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▼ 開発スタンス
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去年から進めている、91スピニングの開発。

コンセプトは至ってシンプル。
Tulalaで一番最初に作った、スタッカート89(スピニング)の考え方で、ウェーディング専用ではなくオカッパリのスタンダードモデルを作る事。
これはスタッカート89の開発が終わったその瞬間から、いつかやりたいなと思っていたプロダクト。
89では、ウェーディングでの使いやすさの為に犠牲にした部分があった。
おそらく当時の設計は「曲がる」と「柔らかい」を同義に思っていたかもしれないが、自分の中ではそれは別の物だった。
パワーが無ければ、どんなロッドでも曲がるのだが、89でやったように何段階かの可変ストロークをもって「曲げ込み量に対してパワーも追従する」と言うのは、単純に「柔らかい」と言うのとは違うんだよなぁ・・・と。
そのパワーの出方、もっと言うなら曲がりが止まるポイントは、ウェーディングと言う上半身だけでロッドを捌く必要がある環境に合わせると、どうしても低い位置で出さなければ成立しないという問題が出た。
だから、ウェーディング以外の釣りで考えた場合の89は、「長さ」と「パワー」に若干の犠牲が出ちゃったなぁ・・・という事で、どっちにしようかと葛藤があった。
まぁ途中で気が付いたというか(笑)
いまでもそこに迷っていた時の事は、はっきりと覚えている。
そして、「最初のコンセプトに対して忠実に作るんだ」と、腹をくくったので「ウェーディングモデル」と言い切れた89を作る事が出来たと。
あれからずいぶん経って、あの時に見たもう一つの問いの答えを探す事が出来ている。
開発スタンスは、メーカーや人によって色々とある。
道具や切欠が先に在って、そこから思い浮かぶ釣りがあり、につめていくやり方。
それとは別に、現在欲しいものが分かっていて、それをどうやって形にしていくかを探るやり方。
もしくはその中間的にある、道具と釣りのマッチングを探るようなやり方。
どのスタンスが良いとか悪いではなく、結果生まれた製品が狙ったものであれば、何ら問題はないと思っている。
むかし、レース用品の開発&ライダー&企画営業をやっていた時に、ある人から言われたのが「人間は嘘をつくが、物は嘘をつかない」と言う言葉だった。
これは「その物を作った者の責任」の話でもある。
だからずっと、この事は自分の中で特別な言葉として持ち続けている。
あの頃はバイクだった。
今は釣りの道具。
生まれた製品は、嘘をつかない。
そして、その製品を生むのは人間でもある。
開発では「目指すもの」にむかって様々な積み重ねがある。
なにか一つの変更があれば、評価の為にフィールドへ出て、その結果を持ち帰って設計者へ伝える作業。
だから私は、「変更点は一つにしてね」とよく言う。
例え結果がどう出るかが想定できている事でも、それを二つ同時に変更してしまう事を極端に嫌がるのは、生まれた効果が「何によるものか」が見えなくなるからだ。
ありがちな例えでは、ガイドとブランク。
新しいブランクが出来た場合は、必ず前回と同じガイドセッティングで比較がしたいのだけど、設計者はその新しいブランクへのイメージが出来ているから、それに合わせたガイドセッティングをすでに頭の中に持っていたりする為に、同時に変更をしてきたりする。
まぁ開発も最終段階に入るとある程度は許容が出来るけど、初期段階では絶対に2か所以上の変更はしないでもらってきた。
最終的に、ぜったいにそれが「欲しいものを手に入れる」につながる事を知っているので。
開発はね、上手くいくだけではなく失敗することも少なくない。
その時に一番怖いのは、戻れなくなる事。
何を変えたから何が悪くなったのかが解からないと、次の一手は勘に頼った「適当な変更」になりがちで、また、仮にうまくいったとした場合はもっと最悪で、次にその経験を生かすことは出来ない「ただの偶然の積み重ね」となってしまう。
これを迷走と言う(笑)
そして、迷走をすると開発者は必ず、妥協をするようになる。
最初に作ろうとしたものと、手に入れたものが違う時ってのは、ほとんどがこのパターンなんじゃないのかな。
たぶん途中で、「まぁこんなもんだよね」と何回か口にしているはず。
これは自分でも、かなり気を付けていないとポロリと出る言葉で、黄色信号の目安としても意識している。
ちなみに89ベイトは目指すものも同時に探したから、構想から5年もの歳月が掛かってしまった。
こういうやり方をしたのは、自分の中では初めてだったこともあり、それは仕方がない事かと思う。
それに対して今回の91スピニングは、最初に書いた通りに「狙いたい物」が明確になっていたことで、かなり速度を上げて開発を進めて行けたモデルかもしれない。
また、Tulalaの設計との意思疎通において、言葉の共通認識が進んだこともあり、打つ手に無駄打ちが少なかった事がとても影響をしている。
まぁでも、なんだかんだ2年かかるよね・・・と(笑)
89ベイト開発の後半とダブっていたから、余計にね。
先日、91スピニング開発のキーとなる魚を、ペニーサックMokkaで釣った。

キャストストレスの軽減。
リトリーブでのルアーアクションに追従できるティップ。
バイトをしっかりと乗せるベリー。
一定の曲がりの先にある、魚を止めるパワーの出る位置。
これらのバランスを、ストロークの中でしっかり収め切ったブランクが出来た。
まだ全部の開発が終わったわけでは無いけど、ぼちぼちと発売の目途も立ったところ。
早ければ、来年の春。
稚アユの遡上に間に合うといいなぁ。

コンセプトは至ってシンプル。
Tulalaで一番最初に作った、スタッカート89(スピニング)の考え方で、ウェーディング専用ではなくオカッパリのスタンダードモデルを作る事。
これはスタッカート89の開発が終わったその瞬間から、いつかやりたいなと思っていたプロダクト。
89では、ウェーディングでの使いやすさの為に犠牲にした部分があった。
おそらく当時の設計は「曲がる」と「柔らかい」を同義に思っていたかもしれないが、自分の中ではそれは別の物だった。
パワーが無ければ、どんなロッドでも曲がるのだが、89でやったように何段階かの可変ストロークをもって「曲げ込み量に対してパワーも追従する」と言うのは、単純に「柔らかい」と言うのとは違うんだよなぁ・・・と。
そのパワーの出方、もっと言うなら曲がりが止まるポイントは、ウェーディングと言う上半身だけでロッドを捌く必要がある環境に合わせると、どうしても低い位置で出さなければ成立しないという問題が出た。
だから、ウェーディング以外の釣りで考えた場合の89は、「長さ」と「パワー」に若干の犠牲が出ちゃったなぁ・・・という事で、どっちにしようかと葛藤があった。
まぁ途中で気が付いたというか(笑)
いまでもそこに迷っていた時の事は、はっきりと覚えている。
そして、「最初のコンセプトに対して忠実に作るんだ」と、腹をくくったので「ウェーディングモデル」と言い切れた89を作る事が出来たと。
あれからずいぶん経って、あの時に見たもう一つの問いの答えを探す事が出来ている。
開発スタンスは、メーカーや人によって色々とある。
道具や切欠が先に在って、そこから思い浮かぶ釣りがあり、につめていくやり方。
それとは別に、現在欲しいものが分かっていて、それをどうやって形にしていくかを探るやり方。
もしくはその中間的にある、道具と釣りのマッチングを探るようなやり方。
どのスタンスが良いとか悪いではなく、結果生まれた製品が狙ったものであれば、何ら問題はないと思っている。
むかし、レース用品の開発&ライダー&企画営業をやっていた時に、ある人から言われたのが「人間は嘘をつくが、物は嘘をつかない」と言う言葉だった。
これは「その物を作った者の責任」の話でもある。
だからずっと、この事は自分の中で特別な言葉として持ち続けている。
あの頃はバイクだった。
今は釣りの道具。
生まれた製品は、嘘をつかない。
そして、その製品を生むのは人間でもある。
開発では「目指すもの」にむかって様々な積み重ねがある。
なにか一つの変更があれば、評価の為にフィールドへ出て、その結果を持ち帰って設計者へ伝える作業。
だから私は、「変更点は一つにしてね」とよく言う。
例え結果がどう出るかが想定できている事でも、それを二つ同時に変更してしまう事を極端に嫌がるのは、生まれた効果が「何によるものか」が見えなくなるからだ。
ありがちな例えでは、ガイドとブランク。
新しいブランクが出来た場合は、必ず前回と同じガイドセッティングで比較がしたいのだけど、設計者はその新しいブランクへのイメージが出来ているから、それに合わせたガイドセッティングをすでに頭の中に持っていたりする為に、同時に変更をしてきたりする。
まぁ開発も最終段階に入るとある程度は許容が出来るけど、初期段階では絶対に2か所以上の変更はしないでもらってきた。
最終的に、ぜったいにそれが「欲しいものを手に入れる」につながる事を知っているので。
開発はね、上手くいくだけではなく失敗することも少なくない。
その時に一番怖いのは、戻れなくなる事。
何を変えたから何が悪くなったのかが解からないと、次の一手は勘に頼った「適当な変更」になりがちで、また、仮にうまくいったとした場合はもっと最悪で、次にその経験を生かすことは出来ない「ただの偶然の積み重ね」となってしまう。
これを迷走と言う(笑)
そして、迷走をすると開発者は必ず、妥協をするようになる。
最初に作ろうとしたものと、手に入れたものが違う時ってのは、ほとんどがこのパターンなんじゃないのかな。
たぶん途中で、「まぁこんなもんだよね」と何回か口にしているはず。
これは自分でも、かなり気を付けていないとポロリと出る言葉で、黄色信号の目安としても意識している。
ちなみに89ベイトは目指すものも同時に探したから、構想から5年もの歳月が掛かってしまった。
こういうやり方をしたのは、自分の中では初めてだったこともあり、それは仕方がない事かと思う。
それに対して今回の91スピニングは、最初に書いた通りに「狙いたい物」が明確になっていたことで、かなり速度を上げて開発を進めて行けたモデルかもしれない。
また、Tulalaの設計との意思疎通において、言葉の共通認識が進んだこともあり、打つ手に無駄打ちが少なかった事がとても影響をしている。
まぁでも、なんだかんだ2年かかるよね・・・と(笑)
89ベイト開発の後半とダブっていたから、余計にね。
先日、91スピニング開発のキーとなる魚を、ペニーサックMokkaで釣った。

キャストストレスの軽減。
リトリーブでのルアーアクションに追従できるティップ。
バイトをしっかりと乗せるベリー。
一定の曲がりの先にある、魚を止めるパワーの出る位置。
これらのバランスを、ストロークの中でしっかり収め切ったブランクが出来た。
まだ全部の開発が終わったわけでは無いけど、ぼちぼちと発売の目途も立ったところ。
早ければ、来年の春。
稚アユの遡上に間に合うといいなぁ。
- 2020年12月22日
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