第三章 ~人妻 久仁子との再会~1

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第三章 ~人妻 久仁子との再会~ 1
 
 
このログはフィクションであり、 登場する人物、団体は実在のものと一切関係ありません。
 
 
 
順平は、久仁子へ想いを込めた447文字のメールを昼の休憩終了間際に送ると、駆け足で会議室へと駆け込んだ。
 
会議が始まって暫くすると、胸ポケットの携帯が、ブゥーブゥーブゥーと震えメールの着信を知らせた。
議長の目を盗みながら、ポケットから携帯を取り出すとテーブルで隠し、差出人を見る

 
久仁子からだ  

 
早くメールを読みたい一心の順平は「取引先から着信が入ったので退席します」と言い残し、足早に会議室を出るなり、携帯を見開いた。
 
久仁子「こんにちは 風邪も引かず無事にお仕事されているようで安心しました。 私の方は大丈夫です。ご心配をお掛けしました。 ジャージは着古しなのでクリーニングに出すほどの物でもなかったのに。
でわ、お仕事頑張って下さい。」
 
久仁子が返信してきた間合い時間を考えると、恐らく今、久仁子は手持ち無沙汰にして直ぐにメールができる時間なんだろうと、すぐさま返信を打ち込んだ。
 
順平「僕も久仁子さんが体調を崩しているんじゃないと心配していましたが、元気な様子で安心しました。 ところで、突然ですが6/15の夜 ご都合は如何でしょうか? ジャージをお返ししたいのと、また食事しながらバレーの楽しい話を聞かせてほしいと思って。 忙しいと思いますが考えておいて下さい」と打ち込み送信すると順平は会議の席へ戻った。
 

順平の読み通り、久仁子は手暇なようで直ぐに返信メールが届く。

 
久仁子「バレーの話って本当に楽しかったですか? 私の愚痴がほとんどだったような気がするけど・・・6/15 お誘いありがとう。 折角、お誘い頂いたのですが、その日はチームの壮行会があって都合が悪いんです。 ごめんなさいね」
 

う~ん・・・やっぱり最初の誘いでホイホイとついてくるほど甘くは無いな・・・
 
 
しかし、レスポンス良く返ってくる状況なのに、ここで返信を間延びさせたくない順平は「すみません。また取引先から・・・」と会議を中座し、返信を打ち込んだ。
 
順平「わかりました ジャージは僕の方で預かっておきますので、また久仁子さんの都合のいい日で声を掛けて下さい。 ところで、今日はお仕事じゃないんですか?」

 
順平は、話を切らさないように他愛も無い返信を投げ掛けてみた。

 
久仁子「今日も普通にお仕事でした。 午前中は業務仕事をして、午後から練習です。 今は練習前のブリーフィング中で~す」 
 
ハートの絵文字が付いたメールが送られてきた。
 
順平「午前中、お仕事お疲れ様でした。 ブリーフィング中にメールなんてしていて大丈夫なんですか?」
 
久仁子「たいした事をしている訳じゃないので全然平気です」
 
順平「じゃあ 俺とブリーフィングしましょう(笑) いつ食事に連れて行ってもらえますか?」
 
順平は、しつこいとは思いつつ、ここは押すべきタイミングと見計らい一度断られた話しをぶり返した。
 

久仁子「そうね、週末の18日から遠征が始まるので、16日はどうですか?」

 
順平の強引とも思える誘いに難色を示すかと思いきや、久仁子はあっさりと食事の日を告げてきた。

もちろん、順平に断る理由など一切ない

しかも6/16は久仁子の誕生日! サプライズディナーを仕掛けるには、絶好の日! こんな千載一隅のチャンスをお与えくださった神様に、思わず胸の前で十字を切った。

 
順平「ありがとう 16日なら大丈夫ですので予定しておきますね。 それにしてもまた遠征とは大変ですね。 今度は何処へ遠征ですか?」

 
久仁子「日曜日に大阪で試合があって、そのまま広島に飛びます。 次に地元に帰ってくるのは来週の日曜日・・・結構ハードなんです」

 
順平「1週間も遠征ですか・・・大変ですね。」

 
久仁子「移動は大変だけど、食事は全て用意されるので家事仕事をやらなくて良いのでLucky
 

久仁子からテンポ良く返ってくるメールに我を忘れ返信していたが、会議中であったことを思い出し、用件は済んだので会議に戻る事にした。

 
順平「ごめんね これから会議なので また夜にでもメールします 練習頑張ってね」と打ち込むと会議室に掛け戻った。

 
会議に戻ったものの、再会日が16日に決まり 心はウキウキ サプライズは何にしようか 気持ちソワソワ
企画会議なのに、頭の中は16日のデート企画のことでいっぱいです。
 
会議を終えて自分のデスクに戻った順平は、仕事の振りをしながらデートの行程を煮詰めていた。
 
 
 
その晩、残業で遅くなった順平は、久仁子にメールを送った。
順平「こんばんは やっと仕事が終わりました。お疲れさまでした。 ところで16日 食事の件ですが、僕にお店を決めさせてもらって良いですか?」
 
ほどなくして久仁子から返信が届く。
 

久仁子「今、お仕事終わりですか? お疲れ様です。 食事のお店 決めてもらえると助かります。そう言うのは苦手なのでお願いしちゃいます」
 
順平「わかりました。 前日までに決めてまた時間を連絡しますね。 何かリクエストがあれば言って下さい」

 
久仁子「美味しいお肉が食べたいな」

 
順平「肉料理ね わかりました 任せておいてください 夜も遅いので早く寝て下さい おやすみなさい」
 

久仁子「たのもしいね 期待しちゃいます おやすみなさい
 
 
 
順平の頭の中では、ほぼデートプランは出来あがっていた。
 
 
後はサプライズに向け、着々と準備を進め、待ちに待った久仁子との再会する前日、待ち合わせ時間と場所を決め、当日を迎えた。

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