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密着!凄腕24時

  • ジャンル:ニュース
凄腕GP第6戦BREADEN CUPを戦う凄腕プレーヤーの戦いを密着体験レポート。



28日深夜、私は都内某所にいた。


数日前に舞い込んだ

「凄腕最終日の戦いを月末にやるんだけど、同行してみないか?」

そんなオファーに応える為に。


しばらく待つと、その時点で苦肉のボラをウェイインし、2位に浮上した村岡氏が現れ、氏の運転する車に乗り込み、我々は一路千葉を目指した。

「背にボラは変えられぬって・・・」

と巧い事言うたった、という充実に満ちた笑いを浮かべる村岡氏は逆転優勝のプランを語った。


「ソーダ(ガツオ)が釣れているという確かな情報があるので朝マヅメに先ずそれを確保して28cmのカサゴを入れ替える。

そして一休みした後に夕マヅメで60UPのワラサを獲って逆転する。」

関東で、もう、陸からワラサが獲れる場所があるのかと驚く私に

「超々、極一部しか知らない情報だからね・・・フフフ・・・」


もはや勝利の方程式は発動した、とばかりに余裕の笑みを浮かべる氏に、こちらもドラマティックなワンシーンの期待が高まる。


ひとまず、軽く宿泊し明日の朝マヅメに備える事となった。

「4時に起きて朝マヅメに行きましょう」

目覚まし時計が、携帯電話にある皆藤愛子の目覚ましボイスである事に、私は一抹の不安を抱えながらその日は終わった。


翌日、私は4時5分には間違いなく起きていた。
そして、そこで葛藤した。

不発に終わった皆藤愛子に代わり、村岡氏を起こすべきなのか、どうか?

商業的ジャーナルな立場としては良い記事の為に、一刻も早く起こすべきだろう。

だが、平等な傍観者、ありのままを伝える真のジャーナルとして、早起きも技術の内とすれば助けるのは不公平。

そして私は後者を選んだ。


その結果、現場に着いたのは日もスッカリと高くなった6時過ぎ。

「聞こえた?皆藤愛子?聞こえなかったよね?」

出遅れた焦りか、潤んだ瞳のプリティボイスによる快適な目覚めを期待した後悔か、何度か問いかけられた。

確かに不発であった。


だが、しかし、まだ海は村岡氏を見捨てなかった。

現場に着くや否や、立ち込める魚の匂い。


カゴ釣り、ルアー釣り、方法を問わず次から次へと海から抜かれる魚体。

まるで、漁港、今正に魚の水揚げを行なっているその現場かと思うほどに魚の匂いに満ちていた。

さっそく始めるや否や、ソーダが次々と釣れる。


だが、何故かウェイイン用画像撮影を行なわない。

「もっと大きいのが釣れてからでいい」

振り返れば、ここからプランは崩壊していった様に思う。


そして僅か数分後、流石は青物、足が速い。
時折、群れが目の前を通過こそすれ、パッタリと釣れなくなったのだ。

ここで何故か私も釣りを始める事になり、適当、その辺に置いてあったMegabassのヴィジョンワンテンを投げてみた。

明らかに大きすぎるサイズだったが、一度試しに使ってみたいと思っていたのでスイムチェックがてらに使って見た程度の軽い気持ちからだった。



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いやー二投目で釣れましたよ(笑)

「・・・。」

微妙な空気に私は心の中で(さっき幾らでも獲るチャンスはあっただろう)と呟いた。

結局、その後は益々、釣れなくなってしまいカサゴ28cmの入れ替えに失敗するという結果に終わる。

首位の吉田さんとは約40ポイントもの差があるだけにこれは痛い大失策。



29日11時時点 吉田 さん 302pt 村岡氏 265pt


その後、根が混在するサーフへと移動しマゴチ、ヒラメを狙うが正直な所、期待感は薄い。

ところが、現場に着いた我々は大量のイワシが居る事を目にし、テンションが上がった。


すかさず、S-RUSHを

「レンジが丁度良い」

と投入するや否や、真下からルアーに飛びつく魚体が私からも見えた!

マゴチか!?

だが、正体はなかなかのサイズであるがエソであった。


「よっしゃぁぁぁぁー!メジャーメジャー!」

数日前までボラは使いたくないと言い、数時間前までサクラマスをウェイインしているレアリティについて語ったトッププロは今、エソで狂喜している。

ある意味、凄腕の恐ろしさを垣間見た瞬間でもあった。


凄腕に関わって変わらずにいる事が出来るなんて不可能だ

そんな名言をこの機会に世に残したい。



29日14時時点 吉田さん302pt 村岡氏 281pt


これで後はボラ43cmを+22pt つまり65cmのワラサを釣れば逆転、と言う当初目標に修正する事が可能となった村岡氏は一旦休憩し、夕方の勝負の時に備えた。

「41cmのサクラマスは残して43cmのボラを入れ替えたい」

是非とも前者を入れ替えないと優勝できない、64cmのワラサが釣れる事を期待した私を乗せた車は最終決戦の地へと走っていった。


29日夕刻、氏曰く、サンダルとスニーカーでも入れるという地磯に到着した。

道具を貸すので一緒にやりましょうと言って頂き期待に胸を膨らませ先へと進んだ。



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サン・・・

えーと、僕はあの辺でやるんですか?


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居なくなったと思ったらいつの間にか、フル装備になっていた村岡氏は言った。

「あの岩」


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サンダ・・・

村岡氏は川の様な激流がカッ飛ぶ流れをどうたらと言いながらベストポイントである岬の先端へと消えていった。

完全にスイッチがONとなった凄腕トッププレーヤーは自分のゲーム以外に構っている余裕が無いと判断し、邪魔になってはならぬと、私はゲームの終了を静かに待った。



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29日 19時15分 ノーフィッシュでゲームセット

吉田さん 302pt 村岡氏 281pt


何やら先端の方で騒いでいたが逆転ならず、戦いに幕を下ろして欲しかった。

そう、ここで下ろして欲しかった。



まさかの延長戦へと続く(番外編)






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