パターン

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釣りの世界に「パターン」という言葉がある。
「パターンを読む」事が良い釣果への近道となるらしい。



ワタクシが考えるに、パターンとは読むものではなく、
所有するものであると思う。

釣り場において、釣り賢者が自らを釣り賢者たらしめんが為に切る、
膨大な時間と労力という犠牲を払い、得た知識と経験に裏打ちされた「パターン」という名のカード。

不肖ながらこのA吉田も釣り師の端くれ。
賢者では無いにせよ、パターンの1つくらいは所有している。
まあ、それでいても草ルアーマンである事に変わりはないが。
*注:この場合の「草」は草食を表す意ではなく、
草野球等に用いられる「草」と同義である。



8日午後、北部九州に最接近した台風24号であるが、
じょべさんがフォースを使って見事に台風を粉砕してくれたおかげで、9日は釣行可能になった。
じょべさん、グッジョブ。



2時半に起床、3時出発。
明け方一人、呼子の磯に立つ。
うねりが有るには有るが、台風直後にしては風も波もおとなしい。

ここは以前、なすすべなくフィードポッパーを持ち去られた場所。
あの時のワタクシとは、一味も二味も違うという事を知らしめてやる。
願うはヒラマサとの真っ向勝負。


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先日より「コイツしかない」と決めていたレッドペッパーマックスを、これでもかと投げ倒す。

おもむろに「コイツじゃないかも」と思いオシアペンシルを投げ倒す。

さらには「コイツでもないか」とミノー数種を投げ倒してみても海面が割れるような事もなく、

「実はコレかな?」と行きしなマルキン釣り具で購入した
「激投レベルジグ 100g(ピンクのシマシマ)」を投げてみる。

着底とともにシャクりもせず一気にハンドルを12回まわし、底までフリーフォール。
「巻き」のスピードは最高速、12回という数についてはただなんとなく、である。
1回転1.2mの巻き上げ長だが、角度があるので底から6mも上がっていないだろう。
上のほうで反応がないので、底周辺を探る意図なのだ。

キャスト、着底、1 2 3 4 5 6 ドスン。
なかなかの重量を感じた。

「来たな青物、サシで勝負だ」


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釣り座背面には、少し離れ岩の壁がそびえる。
見回せば、壁から剥離した巨大な石柱が何本か立っている。

この陸地が海から現れ遥かな時間を過ごす間、
岩壁から剥がれたたくさんの石柱が崩れ、巨石となり海に沈んいったのだろう。
足元から2~30m先までその巨石がやや密にごろごろと沈んでいるのが確認できる。
沈んだ巨石は、本来ならばもっとあるであろう水深を2~3m程の浅瀬に変えていた。

ヒットしたのは5~60m先。
巨石が沈む30m先に寄せるまで、完全に浮かせておかなければワタクシの敗北は確定する。


ありったけの力とスピードでウムを言わさず巻き上げ、青物に濃い雲残る大空を拝ませた。
海に住みこそすれ、さすが野生児。
空は見ても敗北は見ないと確固たる意志を込めてエラアライ。












・・・・エラアライ
(。´-ω-`。)??




ス・・・スズキ。

ハニワのような顔で1人力高速巻き取りモーター「A吉田」が、
スズキに水上スキーを食らわせながらあっという間に足元へ。

眼前の浅場に漂うスズキの姿態が想像以上に大きかった為、
釣り上げて写真をとってブログのネタにしたい欲求にかられたが、
脳裏をかすめる恐怖の影が行動を留まらせた。
ピックアップを躊躇していた時、針が外れ海へお帰りいただいた。

「これでいい。これでいいはずだ。ワタクシはスズキを釣ってない」

まだ8時だ。
時間はたっぷりある。
気にするな。
今日は違う。

それから延々、潮が止まる5時までガチロッドを振りまくった。
延べ11時間。

以降、魚からのコンタクト・・・ゼロ。

「磯でスズキを釣っちゃったらその日はなんも釣れない」





そう、これがワタクシが唯一所有しているカード、
最強にして最悪の「撃沈パターン」
釣り上げずとも、掛けてしまっただけで効力を発揮する事が判明した恐ろしい呪縛。

この呪縛を解く方法がわかった方、
気兼ねなくお電話ください。
号泣しながら正座してお電話受けさせていただきます。

しかしながら今日はスズキを見直しました。
あれだけのハイスピードで巻き上げてるジグをしっかり食い込める、
とても素晴らしい捕食性能を秘めている魚である事がよくわかりました。

以上、おそまついいわけログでした(苦笑

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