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TOMMY
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▼ 月夜舞闘
- ジャンル:釣行記
梅雨入り宣言がされて二週間。
しかしそのうち、雨が降ったのはたったの二日間だけという、ここ名古屋界隈・・・。
TOMMYのホーム「木曽川」も田んぼの水引きと相まって、かなりの渇水気味。
極めて魚の活性は低いまま・・・。
水害が起きる様な雨量は困りものだが、魚や人、それに植物や穀物にとっても、ある程度の降雨は欲しいところ。
河川の水量が一気に増えれば、途端に魚のスイッチが入る事は解っているのだが、そいつを悠長に待っていられる程、TOMMYの渇きは潤ってはいない。
魚に対する飢えと渇きは、こんな乏しい時だからこそ余計に強くなるってものだ。
したがって、数より型。
この渇きを一瞬で潤してくれる様な魚との闘いがしたい。
そう思っていた矢先、
「TOMMYさん、今夜行きませんか?」
13日の金曜日。
同じ様に飢え渇いた仲間からのお誘いだった。
「NAOU」君だ。
お互い翌土曜日は、朝から仕事。
状況が良くない事は百も承知。
それでも即答。
「行こう!」
この日は下げ6分頃からの入川。
やはり流れは乏しく、さし当たって釣れる要素はこれと言ってない。
しいて言えば大潮の夜。
それも何十年かに一度だと言われる様な、素晴らしい満月が水面を明るく照らしていた。
何の反応もない時間が、やけに長く感じられた。
来た時よりも随分と下げは効き、流れが徐々にではあるが強まっていく・・・。
そんな流れの先に、ERDA86(パンク)を投入し、流心を掴ませるとゴゴンとこの日初めてのバイト。
「食ったわ」
しかし、一瞬でフックオフ。
渇きを潤してくれる様な魚ではない事が瞬時に伝わり、やり取りを怠慢にさせてしまった。
その後TOMMYにはアタリすらなし。
ムキになってルアーをあれやこれや投入するも、3つもロストしてしまう始末。
釣れてくれた魚に敬意を払わなければ、当然“釣りの女神”からはこんな報いも受ける。
釣果にとらわれ過ぎると、大事なモノを失うぞといった、典型的な見本だ。
NAOU君は50cmクラスを一本釣り上げたが、やっぱり納得がいかない様子。
写真を撮っている最中に逃げられて天を仰いでいた。
女神はちゃんと見抜いていたのだ。
翌日。
女神のご機嫌を伺いに、二夜連続で木曽川を訪れる。
この日は「クドウマオ」君と二度目の釣行。
前日の寂しい釣果にも関わらず出撃したのには訳がある。
昨晩の状況から察するに“時合い”が一つのカギとなっているのではないだろうかと、TOMMYは考えたのだ。
TOMMYが足繁く通っている河川には、たしかに“魚の食うタイミング”がある。
上流部から下流部まで、魚のスイッチが入るタイミングが微妙に違うのだ。
逆に言えば、狙って穫れるタイミングが在ると言う事。
じゃあ常に時合いに合わせて釣りをすればいいじゃねーかと思われる方もいるだろう。
もちろんそれが出来れば、ずっと釣れる(笑)。
しかしそう簡単にはいかないのが、この釣りの難しい所であり、またおもしろい所でもある。
時期、水量、水温、潮回り・・・それぞれが常に変動する為に、中々時合いを掴み切れないのが、難しいたる所以。
ただし今回の様に雨も降らず、また、前日とタイドグラフもさほど変わりがなければ、ある程度のタイミングは掴む事が出来る。
この日はそいつを掴んでいた。
そして更に釣れる要素を一つずつ繋げていく。
水色、レンジ、光量、ベイトの有無、ベイトのサイズ・・・
それらの情報を元に、TOMMYは使用するルアーやカラーを代える。
そして今、最もオールマイティーにマッチしているのが『ERDA86』。
次いで実績の高いのが、アイルマグネット、ジランダ、ビーフリーズなどである。
一ヶ所目。
流れの効き出すタイミングより入川。
上手、下手と二手に別れて探りを入れる。
開始から10分。
TOMMYのERDAパンクを静かに押さえ込む様なアタリ。
下げ5分という時間が織り成す激流のファイト!
恐ろしいファイトを魅せて上がって来たのは、58cmの猛鱸。

「このサイズであのファイトですか!?めちゃくちゃロッド曲がってましたよ!」
興奮気味でこう話していたマオ君。
「きっとまだいるから頑張って・・・」
震える左手をひた隠し、TOMMYはそう告げた。
流れがより一層強くなり、先程まで狙っていた流心が、更に沖目へと移動した。
昨夜と変わらず煌々と照らす満月が、流心のさざ波を影絵の様に映し出している。
しばらくすると、先程まで吹いていた風が止んでやけに静かな夜になった。
ピンと張り詰めた空気・・・・・・。
体と精神が自然に溶け込んでいくのがわかる。
やがて訪れる、全身の毛が逆立つ様なピリピリとした感覚。
(いる。デカいヤツが目の前に・・・。)
集中力を高め、二人で流れを斬る様にルアーを投げ続ける。
が・・・・・・・・・
その後は沈黙。
流れは消え失せ、ボラの跳ねる音だけが遠くでこだましていた。
粘るか追うか・・・
選択を余儀なくされる。
「よし!移動しよう!」
ここで前夜の上流部。
下げ九分からのギリギリの時合い。
こいつに的を絞る。
実は冒頭に話した『鍵となる時合い』。
前夜はこれを待たずして帰ってしまったのだが、この時間帯、この潮位こそが勝負所だったのではないのかと感じていたのだ。
(間に合うか・・・)
とにかく急いでポイントへと向かう。
すると、昨晩NAOU君と浸かった流れの先にはヘッドライトが二つ、ぼんやりと点っていた。
(あちゃ~)
土曜の夜。
こればっかりは仕方ない。
挨拶がてら話を伺ってみると、
「数時間、上から下までやりましたけど今日はさっぱりですわ」と。
「そうですかぁ・・・。じゃあ僕らも少しだけ頑張ってみます!下に入らせてもらってもいいですか?」
どうぞどうぞと、快く下流へと入らせてもらった。
やはり下げが進み、昨夜よりも流れは強く感じる。
実績の高い場所をマオ君に撃ってもらい、TOMMYは更に下流へと歩を進めた。
月に照らされた、流れの払い出し部分にERDAを投入。
流れに乗せてボトムギリギリまで送り込み、ハンドルをゆっくりと回しながら流れの“芯”を探す。
ERDAが千鳥足でそいつに入ったのを感じた所で、千鳥モードから“舞踏モード”へ。
パンパン!
ダブルアッパートゥイッチで小気味よく、そして妖しく踊らせて、またテンションフォールで送り込む・・・・・・
ドスッ・・・・・・・・・ジジジジジーーーッ!!
「おっし!食った!」
合わせを入れる間もなく、一気に下流へと走られる!
慌ててスプールに手を掛け、ロッドごと持って行かれそうな勢いを強引に止めた。
ブルッ!
「あーっ!」
痛恨のフックオフ・・・・・・。
フロントフックが一瞬で伸ばされており、もう一方には顎鱗が付いていた。
(またやっちまった・・・。止める前にしっかりと合わせを入れるべきだった。)
悔やんでいても仕方ない。
フックのゲイプを元に戻し、気を取り直して次の一投。
同じ様に流れの中で“千鳥演舞”を披露・・・
すると・・・・・・
ドスン!
何と連続ヒット!
今度はしっかりと合わせを入れ、ジリジリとドラグを出されながらも、二度、三度と追い合わせをお見舞いする!
直ったばかりのエンゼルが、幾度も締め上げられて肝を冷やしたが、どうやら今回は万全の仕上がり。
少しずつ後退しながら間合いを縮め、最後は隙を突いて一気に岸へズリ上げた。

太い。
計測の結果は72cm。
デカいヤツをバラした直後、それでも釣れてくれたとても満足の行く魚だった。

それから流れが緩む潮止まり目一杯まで、マオ君に付いて探ってみたが、この日はこの魚で終了となってしまった。
「いや~凄く出そうな気がしました。楽しかった!まだまだ経験不足っす!」
そう言って笑うマオ君。
たしかに簡単ではない。
場所、タイミング、釣り方は教える事が出来ても、その先は自分で掴むしかないのだから。
でもきっと彼は、近い内に“釣りの女神”から恩恵を受けるだろうなと、TOMMYはそう思った。
その日の晩、持ち帰った58cmを感謝の気持ちを込めて調理。

(鱸と男爵のカリカリポワレ~バジル薫るクリームソース~)
残りは刺身と霜降りで。
そいつを嫁さんと子供達に瞬殺された、父の日の夜だった・・・。
既にTOMMYの体は渇き始めている。
潤いを求め、次はどこへ向かうべか。
- 2014年6月21日
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