24時間、帰りた~い!

それは木曜日のお昼の事。
中国のビザ取得の為に香港の代理店へ。
係りのオバちゃんにパスポートを渡すと、

「じゃあ、明日の午後4時にね。」

ひ~ぃ!
そんなに時間が掛かるのか?

時計を見ると12時半前。
パスポートが返ってくるまで、27時間以上ある。

久々に青い空が見えるほど天気が良い。

しかし、それは灼熱地獄を意味する。
猛暑を無事に乗り切れるだろうか。

しかたねぇ、とにかく時間を潰すゾ。
ならば、人里離れた所へチョッと足を伸ばしてみるか。




なかなか雰囲気はあるんだけど、とにかく暑い。
汗と知恵を振り絞り、さまざまな攻撃をしかけるも
不感症なポイントにギブアップ。

このポイントから近いダムも覗いてみた。
今は禁漁期間で釣りはできないのだが、入場はオッケイ。

魚の姿を見て癒されたかったが、一面アオコで覆われてた。

更に気分が落ち込む。
時計に目をヤルと午後4時。
まだ、24時間ある。

「ハァ~、家に帰りたいな。」

ポイントを移動し、気力を振り絞る。
ソコで19時半まで打ち続けた。

「ダメだぁ、帰りてぇ~」

弱音と汗は滝のように流れ続ける。
ここはキチンと休息するべきだ。

釣り友のykaさんに電話をし、食事に誘った。
ykaさんは此処最近、香港のオフショアで活躍中。
ボクの知らない世界を知ってるんだな。

2人でガッツリ話し込んだ。
ストップをかけなければ
いつまでも話せる楽しさ。

時計を見るとまもなく11時。
この時間まで付き合ってくれた事だけでも大感謝なのに、
食事まで奢ってもらっちゃった。

次は絶対にお返しさせてくださいよ、ykaさん。

ykaさんに会って、モチベーションが完全回復。
もう、帰りたいなんて言わないぞ。

ykaさんのアドバイスをもとにポイントへ移動。
移動した先は香港でも有数のタイリクスズキのポイント。

ドリフトトゥイッチャー85S】で橋脚を丁寧に攻める。
さっきの食事が良い休憩になったんだろう。
キャストがメチャ冴えてる。

コレでもかっ!って位に橋脚に寄せてルアーを引く。
当りがなければ諦めがつくほど完璧なコース。
この作業だけでアドレナリンがダダ漏れ。

そして、待望のヒット!

その瞬間に判った。
コレはヤツだな。

瞬間移動の様な加速に脳ミソ破裂寸前。
ジオン軍の赤い彗星も真っ青だぜ。

キタ、キタ、キタァ~!

サイズは40ジャスト。

もう少しサイズが欲しい所かな。
今年2匹目のマングローブジャック。

コレは残りの橋脚にも期待大だな。
次のキャストも完璧なコース。
コーナーに差し掛かった所でヒット!

この立ち上がりと馬力。
姿は見えなくともロッドからそのスペックは読める。
またしてもマングローブジャックだ。

しかし、親指でスプールをロックした瞬間に
コンクリートのコーナーに侵入されブッチリ。
手痛いラインブレイク。

その後はタイリクスズキがヒットしたりと、
眠気を忘れるようなイベントもあったが、釣果に結ばず。

そして、日が昇り始めると反比例して
気持ちが落ち込んできた。

「深センに帰りたい・・・」

エアコンの効いたバスに乗り、ひたすら睡眠。
とにかく移動距離が長く、停車駅の多いバスを選んだ。
帰りたい気持ちで覆われる中、
とにかく楽しい事を想像して目を閉じる。

こんな感じで、午後の4時まで時間を潰し、
無事にパスポートを受け取った。

ビザの有効期限は1年。
来年の事を考えるとゾッとするな。


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