人妻 久仁子と蛍 5

  • ジャンル:恋愛・結婚
順平は、パンツ1丁のまま助手席で揺られ続けた。


 
深夜の県道は、点滅信号に変わり車は快調に走り続けていると、久仁子が色々と質問を投げ掛けてきた。

 
 
久仁子「順平さんって やたらと気が利く人と思うんだけど、こうやって出逢い系サイトの女性と会ったことはあるの?」
 
順平はドキッ!としながらも「うん 以前に2人と会ったことある」(嘘です)
 
久仁子「ふ~ん そうなんだ・・・ エッチとかしたの?」
 
順平「いや してないよ そんなんが目的じゃないし」(嘘です)
 
 
【ポイント】
何も赤裸々に事実を話せばいいってもんじゃありません。ただ嘘にも真実味を持たせなきゃならないのと、重要なのは自分がついた「嘘」をしっかり記憶しておくこと。
自分では何気なくついた嘘であっても、相手は以外と記憶しています。 後日、「あれ?この間の話と食い違うぞ・・・」と不信がられないように気をつけましょう。

 
 
 
何か聞きたそうな感じがしたので、順平の方から話し出した。
 
 
【ポイント】
女性(久仁子)が相手(順平)の女性関係について尋ねてきたら、(順平を)異性として好意を持ち始めた証拠です。
こうしたサインを見落とさず、誠実に答えてあげましょう。 曖昧な説明をすると「あ、何か隠しているな」と不信感を増長させてしまいます。

 
 
順平「1年ほど前に初めて会った。 二人とも四十代くらいのおばさんで、コメダでコーヒー飲んで、おしゃぶりをしてもら・・・おしゃべりをして終わりでした。 それからメッセージも来なくなって終わりでしたね」
 
久仁子「本当にぃー? それだけ? 信じられん!」
 
順平「えー? なんで信じられないの?」
 
久仁子「だって、順平さん、色々と気が利くし、話しをしていても楽しいし・・・薬指に指輪していないから遊び人かと思ってさ」
 
順平「遊び人ってヒドイなぁ・・・結婚指輪は紛失したんだよ 久仁子さんだって 指輪していないじゃん」
 
久仁子「私はバレーやっているから はめていないだけ・・・・・・って言うのは嘘で、先月、捨てちゃった」
 
順平「あら? 捨てるなんて また どうして?」
 
順平は流れの中で質問したものの、久仁子は何かを思い詰めるかのように、次の言葉を飲み込んだ。
 
そして、しばし無言の後、久仁子が口を開いた「旦那はトシヤって言うんだけど、離婚する事になったんだ。 もうこれ以上、続けていくのは無理ってわかったから捨てちゃった」
 
順平は言葉を選びながら「そうなんだ 今は大変な時期でもあるんだ・・・」
 
久仁子「全然! 離婚届にハンコは押したし、後は旦那が押して提出するだけ。 家も追い出したし、向こうが悪いからゴタゴタすることもないだろうしね」
 
順平「旦那さんは何を(職業)してる人なの?」
 
久仁子「同じチームでコーチをやっていた。」
 
順平「やっていた? 過去形?」
 
久仁子「そう 解任されたから過去形! チームのメンバー(女)に手を出してね それがバレて 要はクビ! まったく情けない話しでしょ」
 
順平「うわ! 複雑そう・・・」
 
久仁子「馬鹿だよね バレーボール界から追放だわ」
 
順平「そうなんだ」
 
久仁子「旦那も誘惑に負けたんだろうけどね」
 
順平「誘惑に負けた?」
 
久仁子「そう若い女の誘惑に負けたの!って、言っても、別に旦那を救護する訳じゃないからね!」
 
「同じ業界に居る者として、こんな話しをするのは躊躇うけれど・・・女子バレー選手に限った話しじゃないけれど、スポーツ選手って、青春期をスポーツ1本に専念するじゃない。
高校生の頃から部活が終わっても所属のクラブチームの練習があり、休日も関係なく練習で、朝から晩までバレー!バレー!バレー! 目指すは「全日本選抜メンバー入り」この状態が社会人になっても続くのよ! 
私もそうだったけれど、バレーボール 一筋で恋愛の1つも知らず身体だけ大きくなって青春期を過ごすの! 
 
身体だけ成熟して、心は未成熟のまま、恋愛の1つも知らずに大人になって行き、彼女たちは、身近に恋愛対象がいないから、日々接している監督やコーチに恋をするのよね
 
単なる憧れくらいで終わっていればいいんだけれど、彼女達も発育して年頃ともなれば、それなりに性欲も出てきて、コーチにその気はなくても彼女たちから猛烈なアタックがあるみたい 正に発情したメスっていう感じ 人間の本能なんだろうけどね・・・
 
オリンピックなんかで選手村にはコンドームが置いてあるって話しを聞いた事がない? スポーツ 一筋だと恋愛の仕方を知らないからそうなっちゃうのよね
 
監督やコーチも職業人として、チームを強く育てようと、時には厳しく、時には優しく一生懸命に選手と関わるよね。選手も監督やコーチを信じて、レギュラーを取ろうと頑張るわけヨ! それがいつしか自然と選手の中に愛情が芽生えてしまうってのが多くのパターン。 で、好きなんだけど、愛されたいのだけれど、満たされない気持ちがスランプを招く
 
スランプを招くと監督やコーチは「どうしたんだ 気合いが足りん」と激を飛ばすが、ある時「私、コーチのことが好きなんです コーチの事が頭いっぱいで・・・」と告白される。
 
コーチとしては、優秀な選手ほど大切にしたい。 強いチームにする為に彼女は選手としてチームの存在には欠かせない。
なんとかして彼女をスランプから脱出させたい。 そんな論法かどうかは知らないけれど、コーチは彼女を抱いてしまう・・・しかし、これが彼女をスランプから脱出させるどころか、双方泥沼に嵌っていくのよね
 
まぁ こんな事は今に始まった話しじゃないから、会社としてもチームとしても、入部当初から「チーム内の恋愛ご法度」の倫理教育は何度もするし、チーム主催の合コンを開催して、恋愛の矛先を変えようとしてはいるみたいだけど、いざ、好きになったら理論理屈抜きの感情でしょ  所詮は焼け石に水よ!
 
おまけに遠征なんて日常茶飯事だし、遠征ともなれば四六時中 顔を合わせることになるし・・・
一応、チーム側も配慮して、監督やコーチと選手達が一緒の宿泊先にならないように、ホテルを離れ離れにしているみたいだけど、タクシーで押し掛ける奴もいるし
 
公になることはほとんどないけれど、選手の移籍ってあるけれど、噂では半分くらいが恋愛感情がこじれて、コーチと選手を引き離す措置として移籍させていると思うな・・・
 
まぁ 私もその類で、元々別のチームのコーチだったトシヤに私が惚れて、一緒になった経緯があるから、相手の女の子の気持ちもよく解かるわ

でもね、相手は同じチームメイトでもあったし、トシヤも今回が初めてじゃなかったしね・・・もう限界を超えちゃった
 

 
久仁子は一方的に話しを続け、気付けば車はデニーズの駐車場に着いていた。
 
 
久仁子「さっきね・・・ホタルを見ていたら急に哀しくなっちゃってね・・・旦那はチームメイトに手を出して解雇になるし・・・もう少し体力の続く限り(バレーを)続けていきたかったけど、旦那が不祥事で解雇されたのに、妻の私がのうのうと選手としてやっていられないから、辞めざるを得ないのかな・・・と思えたら泣けてきちゃったのよ  でも大丈夫 完全に吹っ切れたから」
 
 
久仁子は、まぶたに溜まった涙を拭うと、気丈にも順平の方を向き笑顔を見せた。
 
 
順平は、雨に打たれ身体の芯から冷え切り、ガタガタと足を震わせていたが、久仁子の話しに夢中になり気付かなかった。
 
 
久仁子「順平さん震えているけど大丈夫? ごめんね 変な話になって長くなっちゃってさ」
 
順平「あ、うん 大丈夫!大丈夫! それにしても、あまりにも想像を絶する話しだったから、掛ける声が思いつかなくて 安っぽい「頑張って」なんて言葉は言えないし 俺で良かったら話くらい聞いてあげるからさ」
 
友達路線 復活!
 
 
 
【ポイント】
相手の話には何か心理的な意図が隠されています。
この意図をくみ取り、意に沿うように振舞うことが相手から1番信頼を得る近道なのです。 先ずは聞き上手になりましょう。
 
久仁子を例にすると、何故、尋ねもしない離婚の話しや、その経緯・背景を話したのか?
単に愚痴として話を聞いて欲しいだけなのか? それとも久仁子の苦悩を理解し慰めて欲しいのか? アドバイスが欲しいのか? はたまた励まして欲しいのか? 色んな意図が隠されています。

 
 
 
 
久仁子「うん 本当に今日はありがとう 初対面の順平さんに何でこんなに話せたんだろう  ところで震えているけどそのまま帰るの? 着替えはあるの?」
 
順平「いや 大丈夫!大丈夫! ヒーター掛ければどうってことないよ」
 
久仁子「でも・・・そのままパンツ1丁で運転していたら絶対に警察に捕まるわよ」
 
順平「大丈夫だから」とドアノブに指を掛け、車を降りようとすると
 
久仁子「風邪ひかれてもヤダから・・・私のウチ 直ぐ近くだから着替えを渡すよ」


久仁子は、そう言いながら、一度は外したシートベルトを締め直し、Dレンジにギアを落すと、雨で濡れたアスファルトをキュキュッと鳴らしながらデリカは駐車場を後にした。



 
 
久仁子の家へ?
着替え?
こんな真夜中に?
旦那とは別居中で誰もいない?
 


 
予想外の展開に、さぁ どうする 順平!
 


 
恋人路線 復活しちゃう?

 
 

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