タックルバランスという言葉がありますが、これがなかなか難しい。


狙うターゲットに対し、必要となるライン強度を選択し、そのラインが必要量巻けるリールを選ぶ。


というのがリールサイズを選ぶ一つの基準になりますが、もう一つ。


ロッドとのバランスによるリールサイズの選択、というのがありますね。


ロッド選択はさまざまな基準があると思いますが、私の場合は使いたいルアーの種類（重さ）を基準にロッドのパワークラス、釣りをする場所に合わせた長さを選べばいいと思います。


今回魚種をシーバスとしたので仮にシーバスを狙うとして、よくメーカーのうたい文句にある「対ランカー用」みたいなのがNH・Hクラスのロッドであったりしますが、そうゆうのは気にしなくていいかなと思います。


自分がよく使うもしくは使いたいルアーウエイトが、例えばMLにもMにも対応しているのであれば、柔らかめが好きかシャキッとしたのが好きかで選べばいいのではないでしょうか。


ランカー狙いだからMH・Hクラスのロッドを選んで、でも使うルアーはそんなに重くないからキャストしにくい。っていうのは失敗ですねよ。もちろんその逆で、L・MLで重いルアーが扱いにくいもの同じですね。


もちろんそれらを理解した上で、あえて選択しているのであればそれは正解だと思いますが、見様見真似で選んでしまうと私のように失敗してしまいます。


MH・Hクラスのロッドに対する「硬さ」と「強さ」の私の認識が違っていたと思います。


「硬い」ロッドが必ずしも「強い」ロッドとは限りませんもんね。


それはさておき、自分の使うロッドを選択しそのロッドに合わせるリールを選択するというのが、自分の思い描く形に近いかなと思います。


もしロッドもしくはリールを購入する際は、お店でロッドにリールをセットさせてもらい持ってみましょう。


例えばリールの番手や種類に悩んだら、自分のロッドをお店の了解を得て持ち込ませてもらい、実際にリールをセットして持ち比べてみればいいです。


お店が混雑していない時間帯であれば、頼むこちらとしても頼みやすいですし、実際快く試させてくれます。


ロッドとリールのバランスは人それぞれ好みがありますので、実際に自分で持ってみるのが一番です。






と、ここまでは自分の好みのロッド＆リール選びですね。


ここからが本題です。


次の悩みは、いったい何ポンド（号）のラインを使えばいいのかというところです。


シーバスをターゲットとした場合で、一般的にはPEラインにリーダーという組み合わせが多いかとは思います。


私の場合、ナイロン直結3.5～4号、PEの場合は0.6～3号を実際に使って釣りをしてみました。


私の中でもPEラインにリーダーが使用頻度が多いですので、その組み合わせをメインにしてみます。


ライン強度の選択ですが、これは皆さん様々な考えがあるとは思いますが、私が最も重視しているのはロッドのパワーを最大限に活かせる強度にすることです。


例えば、ロッドのパワーに対してライン強度が低い場合、実用的なライン強度に合わせたドラグ値に合わせるとロッドパワーを生かす前にドラグが出てしまいます。


逆にロッドパワーに対しライン強度が高い場合、ロッドの許容荷重が先に限界を迎えてしまいますのでドラグを出さざるを得ない為、ラインの強度を活かせません。


ではロッドのパワーを活かせるライン強度とは、なんなのでしょうか？


それは実際にロッドにきいてみるのが一番です。



私自身も現状のタックルにおいて、答えは見つけられていません。


また、いくらロッドのパワーを活かせるバランスに組み上げることができても、それを扱うアングラー自身がそのパワーバランスに釣り合っていなければ、使いこなすことができません。


そこで、まずは自分自身が現状のタックルをどの程度曲げることができるのか。


ドラグ設定を各タックルごとにセッティングし、ロッドのパワーとアングラーのパワーの具合をチェックしてみました。


その模様を動画に撮ってみましたので、もしよければ見てみてください。


動画の内容は、

1、ドラグ設定の方法と、ラインブレイク






2、ワールドシャウラ2953R-3を使った各ドラグ負荷によるロッドの曲がり





3、タックル別（ワールドシャウラ21053R-3）





4、タックル別（ワールドシャウラ2832RS-2）





5、タックル別（ワールドシャウラ1833RS-2）






に分けて撮ってみました。


こうやってみると、自分のロッドがどのくらいの負荷をかけるとパワーが出るかみたいなもの体感できます。


広い所で、安全第一でお試し下さい。


動画でシーバスタックルでは強いドラグ設定にしている場面もありますが、もしご自身のタックルで試される場合は、低いドラグ値から徐々に上げてロッドに聞きながら試してください。


また、2953R-3・21053R-3の二種は動画内でグリップエンドを体に当てリフトしているシーンがあると思います。


この二種のロッドは、グリップエンドが他のワールドシャウラと違い、EVAでエンド部分が構成されています。


これは、ファイト時に体に長時間当てても痛くならないようにとの設計です。


そしてフォアグリップに関しても、特に21053R-3は少し長いグリップになっています。


このように、ロッドによって構えるポジションが異なることがります。


シーバスロッドであれば、脇に挟んでリフトする分にはよっぽど立てない限り自身の力でロッドを折ることは少ないと思いますが、グリップエンドを体に当てたり、グリップよりも先のブランクスの部分を持ったりすると、ロッドの想定以上の力が掛かって破損してしまう恐れがありますので、ご注意を。





という感じで、ロッドのパワーを発揮しつつ、アングラーがそれほど頑張らなくても持続して耐えることができるロッドごとのドラグ値を見つけます。


もちろんこの値は、人それぞれ同じタックルでも経験や体格でも違うでしょう。


そうやって見ていくと、自身の体力にあったタックルが見つけられるかもしれません。


見つけたドラグ値を参考に、必要なライン強度を導きます。


ちなみに私はリールのすぐ上でドラグ値を計測しましたが、同条件でリーダー結束部のPE部でドラグ値を測ると、リール部より＋0.5KG程度強い力が掛かっていました。


ガイド抵抗がプラスされることにより、3.0KGのドラグを設定すると、実際結束部では3.5KG掛かっていました。


ドラグの基本はライン強度の三分の一～四分の一。


3.5KG×3＝10.5KGのライン強度が実釣行では必要になります。


私のラインシステムは、PEにナイロンリーダーをビミニツイスト＋キングノットで結束しています。


私の結束では大体ですが、PEラインのパッケージ表記の70％ぐらいの強度ですので、3.5KGのドラグを掛けるのであればPE2号は欲しいということになります。


実際にはPE2号で5KGのドラグでも切れることはありませんが、想定外の大物や長時間のファイトになった際の余裕を持つ為にです。


それに一番信用できないのは自分のノットですからね。


ノットはもっと安定して強度を出せるようにしなければなりませんね。


実際今回の実験でも、リールの手元5KGちょっとのドラグで1.5号ノットで切れちゃいました。







私は、強めのドラグをかけてしっかりロッドを曲げてファイトするスタイルが好きなので、シーバスを狙うにはPEは比較的太めですし、タックルも強めです。


不意の大物が掛かったときに、「ドラグが弱すぎて・・・」や「ドラグが強すぎて、切られた」みたいな後悔をせずに済みます。


今あるタックルの最高のパフォーマンスが発揮できる準備をして、万全の体制で挑んでみたいと思います。





まだタックルバランスで大事なものがありますが、それはまた今度。