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▼ ポジドラの渓 2019
- ジャンル:日記/一般
渓流のトラウトゲームにすっかりハマってしまった2019年。
港湾シーバスのようにピンを打ち抜く要素、ヒラスズキのような足で釣果を重ねて行くスタイル、リバーシーバスとリンクするドリフトを駆使するメソッド…
特にヒラスズキとの共通項が多く、一過性のステージで釣れるところが実に面白い。また魚体も美しいのもその魅力の一つ。
いつかポジでもトラウト用のアイテムを作りたいとは思っていたのだが、今年はその目標に向けて大きく前進。
トラウトに通い込んでみた。
とはいえ、ソルトのイメージがベットリと染みついたREDである。いくらトラウトが好きだと言っても潮臭さは消しようもない。
ならば、尺オーバーヤマメの釣果を出して、その性能とこのルアーに掛ける思いを証明するしかない。
そしてポジドラの2019の渓流への挑戦はスタートしたのである。渓流というとボンヤリ頭に浮かぶのが山間の谷を流れる上流でのトラウトゲーム。
林道を歩き、藪漕ぎをして入る山岳渓流ならばそれなりヤマメやイワナは飽きない程度に数は釣れる。
正に癒しの渓流だ。
だが、型(尺オーバーのヤマメ)を狙うとしたらどうか。
型の良いイワナなら山奥でも出るかもしれないが、良型のヤマメを山岳渓流で釣るとなると難しい。
サンプルで作成したのはシンキングタイプのK-50SとフローティングのF-50(アウトヴ50F)
型狙いならば本流ヤマメ。
山岳というよりは平地を流れる水温20度以下の川幅の広い中流域での釣りだ。
高低差のある山岳地帯よりもその下流域の方がアユなどベイトフィッシュも豊富。
型の良いヤマメは大量の餌を求め山岳渓流から下流の本流筋に降るという。
メインのフィールドは自宅から2時間チョイで行ける利根川水系に決める。
毎回毎回早朝から遊漁券を購入するのに右往左往するのも鬱陶しいので、最初から年券を購入してしまった。
もうこれで通わざるを得ない状況に自分を追い込んでみる。春の釣具業界は忙しい。しかも3、4月中は渇水状況が続いていたので、本流ゲームのトライはGW頃になってしまった。
■初釣行の利根川水系本流
利根川水系のその川は初めて訪れる場所ではあるが、予め航空写真で地形をチェックし、だいたい一日でどこを回るかはもう決めていた。
ポイントは水深1mくらいの瀬を中心に回ってみることにした。メインに使用したのはK-50S。
シルエットは体高が低めのフラットサイド。
トゥイッチを入れると平打ちするタイプだが、昨今の流行りのヘビーシンキングではない。瀬にいるヤマメを攻略するコンセプトなのでウエイトは3,8gのサンプルを用意してきた。
朝一に入ったポイントでは27~30㎝のヤマメを3本キャッチするが尺は出ない。
立ち位置を変えたところで尺オーバーと思われるヤマメをヒットさせるもののジャンプでフックが外れてしまった。
その後、ポイントを転々とするがなにせ始めて訪れる河川なものだから入渓点さえ手探り。
昼はノーバイトが続くが、朝一バラしたヤツの手応えが頭から離れない。日が傾き夕暮れに差し掛かる頃、朝一のポイントからだいぶ下流のエリアへ入る。
いままで山岳渓流を中心に釣りをしていた私にはとてもヤマメが釣れるような風景ではないのだが、落ち込みの流れが対岸のブロックに当たり深瀬を形成している。いかにもフィッシュイーターが好みそうなポイントではあるが…
足元のブレイクと背に沈む大石回り、ブロック際をタイトに攻め、少しずつ上流へ歩を進める。50mほど釣り上がった時、ルアーの後ろで足元のブレイクから黒い影が少しだけ動いたように見えた。
すかさずワントゥイッチを入れた瞬間、重い当たりと共にサクラマスを思わせるファイトが始まる。
「…なんだコレは!!⁇」
その時のロッドは渓流用のアングロ パラゴン5.5ft
ランディングネットも渓流用のものでランディングにてこずったがなんとかネットイン。砲弾型の素晴らしい魚体でうっすらとパーマークの残るヤマメに足が震える。
サイズは40㎝をわずかに欠ける39㎝
初釣行の釣果としては上出来過ぎる。
■梅雨時期の尺ヤマメ
なににしろなんとなく水量が安定しているせいかすこぶる釣りやすい。
6月7月にはコンスタントに尺上のヤマメを手中にすることができた。
水位とベイトの稚鮎がどこに付くかがキーワードのようで、この河川に通うことで様々のことを学ぶことができたのは収穫だった。
また、山岳渓流の釣りと本流ヤマメの釣りを切り離して考えることで、釣果を大きく伸ばすことができた。
このころからトゥイッチにばかり頼らずドリフトやノーアクションでのルアーの‘流し’についてあれこれ試行錯誤するようになる。
■尺ヤマメの大釣り
もう一つ、6月に経験した忘れられない釣行がある。少し足を延ばして南会津の河川を訪れた時のこと。
ここも初めて訪れる河川だったが航空写真で10か所ほどポイントに目星を付けていたのだが…。
最初に入ったポイントは浅い早瀬。流れはかなり速い。初夏には浅い早瀬にヤマメが付くと言うが、潮臭い経験が邪魔して疑問符ばかり付きながらポイントへ入る…。
一投目からいきなり黒い影が走る。落ち着いて軽くトゥイッチを入れ、さらに糸を送るように流すとロッドが絞り込まれる。
いきなりの33㎝のヤマメ。
そして次のキャストでも再び尺上がヒット。
なんなんだこれ⁇
朝一に入った早瀬のポイントを300mほど釣り上がっただけですでに尺ヤマメが10数本。
明らかに放流魚と思われる個体も混じるが、こんな経験は初めてだった。
その後、ポイントを移動し似たような早瀬へ入り、さらに尺オーバーを数本追加。
最大は36㎝。
こんな大釣りの日に当たるなぞつゆも思わず、ジェネラル大澤を誘っておけばよかったと少々後悔する。
仲間からは抜け駆けしやがってっと散々な言われようだ…
■盛夏の本流
8月の利根川水系の本流ヤマメは上流へ遡上し始めるらしい。とはいえやはり山岳渓流ではなく本流にこだわりたい。
探したのは冷たい支流が入る合流点。これに岩盤が絡むエリア。
岩盤のコケを食むアユが入ると思われる場所だ。藪漕ぎしまくり、川通しに数キロ歩いたりしてようやくここはという場所を見つける。
夏場のスリットに潜む大ヤマメにはフローティングのアウトヴ50Fが無類の強さを発揮した。
川の流れと平行して入る岩盤のスリット攻略には流す釣りをしないと全く攻略できない。クロスにルアーを引いたのでは追う距離が非常に短い。
アップにルアーを投げ強めのトゥイッチを縦方向に入れて左右に大きくルアーを飛ばす。
リトリーブするとスリット上からルアーが外れてしまうのでそのままルアーを流す。
ときおりニジもヒットしてしまうが、釣行の度に尺オーバーのヤマメが顔を出してくれる。盛夏の時期は東北方面へも足を延ばし、結果は上々。
ジェネラル大澤も尺ヤマメの数を順調に伸ばしていた。
■秋ヤマメは足で釣る
利根川水系の9月最終釣行ではジェネラル大澤と同行。正直、秋ヤマメのイメージが湧かず、また気候もまだ夏真っ盛りという状況。
8月にメインで攻めた冷たいインレットのポイントを中心に回るが圧倒的にヤマメが抜けてしまっていた。
それで朝一にジェネラルがナイスサイズを掛けるも岩盤上でフックアウト。
午後に入り、行ったことない上流部を開拓する。数キロほど川通しに遡上すると岩盤のエリアが現れる。だが、かなり流れが速く荒れ気味。
左右両岸から狙うがどうも攻めあぐねる。ヤマメが付きそうなスリットが数か所偏向越しに見えるが届かない。なんとかルートを見つけ、ダイレクトに撃てる位置へ入った一投目に今シーズン最後の尺オーバー37㎝をランディング。
こいつもアウトヴ50F
トゥイッチ3発入れてから5m近くスリット上においてドリフト。引っ手繰るようにアウトブを持って行った。
2019シーズン中に私が釣った尺オーバーのヤマメが26本。
ジェネラル大澤の釣果を含めると30本以上の尺オーバーをK-50Sとアウトヴ50Fでランディングすることができた。
ポジドライブガレージ渓流チームとして今年の釣果テストでは良い結果を出せたと思う。また、根を詰めてプロトを削りまくった飯村も大きな自信となったに違いない。
K-50Sとアウトヴ50F
さてどちらからリリースするかと悩んだ末にフローティングのアウトヴ50Fを2020年2月にリリースすることに決めた。
ヘビーシンキンング主流のご時世にどうかと思うのだが、あえて市場で選択肢の少ないフローティングミノーからの発売で勝負してみたい。
また、ソルウォーターブランドの『ポジドライブガレージ』ではなく、新たにトラウトブランドとして『アンフォールド』という名称での発売をすることにした。
https://pdg-unfold.blogspot.com/
2019年は尺ヤマメ以外にもいろいろなフィールドでこの二種のルアーやその他のプロトでも釣行を重ねている。
ブラウンは60㎝アップの個体。
テストモデルの60ミリサイズのプラグで。
K-50Sで連続ヒットしたサクラ。
日光湯川でブルックが次々とヒット。
K-50Sについてはもう少し調整しつつ練り上げたいと思う。
また、その他のモデルについても2020年度には少しずつ形にして行きたいと考える。
でもまぁ今年みたいにテスト釣行でうまく釣れればいいんだけど…。
- 2019年12月19日
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