きもちゃんどこですか~ http://www.fimosw.com/ 釣果情報・シーバス、メバル、イカ、チヌ、青物、ヒラメ、マゴチ...ソルトアングラー支援サイト、日本最大のWEB釣り大会『凄腕』、釣り動画fimoTVなど(会員登録無料) ja 7月28日 http://www.fimosw.com/u/nknk/4yeuvt5x49ntad 2018-08-01T12:00:00+09:00 昨夜、とりあえずの釣果が漸く出た。
バイト多数と言うわけでもなかったが、それらは力強く明確なもので、やはり狙い方に間違いは無いように思う。

ただ台風の接近が気になるところで、雨次第では地形が様変わりしてしまうだろう。
恐らく、増水がなくても現在は河口付近の地形変化の過渡期で、今のトレンドを見るにどんどん淀みは深くなっていく傾向にあるはずだ。
次の手も視野に入れなければいけない。

明日は日曜。
日曜の夜は魚釣りに行かない事にしているおれにとっては、今夜が恐らくこの淀みからの定点撃ち最後の夜になるだろう。
天気予報では月曜からは数日雨だ。
モンスターに口を使わせられるのか?

うんと上流から各支流の水質を見ながら河口に着くと予定していた時間丁度だった。
昨夜に続き今夜も釣り人は皆無だ。

淀みに降りる際に足下を照らすとベイトが岸際から逃げるのが見えた。
おや?と思って岸際に平行にライトを向けると、疎らながらも小魚が見えた。
体調10~15cmくらいか。

手でライトの光が拡散しないように足下だけ照らしながら進むとまた小魚が数尾。
小さなコノシロだ!
水質は昨夜よりも更にクリアアップしている。
一連の釣行の最後に相応しく、最高の御膳立てだ。

立ち位置に着いた。
今夜は竿をベンダからクローラ83に持ち代えた。
昨夜のヒットルアーがアイマのアイボーン98。
そこで比較的小型のプラグを多く持ち込んだから、ロッドもそれに合わせたわけだ。

暫く投げずに流れを見つめる。
定点付近に僅かに見えるヨレ。

ん~もう少し下流に立ちたいなぁ…と思って潮位が下がるのをそのまま待つ。ジリジリと歩を進めて、丁度いい場所に着いた頃にまた流れが加速して自分の背後で水面が微かにざわめく音がした。
淀みから流れに吸われ落ちるベイトの群れだ!
数日前に描いたシナリオそのままの展開に我ながら驚く。

昨夜のヒットルアー、アイボーンで第一投。
頭を下流に向けるようにドラッグをメンディングしながら定点に向けルアーを流すと、手前でコン!と小さく短いしかし力強い、明らかにバイトと分かるショックがクローラのティップを震わせた。
セイゴだから合わせるな!と心の中で呟いた刹那、ズン!!と、ウエイトがロッドにのし掛かった。

反射的に合わた!
一瞬水面が小さく爆ぜたかと思うと、いきなり猛然と魚が下流を目指し始めた。
デカイ!!
バタバタと竿を叩き魚が水中で首を振る様が手に伝わる。

カワヌベだと思った。
シーバスじゃないこの重量感は。
魚を走らせながらドラグを少し緩めおれは浅い方に歩を進めた。
ちょっとこの魚をこの深場で相手するのは心許ない。

ジリジリスティーズのドラグを滑らしながら歩いているうちに魚の突進が止まった。
流れの中で頭を上流に向けてステイしているんだろう。
微かに左右に首を振る様子だけが伝わる。

腰までの水深に辿り着いた。
途中からスプールをハンドドラグで押さえながら魚を引きずったが、ヤツは無抵抗だ。
足元を整えてファイト開始。
ドラグを軽く滑る程度まで絞めた。
竿とラインの確度を90度にして竿のダンパーを使う。
決してポンピングはしない。
また魚が暴走を始めかねない。
竿の角度を一定に保ち、ゆっくり慎重にスティーズを巻く。

ヤツはとんでもない重量感を手元に伝えはするが、全く無抵抗で拍子抜けするほど呆気なく寄って来た。
水面を盛り上げ、時折尾びれが見える。
間違いなくまだまだヤツは余力を残している。
いつその尾びれを振るって猛り始めるか?
恐怖にも似た心情でおれはゼクサスを焚いた。

予想に反し、目は赤くは光らない。
しかし驚く程の巨大な鱸が閃光に驚き横に翻った。
カワヌベのような体高。
全長は120~130クラス。
暗い水の中に眩しい位の明るい銀輪が光る。
間合いは1.5m。
それを遠ざけるが如く鱸がおれの横をすり抜け上流に突進!
すぐにスティーズのドラグが唸り始めた。
ヤバイ!と思い指をドラグに伸ばし開放しようとした時、ヤツが水面に躍り出た!
閃光の中で手が届きそうな至近距離で巨大な鱸が全身を曝して身を捩る!

対応が遅れたおれはそれでもクラッチを切りスプールを開放、始まった怒濤のランに耐える。

ギッギッギッ

この瞬間クラッチに頼った自分を呪った。
濡れた指に引っ掛かりライン放出がスムーズに行えない。
ヤバイ!と思いクラッチを繋ぎ、ドラグを開放したその瞬間、水面が再び爆ぜた。

そして、クローラが弾け上がりテンションを失ったレジンシェラーがだらしなく垂れ下がった…

痛恨のフックアウト!
嗚呼、無念だ。

もっと淀みの浅瀬まで遊動してファイト再開すべきだった。
やはり、魚をライトで照らすべきではなかった。
クラッチ操作はダメに決まっている…

いや、そもそも一投目から食って来た事に驚いているようでは端から主導権は向こうに握られていたようなものだ。

何年やっても下手の横好きのままだ。

フッと全身からチカラが抜けてしまった…

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上宮則幸
7月27日 http://www.fimosw.com/u/nknk/4yeuvt5yxyco7r 2018-07-31T12:32:00+09:00 おれの場合、釣り場までのクルマの中で過ごす35分程の僅かな時間が、最も純度高く魚釣りの事を考える時だ。
この夜もご多分に漏れず…

まず、流れが対岸に極端に移動してしまったのは何故なのか?を本当は昨夜考えているべきだった。
思い当たる事はひとつある。
五月の末に河口に近隣する波見漁港内に堆積した砂を取り除いた事だ。
それにより、河口の西側から東側に抜ける潮の流れが早くなったためだろう。
またそれは、河口に形成された砂州が流れに浚われる事にも繋がり、砂州の盛り上がりが削られると河川内に堆積した砂も流出する事にもなる。
河口付近のおれが淀み呼んでいるエリアが深くなっている事とも完全に一致して整合性がある。

とすると、河川へのターゲットの進入は淀みからではなく、流れが効く対岸だ。
それは明白な事だが、対岸からの釣りがおれがイメージするモンスター攻略には向かないのが事を難しくしているのだ。
それは、前回の釣りでハッキリとしている。

ただし、淀みからの釣りにも問題があるのだ。
深くなった淀みから入水した場合、沖の定点付近を丁寧に流せる立ち位置で釣りが可能な夜は大潮後の中潮初日までだろうと言う事だ。
しかも、なんとか浸かれる夜であったとしても流すアングルを細かくアジャストする釣りにはなり得ない。

まぁ、考えていたって仕方無い事は明々白々だ。
とりあえず今夜ガッツリ勝負した結果、後日の釣りはまた調整すればいいや。


淀みに歩を進める。
下げ真っ盛りではあるがそれほど強い流れは感じない。
しかし、カラマツを大遠投すると激しい流れを感じる。
潮位に合わせて少しずつ進み、なんとかフローティングミノーでもリーチが足りる位置まで辿り着けた。

潮が止まり、揺り返しの流れで引き返すまでの時間は1時間半。
あれこれ試す余裕は無い。

定点だけを攻める釣りとは言え、毎回同じ位置にキャストして同じように流すだけの釣りではない。
理想的には縦のブレイクライン沿いにルアーを流し、淀みからのスリットと交わる定点付近でルアーの軌道がU字の頂点を迎え反転するような流し方をしたいのだが、ブレイクラインと定点の正確な位置がまだ完全に把握できている訳でもないから、少しずつずらして落とし流し反転させるように努める必要がある。
それを漫然と行うだけではなく、意識的に微妙に散らすことが非常に大切だ。
バイトを出す意味でも、バイトが出た後の展開の為にも。

流れがやや収まったタイミングにキャスト直後にコツンとバイト!!
反射的にリールを素早く巻く。
重みが乗ったらガッツリと竿で合わせを決める。
乗った!
小さいながらも待望の魚だ。





もちろん対岸からでも普通に狙える魚ではあるが、おれには久し振りの肝属の魚。
やっぱり嬉しい(笑)

続けて狙うとまたすぐにヒット!
やはり着水してすぐだ。
今度は80には及ばないが鱸サイズ。





網入れしたタイミングで揺り返しの波が来た。
素早く撮影してさっさと来た道を引き返す。
余裕を持って川岸に辿り着いた。
もう少し続けても良かったか?
後ろ髪を引かれながら、でも久し振りの釣果に気分良く帰った。

明日は更に10cm潮位が下がる。
ギリギリ上げっ端までは打てそうだ…
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上宮則幸
You may dream 不安の後の信頼 http://www.fimosw.com/u/nknk/4yeuvt5pp5y2pc 2018-07-30T12:43:00+09:00 佇まいはまさにウイークリーマンションといったその宿の部屋に入ってすぐに佐藤君が「あれっ?」。
あれっ?あれっ?を連呼しながら部屋を見渡す。
部屋内のただひとつのドアを開けて溜め息をつく。
もちろんそのドアはバストイレのドアだが、彼が憤った声を発した。
「あの親父やっぱりやらかしてる!」

あれっ?とおれも思った。
この部屋1Kじゃん!
広々とはしているがキッチン意外に部屋はひとつっきり。
ちゃんとしたベッドがひとつ、架設の折り畳みベッドがひとつ、3人がけのソファーが一脚に小さなテーブルがひとつ…
佐藤君から事前に説明を受けていた2LDKでは絶対ない。

とりあえず荷物を床に起き、おれはベッド、佐藤君はソファーに座り込む。
「ちょっとこれは不味いですよ!やっぱりあの親父しくじりやがった!」
佐藤君の不安が的中してしまった。
なんとなくさっきの宿の親父の対応をおれも回想して、佐藤君の不安の意味もこの結果を見て理解した。

「どうします?とりあえ部屋を変える交渉を今からしてみますが、もし万が一2LDKタイプに空きがなかった場合は?」
瞬時におれは言葉が出ない。
まぁ、このままでもいいような気もするが、支払った料金は広い部屋の料金の筈だからそれじゃあ難だ。
しかしながら、おれ自身は部屋自体は我慢できる程度の広さではあるし、このままでも差し支え無いと言えば言えるが、それでも予約内容との食い違いを管理者に知らせない訳にもいかないだろう。
佐藤君にとりあえずさっきの親父に電話をしてもらう。

冷静に端的に事実を伝える佐藤君。
しかし、なんだか要領を得ない様子だ。
一端切った。
「向こうの間違いは認めてくれたんですが、やっぱり2LDKタイプには空きが無いらしいですわ…彼の判断では収拾が着かないみたいなんで、一端上司に相談して折り返すそうです。」
う~ん…

折り返しの電話を待つ間に部屋の中を見る。
格安な宿泊料金ながら部屋は綺麗で電子レンジ、炊飯器、洗濯機はもちろんだが、包丁茶碗皿等の調理用具、洗濯洗剤、石鹸シャンプー歯ブラシ剃刀、おまけにアイロンとか(笑)、ベランダには物干しもちゃんとあり、食材だけ自分で調達出来れば長期滞在も快適そうな部屋だ。
2LDKに空きがあればなぁ…


「やっぱりダメでした、空きがありません。」
少し後にかかって来た電話の後佐藤君が言った。
「今から向こうの責任者が来るから話し合いになります。」


最悪な場合、この部屋のままかぁ…
しかし、良く考えてるとおれが我慢出来たにしても、撮影した動画を仮編集してFishmanオフィスに録ったその日のうちに送信したい佐藤君には大いにストレスになるのは明白だ。
今回は発売前のルアー、『パンプキン』のPVの任務があり、しかもその発売までの期間は短く、宿での作業も重要性は非常に大きい。

責任者が来た。
直談判が始まった。
やって来たのはTシャツに短パンの島らしい服装の男性だが、どう見ても日本人ではない。
大変な男前で、長身に浅黒い肌、濃い顔立ちのニグロ系、おまけに長髪髭面顔面ピアスがビシバシ(笑)

見た目の過激さとは裏腹に、まず向こうが明白なミスを真摯に認めてくれたのはひと安心。
大変丁寧にミスの原因を説明してくれて、現在の向こうの部屋の空き情報を隠さず教えてくれた。
広い部屋には空きが無いと言う。
それでも、何としてでもフォローをするから、おれ達の希望を言ってくれと、誠意が充分伝わる言葉が彼から聞けた。

どうやら彼は誠実な男で充分に信頼に値するようだ。
話し合ううちにおれも佐藤君も彼に親しみを感じるようになり、終いには彼を『サチくん』と気軽に呼ぶようになった。
一先ず今日は、もう一部屋同じ1Kの部屋を準備してくれたが、それはおれ達には満足な提案だった。

それぞれの部屋に戻り、支度を整える。

さて、こうして漸く早速宮古島での活動が始まった。

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上宮則幸
7月26日 http://www.fimosw.com/u/nknk/4yeuvt5hy9no24 2018-07-28T12:00:00+09:00 ヘッドランプヘッドランプヘッドランプ…
あった!

いつもはクルマのラゲッジルームに撮影用のライトと一緒に置いてある筈のゼクサスが、何故か助手席とセンターコンソールの隙間に落ちていた。
日曜の晩に息子と夏祭りを見に行った際、幼い彼が夜道で躓かないように足元を照らすつもりでバッグに入れていたのを、帰りに取りだし適当に隣に置いたのだった。
昼間遊び過ぎた彼はおれに抱っこをせがんで結局使わなかったんだっけ。

伸びっ放しの長い髪、RBBのネックガードをビーニー代わりにしてスッポリ覆い、上からゼクサスを装着した。

昨夜見た様子では、先日の雨による増水以前よりも流芯がうんと対岸に寄っている。
手前の水はトロンとして動かず、またこちら側からフルキャストしたところで美味しい流れをルアーに当てる事も出来なかった。
だから今夜はまず対岸だ。


足下からガンガンに走る流れ。
やはり向こうとは大違いだ。
流れに敏感で鉄板バイブ並みに広いリーチを持つハンドメイドルアー、カラマツ75をフルキャストしてサーチすると着水地点から20m引いた辺りで急に水を噛む。

続いてシュナイダー18に変え地形を探る。
このルアー、干潮前後の肝属河口で使い勝手が抜群にいい。
浅く流れが急な川である肝属には絶妙なウエイト設定で、ボトム付近の微妙なレンジ差がリトリーブスピード一定でもティップの上げ下げだけで容易にコントロール出来る。
今回はその特性を生かして地形のセンシングをする。
一定幅でピョンと跳ね上げては落とし、跳ね上げては落とし…
明かりの無い暗闇で足下の安全を確かめるために杖で歩前を突いて確かめるようにして脳内に3Dマッピングを進める。

やはり、カラマツで感じた流速差の筋の辺りにブレイクラインがある。
そこから手前の速い流れの中も、もちろん有望ではあるがデカいヤツが悠然と定位するであろう位置は恐らく沖のブレイクラの線上のどこかだろう。

まだト書きが書き込まれていないおれのシナリオはこうだ。
今はまだ見当たらないが、ベイトがハクであれコノシロであれ群れを成すのは恐らく向こうの淀みの中だ。
干潮前の強い流れが出た際に淀みの水もやはり動く。
その時に淀みから強い流れに吸われるようにして移動して来た彼等が流れの流速差にビビって不規則に暴れるか、もしくは泳ぎのバランスを崩した時にデカい鱸がドカン!
至って平凡でその上ディテールに乏しく、このままでは凡作の劇で終わる。
だが魚釣りは結局そんなもんだ。
実は雨前に水面を低空飛行するツバメがモンスターの裏ベイトで鳥型ルアーのライナーキャストにメーターオーバーがモンドリ打ってフライングゲットー!!!
なんてキテレツなストーリーは漫画の世界だ(笑)

今おれがいる流芯側からのアプローチは、もちろん悪くない。
水が好転すればだが、手前の流芯の中にも魚は多く差すだろうしベイトが淀みから流れに吸われる様を演出するならばこちらが正解だ。
ただし、ラインが手前の速い流れに取られて一番美味しいブレイク付近をモンスター攻略の定石通りに丁寧にゆっくり流すことは難しいだろう。

K2Rを入れてみる。
しっかり流速差の筋まで届くが、やはり手前の流れにラインが取られルアーがツツツーと、止めが効かない。
コモモはどうか?
そもそも筋まで届かないか…
食わせる手段をあれこれ試すも、思い通りには行かない。

いや、それでもちゃんと魚が差しているならばサイズは出せないにしても、流芯内で何らかの反応があっても良さそうなものだが…ノーバイト。

ゼクサスで水面を照らす。
やはりか…
水がダメだ。
向こうで昨夜見た水色とあまり変わらない。
う~ん…


いったん上がる。
仕切り直し。
干潮前に思い切って淀みの方に移動。

足下を照らしながら入水。
おや?
おやおや?
淀みの水はあの白っぽい濁りがやや取れている。
手で水面をパシャパシャ叩いても泡が水面に残らない。
昨夜は水の悪さから早々に見切り中流に行った。
今夜は明らかに水が違う。

そして淀みの地形は…
あの五月のカワヌベ戦の頃よりやや深くなっていた。
思うように前に出られない。
僅かにだが今日の潮位ではさっき見つけたブレイクラインまでルアーを届かせる事は無理。
もう少し下げる明日なら行けるだろうが…

戻る。
竿とカメラを川岸に置く。
手にはウエーディング時に撮影用一脚として使っている2.5mのポールだけを持つ。
ポールでボトムを突きながら歩き探索する。
覚悟を決め、ウエーダー内に水を浸水させ爪先まで完全に空気を抜く。
そして淀みの中を首まで浸かり歩き回る。

昔からおれは鈍臭いヤツで、もう何十年やって来てるから多少は水面を見てそのヨレ具合で地形や流れも読めつもりではいるんだが、実際こんな風に直に足で確かめなくちゃ気が済まないし、気が乗らないし、自信が持てない。
人様の釣果情報も端から全く聞きはない。
同じ技術もセンスも残念ながらおれには無い。
おれのやり方感じ方で、泥臭い仕事しか出来ないんだ。

ポールで砂を突いて、ボトムの柔らかい場所硬い場所を見分ける。
ウエーダーに僅かに受ける流れを感じ、次の一歩を占い、杖で探っては慎重に進む。
やがて砂が硬く締まった少しだけ深い帯状の地形がイメージ出来てきた。
僅か5cm程の深さの違いだが、この差は非常に重要だ。
ユルユルな流れのこの淀みの中の水が強く潮が走った時に吸われるチャンネルだ。
漸くヒントが見えて来た。

そして視線をチャンネルの延長線上と沖のブレイクラインがクロスする場所に向ける。
息を飲み暫くその一点を睨むように見つめる。
するとその一点に名状し難い特別な何かを感じ始めた。
確信めいたものが心に形を成し始め身震いがする。


おれの撃つべき定点が、張り付いて離れられない定点が、泥臭い苦労の末に目の前に現れた。

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上宮則幸
7月25日 http://www.fimosw.com/u/nknk/4yeuvt5rj5obgx 2018-07-27T12:32:00+09:00 頭の中は不安が積もり積もって一杯だ。
先輩と二人で興した会社の先行きを憂う。
資金繰りはまだウマクいかない。
思った程収益を弾き出せずに低迷。
精一杯知恵を絞り可能なだけ効率化して極限まで無駄を削っても、手元に残る金は雀の涙程しか無く、一現場終わる度に途方に暮れる。

単価が安過ぎる。
過当競争が当たり前のこの業種では、ウチみたいなちっこい会社には何のうま味も無い。
安い労働力を確保し受注数を増やす以外に好転はあり得ないのは最初からわかりきった事だ。

無借金経営に拘っている以上は現状から抜け出せないのは明らかだ。
金融機関の融資を受け拡大路線で現状を打開したい攻めのおれと、それを極力避けたい守りの相棒で意見は割れる。
移民受け入れ、単純労働への参入がニュースのヘッドラインに並ぶこの世の中で、生き残るための策は明確は筈だ。
いずれ時流はこの僻地にも必ず押し寄せる…

祖国日本は既に変わり始めているのだ。
人々の意識も家族の形も仕事のあり方も。
それを察知して既に次へのシフトをしていない経営者は易々と淘汰されるのみだ。
それを腹を割って話し合っても頑なな思考はなかなか柔軟にはならない。



晴れない
冴えないねぇ
気持ちが


それでもだ

通勤時に渡る橋の上から見る川の水には関心をひかれる。
街路樹の木の葉に碧味増す空にも風の匂いにも…あの忘れられない煌めく銀鱗を微かに感じる。
川に行けと告げられている。
元気のない背中を何かが押すんだ。

今日はおれの誕生日、7月25日。
44歳になった。

腹を満たすだけの質素な飯を食い、そそくさと仕度を整えクルマを走らせた。
ホームリバー肝属。
おれらしくもない昨今の心境を撃ち破るには、丁度いい節目のこの日に最もおれらしい魚釣りで気分を変えたいものだ。

ただし、釣り場の状況は全くわからない。
ついこの前の日曜に息子と二人で様子見がてらのドライブで訪れた河口に一先ずエントリーする事にした。

準備を整えていると、ヘッドランプが無い。
ひとしきり探すが見当たらずに諦めた。
サブランプと撮影用のランプがあるからまぁいいや。

堤防に立ち川の様子を観察する。
風も波もない河口に、ボラのライズはほとんど聞こえない。

最近雨は降っていない。
空気は比較的乾燥している筈だが、なぜだかジットリと重い。
気温は27℃だが、体感的にもっと高く感じる。
シャツの中の肌を汗の雫が走る。

先日の下見の時に既に気付いてはいたが、下げの流れが対岸寄りになっている。
手前は淀んでダラダラ。

様子見に時間を掛けているとアングラーが一人おれの後ろを河口に向けて通り過ぎて行くのを背中に感じながら、あ~…この潮位だとこのエリアは無いか…

彼から距離を置いておれも立ち位置に着いた。
一瞬、足元の水面にライトの光りを当てる。
光りに白っぽく見える濁り。
この川においては、一見して悪い水。
やっぱりこっちじゃないな…

早々と見切りまだ下げの流れが残る中流へ。
やはり水が悪い。
ベイトも皆無。
もちろんノーバイトだ。

その後、更に2ヶ所を見て回り状況を見るも変わらず、変な水だ。
雨も降らないのにこの水色は何だ?
首を傾げて家路に着いた。

何だろうなぁ?
だが、間違い無く好転が訪れる。
それは明日かもしれないし…






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上宮則幸