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無事お届けしました

 

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4月3日(日)に行われた北陸フィッシングショー2011、「釣り人による災害復興プロジェクト」にご参加頂いた皆様、本当にありがとうございました。

大きな災害の後というタイミング、例年にない寒い朝を迎え、まずは来場者の数が心配だったのですが、前回の数を下回ったとは言え1日で8,880名もの方々にご来場を頂き、半減するのではないかという予想を遥かに上回る結果となりました。

北陸フィッシングショーの模様はあらためてご報告しますが、今回はショーの終了後に救援物資を搬送させて頂いた福島県は南相馬の様子を中心にご報告します。

告知から僅か1週間というタイトなスケジュールにも関わらず、遠くは四国から郵送されたものも含め、本当に多くの救援物資が会場に持ち込まれました。

「被災地への効果的な支援」を目標にしてきた実行委員会では、ただお金を集めて寄付するだけでなく、釣り人が集まる事によってできる具体的な手法として「今、最も物がなくて困っているところ」への救援物資の配送を考えました。

しかし今回の震災はあまりに大きく、範囲が広いことから被災地からの情報収集の難しさに、いきなり直面したのです。

被災地での対応も追いつかないことから、個人からの物資は受け付けられず(仕分の手間が増える)、逆に被災地の集積場に物資が集まり過ぎて、市など行政が行っていた物資の受付も3月一杯で打ち切りとなってしまう事態。つまり、情報のあるところには荷物が一挙に集中しパンク状態になってしまい、情報のないところには一切荷物が届かないという状態なのです。

これは、今でも変わりません。


ここに問題を感じ、人が集まるイベントでは「後方支援」として個人が持ち寄る救援物資を取りまとめることができると考えました。


以前のブログにも書きましたが、お金や物資を寄付することは容易ですが、本当に困っているところ、効果的な支援は、支援する側がよほど努力をしない限り成り立たないのです。

支援に対する「ニーズ」と「マッチング」の難しさ。これが東日本大震災の特徴と言えます。

自分がまずブチあたった壁が「ニーズ」、現地からの情報の少なさです。県や市は、おそらく同じ情報ソースしか持っていませんでした。もちろん、各部署は一生懸命努力し対応も早かったのですが、支援したいという一般人の行動を後押しできるレベルの物ではありませんでした。

効果的な支援を行うために「本当に困っているところはどこか?」を探すところからはじめたのですが、前述の通り、行政からそれを引き出すのは不可能でした。自衛隊、病院と連絡は取ってみたものの、そこから現地の情報を取り出すことはできませんでした。

それともう一つ、今回の救援物資の搬送が「今すぐ」ではなく、4月3日に届けなければならないというタイミングの難しさです。

被災地では日々、状況が変化して必要な物、必要な場所がめまぐるしく変わって行くのです。効果的な支援を考える場合、この「マッチング」も大きな障害になりました。


この「ニーズ」と「マッチング」の2つの問題を解決するために利用したのが、全国に400ある「商工会議所青年部」(略してYEG)のネットワークでした。

自分は、地元加賀YEGの監事を努めており、全国400単会、26,000人のメンバーが出向により連携する日本YEGに、平成18年度研修委員長として配属していたという経緯もあり、各地の被害状況をある程度知る事ができたのです。


現在、福島県連会長である阿部さんから、福島は原発の風評で物資が届かず、約1,300人が孤立しているという情報が入り、当初は福島市に向かう計画でした。

もちろん、岩手や宮城も大きな被害を受けていたのですが、時間差を考えても、福島への支援が効果的と判断したのです。

それから3日ほど経過したタイミングで、福島市は交通も回復。「ここはなんとかなる。今は南相馬が大変です」という阿部県連会長からの提案で、搬送地を変更する事にしました。

こういう変化も、被災地の情報を集めることを難しくしている要因だとも思いますが、ここをクリアしないと「支援者の一方的な善意」に終わってしまい、効果的な支援はできないのです。

南相馬では、今回窓口となった唯野さんとコンタクトを取る事ができ、被災で大変な中、現地で必要な情報を頂いたのです。


しかしながら、このとき気がついたのが南相馬の位置。

Googleマップで調べると、そこは福島原発から25km地点でした。自宅避難を自主勧告している、30km圏内です。

さすがに、ビビリました。

南相馬に物資が届けられていない理由はただ一つ、放射能の影響が心配され、運送会社が一切乗り入れられていない(現在は少しずつ回復しています)からです。(我々が伺った4月4日現在、運送会社どころかマスメディアも入っていない状況です)

 


 

北陸フィッシングショーで回収した物資は7,277点。これを日本海企画さん、ハマケン&マーフィーの協力でお借りしたトラック2台、ワンボックス1台に積み込み、ドライバーとして志願してくれた早川日出雄(北陸フィッシングショー実行委員会)、蔵野雅章(北陸フィッシングショー実行委員会)、水口謙二(ルアーマガジン前編集長)、柴垣敏克/またべさん(民族楽器奏者)、総勢5名で夕方から福島県に向かいました。
 


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新潟の黒崎PAで西村さんと合流。新潟のバスアングラー有志が集めてくれた物資をトラックに積み込み、仮眠を取った後に再び福島を目指しました。
 

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高速道路、PAの至る所で見られた自衛隊、警察、消防署、レスキュー隊の皆さん。一日でも早い復興のため、夜を徹しての移動に頭が下がります。自分達はほんの一瞬ですが、彼らは長い時間現地で気の遠くなるような作業に取り組むのですから。

早朝4時に黒崎PAを出発し、磐越道で朝日を拝みながらひた走る事3時間、福島西ICを降りる前に燃料補給のため郡山JCTを過ぎてすぐの安達太良PAに入ります。

ここでガイガーカウンターで放射線量をチェックしました。



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Gigazine によると、地球上で我々が1年間に浴びる放射線の平均が2.4ミリシーベルト毎時(2,400マイクロシーベルト)と言われており、それを365日で割り、さらに24時間で割ると、0.27マイクロシーベルト毎時、ということになります。

つまり通常我々が浴びている放射線量の4.7倍という計算になりますので、それほど大きな数字ではないと思います。

ちなみに直ちに危険ではないが、ひょっとすとガンになる可能性が高いと言われる放射線量は100ミリシーベルト毎時、マイクロに換算すると10万マイクロシーベルト毎時です。

 

安達太良PAでの数値がどのくらいの量であるかは、分かって頂けると思います。


給油を終え、福島西ICで下車しました。救援物資の搬送に関しては、団体であれば県に申請して高速道路料金の全額免除を受けられます。トラック3台分の申請書を料金所で渡しスムーズに下車することができました。

ここでYEG福島県連会長の阿部さんと合流し、相馬から南下するルートで南相馬に向かいました。

 


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福島原発から30km地点を超えます。ガイガーカウンターで放射線量を計測しながらの運転で数値を見ても全く問題なかったのですが、さすがにこの看板を超える時はちょっとだけ緊張しました。

山越えして、海の近くを走ると津波の爪痕がくっきりと残っています。



 

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約2時間ほど走り、ようやく南相馬に着きました。相馬のほうはまだコンビニやガソリンスタンド、お店が開いていましたが、南相馬の商店街はどこもまだシャッターが降りたまま・・・



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ようやく原町商工会議所に到着です。

 

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唯野さん、荒会長をはじめとする、原町YEGのメンバーに出迎えて頂き、皆さんからお預かりした救援物資を無事、届ける事ができました。

 

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福島原発から30km圏内の自宅避難地域は、物資はおろか、自衛隊や警察の手が入っていない、国から見殺しにされている場所です。

30km圏内の屋内退避を解除するか、国がちゃんと補償して強制退去とするか、早い段階での判断を下して欲しいと願います。

続きはまた明日ご報告します。






 

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