人妻 久仁子と蛍  第一章 最終話

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第一章 最終話
 


 
久仁子「そんなに震えていて、風邪でもひかれたら責任感じるじゃん 家は直ぐそこだから・・・」

 
順平「ありがとう 本当に大丈夫だからさ」と建前的に断ってみるものの、違う事態を期待している(笑)

 
久仁子「大丈夫じゃないヨ 私の服なら着れると思うから」
 

そう言うや否や、久仁子はアクセルを踏み込み、勢い良く駐車場を出た。
 
 
 
順平は、これからの展開される事態を妄想してみた・・・


 
妄想A
久仁子の家には誰もいない。 着替えに袖を通したもののサイズが合わず、濡れた服を乾燥機で乾かす事に・・・その間、順平はバスタオル1枚の腰巻姿でソファーに座って待っていると、久仁子が隣に座り「寒くないですか・・・これでも飲んで温まってください」とブランデーを差し出す。
順平は、ブランデーなんかじゃ温まらないよ・・・久仁子の肌で暖めて欲しいと腕を掴むとグイッと引寄せ抱き締めた
 
あ!順平さん そんな・・・ダメ・・・

 
 
 
妄想B
寒さに震えながら部屋に上がると、「冷え切っているでしょうからシャワーを浴びて行ってください」とバスルームに案内される。 順平がシャワーを浴びているとカチャと背後のドアが開き、バスタオル姿の久仁子が立っている「お背中 流しましょうか」
「背中だけですか?」と順平が振り返ると、久仁子の視線は、順平の股間に釘付けとなった。
 
あ、順平さん そんな・・・ダメ・・・

 
 
 
妄想C
そそくさと着替えを済ませた順平が「ありがとう 今日はこれで失礼するよ」と部屋を立ち去ろうとすると、玄関口で久仁子は順平の背中に抱きつき「今夜は一人になりたくないの」と引き止める
順平は、振り向き様に久仁子の唇を奪い・・・
 
あ、順平さん そんな・・・ダメ・・・

 
 
 
妄想D
部屋に上がり奥の部屋に通され着替えをしていると、黒革のコスチュームに身を包み、鞭を手にした女王様姿の久仁子が登場。
久仁子は順平にピシーッ!と鞭を打つと「この ブタ野郎! さっさと着替えやがれ」
 
おおっ! 女王様―っ! そんな・・・ダメ・・・



妄想E
順平は着替えを済ませ、和室に通じる襖をスラッと開けると、畳の上に布団が1組敷かれている。 その枕元には久仁子が白い和服の寝間着を身にまとい、三つ指を着きながら「本日はお疲れ様でございました。お布団をご用意致しましたので今夜はこちらにお泊まり下さい」と・・・
順平は久仁子の腰巻の帯を掴むと「苦しゅうない近こう寄れ!」と帯を引っ張ると、久仁子がくるくると回りはじめた。

あ~れぇ~ 順平様 なりませぬ・・・ 「よいではないか、よいではないかぁ


 
 
妄想F
部屋にあがると、いないはずの旦那が・・・
いきなり胸倉を掴まれた順平は絶体絶命の大ピンチ!
旦那「おんどりゃーボケ! ウチの嫁になにをさらすんじゃー 慰謝料持ってこんかい! 300万じゃ ボケー!」
 
あれれれ? 美人局? そんな・・・ ダメ・・・
 
 


 
 
妄想を繰り広げていると・・・


 
 
久仁子「着きましたよ!」の言葉で現実に戻った順平

 
 
気付けば、マンションに隣接する駐車場
 

ドキドキしながら久仁子の顔を見つめると・・・
 


 
久仁子は車を駐車スペースに止めると「着替え持ってくるから、ちょっと待っていて」と足早にエントランスへと消えていった。
 

 
順平は、口をあんぐりと開けたまま、久仁子の消え行く姿を見届けながら・・・


あら? あれれ? 俺は部屋に行かなくても良いの?


あら?妄想AパターンでもBでもC、Dでもないんだ・・・と肩をガックリと落とす。


 
しばらくすると久仁子が手提げ袋を持って再び車に乗り込んだ。
 

 
久仁子「はい着替え 私のジャージだけど 裸で運転していくよりはマシでしょ」

 
順平「ああ・・ありがとう」
 

目論み外れ茫然自失の順平は力無く返事をするのがやっと
 

久仁子「後の席の方が広いから着替えていて 私も着替えたら降りてくるから」そう言い残すしバタンとドアを閉じると足早に消えていった。

 
「ああ・・・そう言うことだったのね」順平は、渋々 後部座席に移ると、久仁子が残していった紙袋から着替えの服を取り出した。
 
 
ジャージの上着を両手で広げてみると明らかに大きい(笑)
 
 
湿ったトランクスを脱ぎ、フル〇ンのままズボンを履き、上着は肌に直接 身にまとった。
 
 
デカッ! 改めて久仁子との体格差を実感する。

 
袖をたくし上げ、ズボンの裾を幾重にも折り曲げた。 

 
自分の姿をガラスに写し出すと、それはまるで子供がお父さんのワイシャツを着ているような姿・・・情けねぇ凹
 
 
ジャージから、ほのかに香る匂いに鼻を寄せて嗅いでみた。
 

いい香り・・・これが久仁子の匂いなのかな? (萌ぇ)
 
 
濡れた衣類を紙袋に押込み、久仁子の戻りを待った。
 
 
しばらくすると、スポンサー名の入ったジャージから、トレーナーに着替えた久仁子が現れた。
 

久仁子「お待たせぇ  おっ!私のジャージ なかなか似合うじゃん」と言いながら駐車場から車を走らせた。
 
順平「どこが 情けないくらいにブカブカです」と言いながら幾重にも捲り上げたズボンの裾を見せた!
 
久仁子「あはは 順平さん 足 短すぎwwww」
 
順平「言ってくれるね」
 
久仁子「気にしない 気にしない 体形体格は今さらどうこうなるもんじゃないし」とまるで自分の高身長の事に対して言い聞かせているようでもあった。
 
 
【00:52】
 
 
デニーズの駐車場は閑散としており、その中にポツンと1台順平の車が止まっていた。
 
久仁子は、その横に車を並び止める。
 
順平「今日は本当にありがとう 楽しい時間だった。 ジャージは洗濯してからお返しするから」
 
久仁子は、一呼吸 間を置いてから言葉を切り出した「こちらこそ色々とありがとう 順平さんに救われたって感じ。 最初はどんな奴が来るのかと心配したけど、順平さんで良かった。 ジャージはいいよ お古だし 捨てちゃっていいよ」
 
順平はあえてこれ以上の言葉を飲み込み「また メールして良いかな?」とだけ久仁子に問い掛けた。
 
 
二人は、別れの時を名残惜しむかのように、会話は少しずつ短くなっていった。
 
 
久仁子「うん メールして」
 
順平「うん メールする」と言いながら順平はスッ!と右手を差し出し久仁子に握手を求めた。
 
久仁子は少し驚いたような表情をしたが、順平の握手に応じて「おやすみなさい」と言い、握った手を解いた。
 
 
順平は車から降りると、久仁子のデリカが駐車場を出て行く姿を目で追い続けた。

デリカが交差点を曲がり消え行く寸前「パッ!パッ!」と久仁子が鳴らしたクラクションが、深夜の街に響き渡った。
 
 
 
 
 
翌朝、順平が疲労困憊の身体を奮い起こし、出社の身支度をしているとメール着信が入った。
 
 
久仁子からだった・・・

「おはようございます 昨夜は本当にありがとう 順平さんのお陰で、胸の中で支えていたものが取れ、楽になりました。 辞めようと思っていたバレーボールですが、まだ頑張れそうです! 
追伸:夕食 ごちそう様でした。 今度は私がご馳走しますね」
 
 

「今度は私がご馳走しますね」


「今度は・・・」

 

 
順平は ヨシッ!と小さくガッツポーズをして閉じた携帯を握り締めた!
 

 


END

 
 


イケなかった旦那たち・・・申し訳ないっす(笑)



 

この埋め合わせは必ずや・・・・・・・ <m(_ _)m>

 




~あとがき~
第一章は、久仁子と順平が出逢って
どういった経緯で恋に堕ちて行くのかを伝えたかった

敢えて殿方の期待を裏切ってでも(笑)


第二章に続く・・・(たぶん)
 

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