私の釣りの日

 これからいつまで続くか分からないブログを始めるにあたって、まずは私の釣行スタイル、それと私が釣りに出かけるまでの苦難や葛藤などを書いておきたいと思う。

 メインフィールドは高知市中心部の浦戸湾に流入する国分川である。下田川、舟入川にもちょくちょく行く。おかっぱりと浅めのウェーディング。
 ターゲットはシーバス。たまにチヌ、マゴチ等ルアーで釣れる魚を狙っている。よくいる平均的なルアーマンだと思う。
 高知といえばアカメを連想する方がほとんどだろうが、私はそこまで意識はしていない。あくまでシーバスをメインターゲットにポイントを回り、そこにアカメの気配があればその時持っているシーバスタックルでちょっかいをかける程度である。まぐれ当たりで外道的に釣れることもある。それで年間に4〜6本くらいはキャッチできる。十分だ。とにかく今は、なぜだかシーバスに夢中なのだ。

 私には子供が4人、妻が1人いる。子は上が小学生、下が未就学児とまだまだ手がかかる年である。
 仕事では建設業を営む極々零細企業の取締役専務という立場にある。取締役専務というと聞こえはいいかもしれないが田舎の極々零細企業のため、収入、お小遣い、仕事量、休暇日数、どれを見ても決していいものではない。
尾崎豊氏が唄う「自由」とは程遠い状態にある。

 そんな中、妻から許可を得た時間で可能な限り釣りに出ている。基本的なルールとしては仕事終わり帰宅して子供のお風呂や夕食を済ませてからのナイトゲームを2週間に1回。なので手堅い大潮周りで、仕事の都合も考えての出動になる。
 しかしながらわが家の女神様は寛大で、「お皿洗いを毎日して私に優しくしてくれたら2回行っていい」と仰っていただけた。さらに条件付きで子供たちの夕食を済ませ、お風呂に入れ、歯を磨かせ、後は寝るだけの状態にしなくてはならない。  

楽勝。

 つまりは大潮周りで2回の釣行を大女神様から許可していただいているわけだが、世の釣り人からしたら概ね少ないと思うだろうし、世の奥様方からしたら多い、遊びすぎ、ふざけるな、ぶっ飛ばすぞ、といったところではないだろうか。
 私自身これが少ないとは思ってもいないのだが、満足もしていない。妻に家事と育児の負担を98%かけ、仕事から帰ってそこそこ手伝ってやった感を出して夜な夜な釣りに出かけるのだから2週間に一度出してもらえるだけでも感謝している。
 がしかし、釣り人なら誰しもこのタイミングはどうだろう、昨日のリベンジ、友人に誘われた、雨が降った、風が吹いた、SNSですごい釣果があった等、突如として釣場に出向きたくなる理由がいくつもある。いつもある。私にもある。我慢の日々が約2週間にわたり続く。そういったわけで満足はしていない。
 
ところがどっこいである。

 昨年の師走頃、わが家の天女様が突然に
「子供たちが寝てからならいつでも行っていいよ」
と仰られた。

「罠だ!」
咄嗟にそう思った。
何か欲しいものがあるのか。
高い物なのか。
どこか遠い所に連れていけというのか。
USJ、TDL、TDS・・・
何か壊したか。車をぶつけたか。
 そうではなかったとしても、お言葉に甘えて連日連夜釣りに出ようものなら、
マウントを取られ、
何か高い物を買わされ、
USJ、TDL、TDSのような遠くファンタジーな所に連れて行かされ、
変な被り物をさせられ、行列に並び、高い物を買わされ...
 いやいや、釣り行き放題のチケットが手に入るならお安いご用ではないか...
 いやいや、もしこれらの要求を呑み、念願のチケットを手に意気揚々と連日連夜釣りに出かけようものなら、
前言撤回、
記憶にございません、
あほか、
遊びすぎ、
ふざけるな、
ぶっ飛ばすぞ、

さらには、
マウントをとられ、
何か高い物を買わされ、
USJ、TDL、TDSのような遠くファンタジーな所に連れて行かされ、
変な被り物をさせられ、行列に並び、高い物を買わされ...

全てお見通しだ!!

 かくして私は大潮周りで2回、ごく稀に天女様のお言葉に甘えたりしながらで一月にすれば4〜5回のナイトゲームに繰り出している。
 年間を通せば仕事の合間で少しデイゲームをできる機会があったり、子供の夏休みや冬休みのタイミングで妻の帰省があり、釣り行き放題の数日間を過ごすこともあったりで、側から見れば「釣りばっかりして...」という状態になる。
 私にしてみれば努力と我慢を積み重ね、ようやく手に入れた釣りの日のチケット。この一枚一枚を無駄にしないよう、全力で楽しむのである。

 今日は我慢の約2週間の折返し地点あたりか。この週末には訪れるであろうチャンスをものにすべく、今からタイドグラフ、天気予報、スケジュール帳とにらめっこをしている。
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