおありでしょう。
やたらとブンブン飛び回り、人様に“チクリ”と危害を加える憎きあの虫です。
とは言え、そうそう被害に遭われたと言う方は少ないのではないでしょうか。
しかしそのアブ…、実は渓流の、とある時期に行くと、とんでもない目に遭う事があります。
それは“真夏の渓流”です。
地域によって差はあるでしょうが、茹だるような暑さの、七月中旬からお盆の辺りにかけて奴らは出現のピークを迎えます。
「じゃあその時期に行かなきゃいいじゃねーか。」
そう思われる方もおいででしょう。
まったくもってその通り、行かなきゃいいんです。
しかし無知と言うのは怖いもの。
TOMMYは数年前、ちょうど渓流を始めて間もないこの時期に、友人と岐阜の渓流を訪れておりました。
季節は七月中旬。
夜がうっすらと明け始めた早朝の渓流…
蜩(ひぐらし)が鳴き、ヒンヤリとした空気が、日頃溜まった熱とストレスを冷やしてくれます。
綺麗な川を釣り登り、綺麗な魚と戯れる…。
そんな心癒される至福の時。
しかしそれも長くは続かない。
太陽が山から顔を出したと同時に、グングンと上がる気温。
額には汗が滲み、涼しかった渓流にもやがて「真夏」が訪れます。
こうなって来ると水中の魚達よりも先に、当の人間が参って来る。
羽織っていたジャケットを脱ぎ捨て、今度は「車のクーラー」を求めて山道を下る。
車まではざっと20分。
数時間掛けて川を釣り登った帰りには、当然この山歩きが待っている。
普段なら野花や、鳥のさえずりなどを見聞きして、これはこれで楽しい一時なのですが、この時ばかりは違っていました。
川で冷やされた体が、山歩きによって次第に汗ばんだ頃の事。
「ブーン!ブーン!」
身体の周りを黒い物体が飛び始めた。
ここでいよいよ登場、「アブ」だ。
普段は牛や馬などの血を吸って生きている奴らには、残念ながら人間も格好の餌食となる。
「うっとうしいな~」
最初の内はその程度だった。
しかし、どこからともなくやって来るアブは、見る見る内に数が増え、あっと言う間に数十匹の群れに囲まれてしまった。
「うわ!んだコイツら!気持ち悪ぃ!」
「めっちゃおるぞ!」
そして奴らは露出した腕や顔にピタリと止まる。
「このっ!」
最初は手で払いながら難を逃れた。
しかし、多勢に無勢。
遂にはウェーダーの上にも何匹ものアブが止まっていた。
「痛っ!」
「おい!刺すぞコイツら!」
「うぎゃあ~!」
アブパニック突入。
走った!
とにかく山道を、ランディングネットを振り回しながら、ひたすら走った!
「このヤロウ!」
時には一振りで数十匹のアブがネットに納まる。
掬ったそいつ等を、片っ端から踏み潰していくが、焼け石に水。
数はどんどん増え、辺りの景色が黒く覆われてしまっている程であった。
これは後から気付いた事なのだが、奴らはどうやら“熱を感知”してやって来るようだ。
その証拠に、エンジンを切ったばかりの車にカンカンと体当たりしているのをその後、何度も目にした。
「ちくしょ~う!来るな!来るなぁぁぁ!」
ネットを振り回し、後ろ向きに走る事数分、やっとの事で車に到着!
「鍵は!鍵は!?」
「待て!あ~!こんな時に限って!
」
どうやら友人は鍵をご丁寧にも、ウェーダー内部のポケットにしまっている様子!
そうこうしている内にもアブの軍団はガンガン特攻をキメて襲って来る!
「早く!早くぅ!」
人間…こんな時程、焦ってスムーズに事が運ばない。
ここで遂にTOMMYがキレた!
(いいかげんに…)
(しやがれよ…)
(虫如きがぁ!)
「オラオラオラオラオラオラァァ!
」
がむしゃらにネットを振り回し、たたき、はたき、更に握り潰した!
「どうした!オラオラオラオラオラオラ………ぎゃあぁぁぁ!!」
優勢に転じ掛けたその時、TOMMYの右肩の爆弾が弾けた。
迸る激痛!
実はTOMMYの右肩は、数年前から脱臼癖があり、こうしてあまり調子をこき過ぎると、かの様なザマになってしまうのである。
その場にしゃがみ込み、激痛に耐えながら必死で肩をハメるTOMMY!
しかし余計な暴れっぷりを披露してしまった身体は、どんどんと火照り、熱を発し、汗を吹き、火の付いたアブのセンサーに油を注いでしまった。
「ぬおぉぉぉ…ここまでかぁ…」
黒い塊が一斉に襲い掛かって来たその時だった!
「釣友!コレを使え!」
友人が、いつの間にか開いた車のハッチから何かを取り出し、TOMMYの目の前に放った。
『虫除けスプレー』
プシュー!!
怯むアブ!
しかし殺虫剤ではない為、いまいち効果が薄い!
ならばとTOMMYはライターを取り出し、トドメの一撃!
『ファイヤ~~~!!』
回るTOMMY。
墜ちるアブ。
そのまま、隙を見てすぐさま車に乗り込んだ二人。
それでも、窓にガンガンと当たって来るアブに脅威すら覚えた。
二人共に、数ヶ所刺されており、傷口からは血が滲み出ていた。
「何て奴らだ…。」
「二度とこの時期に来るのはやめようぜ。」
憔悴し切った二人を乗せた車は、ゆっくりと真夏の渓流を後にした。
この後…車内に入り込んでいた数匹のアブにより、またもや絶叫の嵐が訪れようとは、この時の二人は知る由も無かったのである…。
次回は~落車編~をお送りします。
◎BGM『Bombshell』byPowerman 5000

- 2012年4月15日
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