【紀州マルチアングラーのすすめ２】究極の１本の価値。

人それぞれ、時々によって１本のシーバスの価値が違いますよね。

例えば６５ｃｍのシーバス。

僕がこのサイズのシーバスを最高に喜べる瞬間は、ロケの最後の最後にノーフィッシュを逃れられた瞬間かもしれません。
それ以外に、プライベートでの釣行では、まず喜ぶことはなかったかもしれません・・・先週末までは（笑）

最近好調のサーフに、人が少なくなるデイタイムを選んで釣行。

サーフをミノーで攻めながら歩いていると、一人のアングラーが、ロッドはそれほど曲がっていませんが、慎重なやりとりをしているのが見えました。

近づきながら眺めていると、シーバスをキャッチしました。大きさで６０ちょいから７０弱くらい。

そしてキャッチすると、万歳しながら飛び上がって喜ぶ姿を見ることができました。

近づくと、僕に気が付いて『山本さんですよね？いつもテレビでみてます！』そんな感じて声をかけていただきました。しばらく会話をしてると

『２年ぶりにシーバスを釣りました！めちゃくちゃ嬉しいです！』

喜んでいる姿、そして話す姿に心が洗われました。

『バイブレーションで来ましたよ！』と、教えてくれました。
テスターとして、何で反応しているかより、何で反応させるかに執着するあまり、重要なことを忘れてしまっていたかもしれません。

タックルボックスの中を見ると、ボトムの形状を探るためのフックを外した塗装がはげてボロボロのmorethanリアルスティール。

メーカーテスターとして、いつも見栄えの良いルアーを使うように心がけていますが、この時はなぜか、このルアーにひかれたので、フックを付け替えて投入。

そして、そのアングラーに教えてもらった通りに攻めると、すぐにヒット！

６０ｃｍちょいの特に大きくもなく、特にコンディションもよくない１本。

でも、間違いなく今年の中で最高の１本。
そして、その飛び跳ねて喜んでいたアングラーに写真を撮ってもらいました。

特に意識はしていませんでしたが、自分でも良い笑顔だと思います。このタイミングで釣れて、誰よりも喜ぶことができた究極の１本だと思います。

メーカーテスターとして、誰よりも釣ることや、大きさを求めることで、重要な何かを忘れて、さらに何を忘れたのかもわからんようになってました。

でも、一人のアングラーがキャッチしたたった１本のシーバスでめちゃくちゃ癒されました。