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上宮則幸

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砂塩鱗 歓喜の浜で

ニベをテトラに引き揚げる。
ギャフはエラに差し込まれているだけ。
Oさんの心遣いをおれはすぐに気がついた。

リリース出来る可能性があるなら、放してやりたい。

それはおれが度々周囲に漏らしていた事で、強い道具仕立ては素早くランディングするためだ。
当然、Oさんもその意向を知っていた。

ギャフを抜く、ボガを撃ち込む。
素早く撮影に入るも、エラからの血液が静かに美しい銀輪を朱に染める。

ギャフでエラは傷付けてはいなかった。
ニベの口の中を覗き込む



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あまりにも完璧な…

無情にもアシストがダブルでエラを刺し貫いていた。
追い食いしたのだ。
グローブで魚体の血糊を拭う。
しかし、止めどなく赤いものが溢れる…

ニベをキャッチする事、それを成したらリリースにチャレンジする。
昨年から思い続けた望みの一つは潰えた。
リリースを試みるのは残念ながら断念した。
でも、Oさんの心遣いには感謝!
ありがとうございました!


先程ニベをキャッチされたKさんのメジャーをお借りして採寸。
いわゆる中ニベ級のサイズ。
メーターには少し足りないが、今のおれには満足なサイズ。
一筋の裂目も無くピンピンのヒレ、厚みのある豊満な魚体に暫し酔いながら撮影。




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その日浜に馳せていた沢山の顔見知りのアングラーさん達から祝福の言葉をいただき共に喜ぶ。
至福の時だ。

どうせなら、魚を美味しくいただけるようにと〆の処理を終え、自分のウエアの汚れや臭いに気付く。
ニベ汁まみれだ。
Oさんがおれのキャップに付着した血糊を指差し「勲章だ」と。

グローブやキャップ、ベストにウエーダー…波のタイミングを見て海水で洗おうとするも、少しの波でも上手くは行かない。
ウエアを洗うにもこんなに困難なんじゃ、これじゃあ失血がなくともしっかり蘇生させてのリリースなんて難しいな…
キャップの血糊は落ちなかった。
思い出を刻んだ。


釣り座に戻り、再び竿にを握る。
ヒットルアーのサンティスを再び投げる。

程無くして、いつのまにおれの左に移動していたOさんの竿が曲がっている!
竿の挙動が激しい。
バタバタと暴れ、ドラグの唸りもけたたましい。

今度はおれがサポートにまわる。
右側の浜に魚を誘導するOさん。
魚の暴れっぷりが半端ではない。
相当なサイズのように見える。
「竿が…魚がプレッシャーを嫌って暴れるんです サイズ?多分そんなに大きくは無いですよ」
竿の特性を少し気にしながらも、慌てる素振りも無くジンワリ弱らす。

近くにいたヒデさんも駆け寄る。
フザケながらも見守る。

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最後はおれがギャフ入れ。





お祭りのような1日だった。
おれもそのお祭りを堪能できた本当に夢のような1日。

遂に迎えた『その日』が終わった。











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