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アカメ釣り大会




今年もまた、あの季節がやってきます。

高知で毎年9月に開催されている「アカメ釣り大会」。

アカメ釣り大会・・・

まずはこのタイトルに違和感を感じるかもしれません。

「アカメを釣り大会の対象魚にして大丈夫?」

「大会を開催するほど、アカメって釣れるの?」

このイベントの開催意義がどこにあるか、全てはこのタイトルに込められております。


皆さんもご存知の通り、宮崎県はアカメの釣りが制限されています。

宮崎県では、アカメを保護するべき対象として、捕獲を禁じているのです。

しかし、釣りを制限するほど、本当にその魚は絶滅を危惧されているような状態なのか?

釣りをすることが、その対象魚に絶滅を迫るほどダメージを与えるものなのか?

魚が減少する原因には、もっと根本的な問題があり、それを眩ませるために釣り人が犠牲になっているのではないか?

外来魚問題も同じですが、何か法的な制限が自然環境に課せられる時、政治的な力、釣りとは全く関係のないキナ臭さを感じるのは私だけではないでしょう。

このアカメ釣り大会も、決して浦戸湾水系でアカメが絶滅の危機に直面しているのではなく、釣り大会が開催できるほど魚がいるのだというメッセージが込められているのです。

もっと言えば、都市開発によるアカメの幼魚が育つ場所が潰されること、利益を目的として稚魚を乱獲することが、アカメ減少の大きな原因となっていることを、世間に広く伝えて行くことも目的になっているのです。


それと、もう一つ、浦戸湾で釣りをしていると驚くべき発言を耳にすることがよくあります。

散歩をしている近所のおじさんからよく言われるこの一言。

「お兄ちゃん、何釣ってるの?」

「はい、一応、アカメを狙っているんですけど」

「ははは、こんなとこにアカメおらんよ(笑)。アカメを釣るなら四万十行ったほうがええよ」


浦戸湾水系で釣りをしていると、よくある光景です。

そうです。

浦戸湾に注ぎ込む7つの河川。

その近隣で生活している人は、家の近くに流れているドブ川(完全に護岸されている川という意味で)に、まさかあの「和のネイティブ」「神の魚」が泳いでいることを知らないのです。

つまり、ほとんどの住民が、家の近くに流れる川に、アカメが棲んでいることを知らない=自然に対する意識が薄いと言い換えることができるのです。(もちろん中には関心を持っているかたもいらっしゃると思います)


我々が浦戸湾を形容する時によく使う「奇跡のフィールド」とは、40万都市の高知県の街中を流れる、人間の生活と密着している河川や港湾部に、あのアカメが生息してることに対しての驚きをもって表現しているわけです。

自分も確かに、はじめて浦戸湾を訪れた時は驚きました。

近所のおじさん達が言うところの 「アカメ=四万十川」という清流域を自分もイメージしていたからです。

「こんなアーバンな場所で、アカメが釣れる?嘘でしょ??」

言い換えれば、これだけ生活に密着したフィールドでアカメが自然に繁殖している事実。

水環境が美しいところにしか生息しない「シオマネキ」が、人間の生活圏にいることも、世界では珍しい事例だとも言われています。

自分が思うに、この高知のとんでもない自然の力が、人間の自然を破壊する力より勝っている。

四国は自分が体で感じるほど、自然のパワーに満ちあふれている。

力強い、豊かな森、豊かな自然・・・


しかし、この浦戸湾にも不幸な時代はあった。

戦後の高度成長期、この浦戸湾も例外ではなく、自然環境など全く配慮せずに、人間の都合だけで都市開発を進めて来た。

一時期は、浦戸湾の水は死んだ、とまで言われた時期があり、そこに問題を感じた先人達が、このままではいかん!と立ち上がり、様々な問題提起をして、工業廃水をはじめとする水の浄化に取り組み、今の浦戸湾になったと聞いています。

その過程では、尊い人命まで失われた歴史もあるのです。

それを知って、自分も浦戸湾に対する気持ちが変わったのも事実です。

その歴史を思い返すと言うと大げさになるかもしれませんが、アカメの棲む「奇跡のフィールド」を、その近隣に住んでいる皆さんにも知ってもらい、あらためて浦戸湾や流入河川、水環境について考えて欲しい、というのがイベントとして開催するもうひとつの目的ではないかと思っています。



毎年9月に行われるアカメ釣り大会では、アカメや浦戸湾、自然環境にまつわる「フォーラム」が同時に開催されます。

アカメ釣り大会に参加したい、参加するという方は、ぜひともこのフォーラムにも一緒に参加することをお勧めします。

自分も毎年このフォーラムに参加させて頂いておりますが、これが本当に面白い!!




 

こちらは昨年のフォーラムでお話しを頂いた、高知大学の田町名誉教授。

自分はこのフォーラムに参加することで、アカメの習性を知る大きなヒントにもなりました。

今年はアカメの生息域調査を行ってきた研究員の方からお話しを聞けるということで、今からワクワクしております!



昨年はタックルハウスの二宮さんも来場されておりました。




 

釣り大会はアカメの標識放流(タグリリース)を目的としており、釣った時点で検量スタッフが現場に駆けつけるというシステムですが、標識放流された方には二宮さんからも特別なアイテムをプレゼントされるスペシャルなイベントです。

自分もこの大会の為に、AIR OGRE 魯山人カラーを作っていこうと思っております。


アカメ釣り大会、フォーラムの詳細については、公式のホームページをご覧ください。

今年は連休の日曜、月曜に渡って開催されますので、お間違いのないようにお願いします。


第3回 アカメフォーラム
9月18日(日)13:00〜 自由民権会館



アカメの国
http://www1.ocn.ne.jp/~akame/



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